アンサンブル・ウィーン=ベルリン
スピリットは時代を超えて
アンサンブル・ウィーン=ベルリン
©Karlinsky
クレメンス・ホラーク
[完売御礼]
本公演は終了しました
2015年 7月12日(日) 15:00開演
【全席指定】 | 会員 S席4,950円・A席4,050円 一般 S席5,500円・A席4,500円 |
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U-23(A席/23歳以下)3,500円 U-23料金でご購入いただけるエリアはA席となります。 U-23利用の中学生以上の方は、公演当日に身分証明書をご持参ください。 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【出 演】 | カール=ハインツ・シュッツ(フルート) ジョナサン・ケリー(オーボエ) アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット) リヒャルト・ガラー(ファゴット) シュテファン・ドール(ホルン) |
【曲 目】 | ハイドン:ディヴェルティメント 木管五重奏版 メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」木管五重奏版 ドヴォルザーク:「スラブ舞曲集」より3曲 バーバー:「夏の音楽」op.31 リベラ:エアーズ・トロピカル ガーシュイン:「ポーギーとベス」木管五重奏版 |
出演を予定しておりましたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席オーボエ奏者 ジョナサン・ケリーは、家族の健康上の理由から来日が困難となりました。
メンバー間で行われた至急の協議とスケジュール調整の結果、ケリーの代役として、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席オーボエ奏者のクレメンス・ホラークの出演が決定いたしました。その他の出演者および曲目の変更はございません。出演者変更後の本公演にもぜひとも変わらぬご期待をいただければ幸いです。
なお、この出演者変更に伴うチケットの払い戻しはございません。
ケリーの出演をご期待いただいていたお客様には誠に恐縮に存じますが、事情をご理解いただき、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
アンサンブル・ウィーン=ベルリンは、1983年に主にウィーン・フィルとベルリン・フィルの首席奏者を中心とした世界最高峰のソリスト達によって結成されたアンサンブルです。徐々にメンバーを変更しながら活動を続けてきましたが、2013年に30周年を迎えたのを機に、完全に若返るかたちで新たなスタートを切りました。ウィーン国立歌劇場管及びウィーン・フィルのソロ・フルート奏者のカール=ハインツ・シュッツ、ベルリン・フィル首席オーボエ奏者のジョナサン・ケリー、風のホールには今回で3度目の登場となる同首席クラリネット奏者のアンドレアス・オッテンザマー、そして同首席ホルン奏者のシュテファン・ドール、ウィーン響首席ファゴット奏者のリヒャルト・ガラーという各楽団を代表する名プレーヤー達が集結し、新たな歴史を綴ります。
今回のプログラムは、来日時期にあわせて夏をテーマに組まれています。前半はヨーロッパの古典派からロマン派の作品が3曲並びます。ハイドンのディヴェルティメント、シェイクスピアの戯曲から着想を得たメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」に引き続き、ボヘミアの作曲家ドヴォルザークが民族舞曲のリズムや特徴を生かして作曲したスラブ舞曲集から3曲をお贈りします。後半はアメリカ大陸に飛び、北米の作曲家、バーバーの爽やかな「夏の音楽」から始まり、9度のグラミー賞に輝くキューバ出身のサックス/クラリネット奏者、パキート・デ・リベラの「エアーズ・トロピカル」が続きます。締め括りには、ジャズのスタンダードナンバーとしても有名な「サマータイム」などを擁する、ガーシュインのオペラ「ポーギーとベス」のメドレーが演奏されます。
世代交代をしながら創立当初の理念とスタイルを継承していく、アンサンブル・ウィーン=ベルリン。鮮やかで躍動感あふれるアンサンブルに、ご期待ください。

1.アンサンブル・ウィーン=ベルリン(以下EWB)は30年以上に渡り、同じスピリットを共有しているように思えますが、それはどのようなものでしょうか。
シュテファン・ドール
©Monika Rittershausシュテファン・ドール:互いに刺激を与え合い、音楽のアイデアをもたらすことのできる5人のソリストが集まり、変化に富み活気溢れるアンサンブルにしていくこと-これこそが結成以来EWBの理念となっています。メンバー全員が強い絆で結ばれ、それぞれの知識、能力、才能を捧げ合うという特別なスピリットがEWBならではのDNAと言えるでしょう。このバイタリティを継承し、アンサンブルが常に進化していくために、それまでとは異なるエネルギーと刺激をもたらす新しい音楽家に道を譲るのは当然のことです。“古い”メンバーが去るのは寂しいですが、彼らがアンサンブルの歴史に貢献してくれたことは、“新しい”メンバーにもしっかりと伝えられ、継承されていくものだと思います。
リヒャルト・ガラー:彼と同意見です。
2.2013年、結成30周年を期にメンバーが大幅に入れ替わりましたね。新しいメンバーはどのように選ばれたのですか。
シュテファン・ドール:とても良い質問ですね。実は私達も同じ質問を自分に問いかけてきました。ある時点でメンバーが自らの意思でEWBの活動から退き、若い音楽家に道を譲ることは、EWBならではの特徴かもしれません。このアンサンブル特有のスピリットが常に新鮮であるためには、当然の成り行きのように思います。2013年にメンバー数人がEWBを去ることになり、オーディションやキャスティングなどを行ったわけではありませんが、そこにジョナサン・ケリー、アンドレアス・オッテンザマー、カール=ハインツ・シュッツが、きわめて自然な形で入ることになったのです。
3.EWBのメンバーに選ばれたことについて、どのように思われましたか。
ジョナサン・ケリージョナサン・ケリー:名プレーヤーが集い、定期的に活動する室内楽のアンサンブルに参加できることは、私が常に音楽家であろうとする理由の一つです。リハーサルやコンサートの度に新たな発見があり、私を刺激してくれるのです。才能豊かなアーティスト達と共演することが、実に素晴らしい経験となっています。
アンドレアス・オッテンザマー:世界的に有名な憧れのアンサンブルの一員になれて、とても光栄ですし、ラッキーだと思います。このような素晴らしい仲間達と演奏できる喜びと、感謝の気持ちでいっぱいです。お客様にも私達と同じように楽しんでいただけると嬉しいです。
カール=ハインツ・シュッツ:新しいメンバーとの初めてのリハーサルでは、本当に驚きました。既に何年も彼らと一緒に演奏しているように感じたんです。
4.ところで、今回の日本ツアーには二つのプログラムを用意されていますが、どのようにお決めになられたのでしょうか。
シュテファン・ドール:ユーモアがあり、ウィットに富む、それでいて各プレーヤーのヴィルトゥオージティも堪能できるプログラムを組もうと考えました。五つの管楽器から生まれる音楽の多様性が体感できる、素晴らしいものになりました。今回用意した二つのプログラムに共通する曲は、バーバーの「夏の音楽」とメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」です。ちょっと見たところでは大差がないのでは?と思われるかもしれませんが、フェルステルとドヴォルザークの作品を含む方は、よりシリアスなタッチのものとなり、一方の三鷹でも演奏するハイドン、ガーシュイン、デ・リベラの作品が並ぶ方は幾分肩の凝らない軽めのものになります。これらの音楽の未知の世界を素晴らしい仲間達とともに探るのが、非常に楽しみですし、もちろん、お客様が私達の演奏を気に入ってくださると嬉しいです。
5.楽器を始めたきっかけを教えていただけますか。
シュテファン・ドール:もともとヴィオラを習っていましたが、ある日、小さな狩猟用ホルンを与えられると、それまで自分が弾くヴィオラよりもずっとかっこいい音がする!と思ったんです。後に、有名なホルン奏者ヘルマン・バウマンの演奏会を聴いたことがきっかけで、これこそ自分が演奏したかった楽器だとわかりました。
リヒャルト・ガラーリヒャルト・ガラー:理由ははっきりと思い出せませんが、子どもの頃です。とにかくファゴットを勉強したくてたまらなかったからでしょう。この時の人生の決断は間違っていなかったと思います。
ジョナサン・ケリー:11歳の頃です。ベルリン・フィルの元首席奏者ローター・コッホの録音に夢中になったのがきっかけで、オーボエをすぐに習い始めました。
アンドレアス・オッテンザマー:クラリネットは私の家族にとって非常に大切な楽器です。もともとピアノとチェロを勉強していたのですが、12歳の時、“オッテンザマー家”の楽器、すなわちクラリネットで父や兄と一緒に演奏したいと思うようになったんです。
カール=ハインツ・シュッツ:とても幼かった頃にどこかで聴いたフルートの音がずっと忘れられなくて、フルートを演奏してみよう!と思ったんです。すぐに私にぴったりの楽器だとわかりました。
6.それぞれの楽器の魅力を教えていただけますか。
シュテファン・ドール:ホルンの変幻自在な音色と幅広い音域が大好きです。ワーグナーやブルックナー、マーラー、チャイコフスキーといった作曲家達が、この楽器のためのソロ・コンチェルトを書かなかったことは残念ですが、ホルンはオーケストラの様々なグループの中では仲介役を担うこともありますし、オーケストラの中で息をのむような見事なソロも演奏します。その上、どの楽器よりもクールに見えるんです。
リヒャルト・ガラー:ファゴットの響きと、音楽の中で様々なキャラクターを表現できるところが好きです。
アンドレアス・オッテンザマー
©Anatol Kotte / Mercury Classics / DGジョナサン・ケリー:オーボエの音が人間の声にとても近いところに魅力を感じます。
アンドレアス・オッテンザマー:特にウィーンのクラリネットの、温かくて柔らかくナチュラルな音が大好きです。また、様々な時代やスタイルの異なる音楽にフィットするところも、この楽器の面白さであり魅力と言えるでしょう。クラリネットは幅広い表現力と多様性を追求できる、無現の可能性を秘めた楽器なんです。
カール=ハインツ・シュッツ:フルートはとても愛らしい楽器です。息をのむような、はかない音からたっぷりとした音が出せるので、フルート奏者は幅広い音楽表現ができます。
7.ベルリンやウィーンでの生活はいかがですか。
シュテファン・ドール:私はベルリンが好きです。深い感銘を与える歴史があると同時に、日々進化し続ける街であり、カルチャー・スポットで賑わう世界で最も活気に満ちた刺激的な街だからです。この街独特のバラエティに富んだ文化を享受していますが、田舎のような環境でリラックスできる静かなエリアに家族と住めるのも嬉しいです。家族と一緒に過ごすのも、ヨットに乗るのも大好きです。幸いにもベルリンには美しい湖がたくさんあるので、セーリングができるんですよ。
リヒャルト・ガラー:ウィーンは紛れもなく世界で最も偉大な都市の一つだと思います。音楽家としても、またプライベートにおいても旅は大好きですが、ウィーンに戻って来るのがいつもハッピーなのです。
ジョナサン・ケリー:家族と共にイギリスのバーミンガムからベルリンに引っ越すにあたり、私と妻にとっては3人の娘達が新しい環境に馴染めるかが重要でしたが、彼女達は見事にやってのけました。今ではすっかりベルリンっ子になった気分です。熱心に打ち込んでいる趣味はガーデニングですが、最近はさらに新しい興味が二つ加わりました。ジョギングと歌です!さしあたってモーツァルトのオペラのテノールのアリアをいくつか習っているところですが、いずれはワーグナーのヘルデン・テノールの領域も探求したいですね。
カール=ハインツ・シュッツアンドレアス・オッテンザマー:ウィーンとベルリンの生活を経験しています!ともに独自の素晴らしさと美しさのある街です。ウィーンの伝統文化との深い繋がりを自覚していますし、同時に、ベルリンから受ける新しいインスピレーションにも、とてもオープンに接しています。プライベートではサッカーやテニス、ゴルフその他何でもスポーツをするのが大好きです。何より楽しいし、エネルギーをチャージできますしね。
カール=ハインツ・シュッツ:ウィーンの生活はとても素晴らしいです。ぜひ訪れるべきです!
8.最後に、メッセージをお願いします。
シュテファン・ドール:何年も前から日本には来ていますが、時が経つにつれて家に帰るような気分になりました。長きにわたって友情が育まれた結果でしょう。日本の聴衆の皆さんはいつもフレンドリーで熱心に聴いてくださるので嬉しいです。
リヒャルト・ガラー:コンサートをとても楽しみにしています。終演後にお客様と楽しくお喋りできる機会があればいいなと思います。
ジョナサン・ケリー:日本に来る度に驚かされることばかりで、いつも新たな発見があります。この国は特別です!
アンドレアス・オッテンザマー:また日本に戻って来られて本当に嬉しいです。特に今回はEWBのメンバーと一緒に来日するので格別です!一昨年、ベルリン・フィルハーモニー・ブラームス・クァルテットのメンバーと共にブラームスとウェーバーのクラリネット五重奏曲を演奏した、響きの良いこのホールで再び演奏できることを楽しみにしています。
カール=ハインツ・シュッツ:日本の聴衆の皆様に新生EWBの演奏をお贈りすることができるのを誇りに思います。私達と同じように楽しんでいただけると嬉しいです。
訳:大塚真実