本公演は終了しました
2011年11月19日(土) 17:00開演
【全席指定】 | 会員3,600円 一般4,000円 中学・高校生3,000円 小学生2,000円 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【出 演】 | 渋さ知らズ大オーケストラ+ワークショップ参加の皆さん ダンドリスト:不破大輔 |
1965年に開館してから46年間、発表会やコンサート、学校行事や成人式など市民の皆さんの様々な思い出が刻まれている三鷹市公会堂。この度ホールは大規模改修工事のため、別館の会議室棟は建て替えのため今年12月からの約1年間、休館することになりました。
改修前のフィナーレを飾るのは中央線カルチャーを代表する唯一無二の大所帯バンド、渋さ知らズの登場です!
渋さ知らズは1989年、「発見の会」演劇公演の音楽を担当した「ダンドリスト」ことリーダーの不破大輔を中心に、吉祥寺でその産声をあげました。ジャズやロック、ラテン、フォークなどありとあらゆるジャンルフリーな音楽と舞踏、舞台美術が渾然一体となったパフォーマンスは大胆不敵かつ痛快!観客のアート魂をも覚醒させる極彩色のサーカスのようなスペクタクルは、フジロックやライジングサン、日比谷野外音楽堂、欧米各地の公演でも熱狂をもって迎えられています。
不破大輔自らも地元である三鷹での一大イベントに気合十分!
46年分のみんなの思いを詰め込んだ、壮大な祭りが幕を開けます!
関連ワークショップ
1. 親子ワークショップ「渋さ知らズと楽器をつくろう!」
2. 大人のワークショップ「渋さ知らズの音楽、美術、踊り、パフォーマンス」
吉祥寺で生まれ、音楽・舞踏・美術・映像などが混然一体となった唯一無二のパフォーマンスで観客を圧倒する大所帯バンド「渋さ知らズオーケストラ」。
“渋さ”の代表で三鷹市内にお住いの不破大輔さんにお話を伺いました。
───「渋さ知らズ」結成前にはどのような活動をされていましたか?
母がピアノを弾いたり、ヴァイオリンを教えたり、チェロをアマチュア・オケで演奏していたことがあり、楽器が身近に転がっていたんですね。それで15歳の頃からコントラバスを始めました。ロック、フォーク、歌謡曲、民族音楽とか何でも聴いていたんですが、ジャズは最初訳がわからないと思っていたのが聴いているうちにわかった気になって、やめられなくなったんですね。若い頃はいくつかのバンドをやったり、セッションをしたりという、普通のバンドマンとしてやっていました。
──そして1989年に「渋さ知らズ」を結成したきっかけは?
「発見の会」というアングラ劇団との関わりが10年くらいあってそのお芝居に生演奏をつけていたんですが、吉祥寺のロマン劇場という映画館が閉まる時に、最後にその劇団がその劇場を使えることになったんです。毎日客席を埋めるのは大変だから、オーケストラピットのように前の方をバンドで埋めたら空席が目立たないのではないかということで、たくさん集めてほしいと誘われて、毎日20人くらいで演奏した、というのが結成のきっかけです。
──不破さんは「ダンドリスト」というユニークな肩書ですが、ダンドリストの役割は?
まず「渋さ」ではその日によってお客さんの層も違うので、曲順は決めていないんです。客席で練り歩きをしたりしながら「今日のお客さんはとにかく踊りたいみたいだな」と思えばそれでやってみたり、逆に踊らせないぞ、ということでやったりします(笑)。「ダンドリスト」は交通整理みたいな役なんです。例えば誰かがジェスチャーで、急にここからここに飛ぶみたいなことをやってみせて「エッ!? そこに?」と思いながらそれをやってみてうまくいくと「ヤッタ!」となって空気感が変わる瞬間があります。ミュージシャンにとって新鮮なことはお客さんにも「オーッ」となるみたい。大所帯なので、舞台のあちこちでそういうことが起きたりします。最初はポカンと口を開けているお客さんも多いですけどね(笑)。
──「渋さ知らズ」のライヴには何が起きるかわからない楽しさがありますね。曲作りはどんなことを念頭に置いていますか?
「渋さ」のオリジナル楽曲は、実はほとんど芝居のために作った曲なんです。これまでにお付き合いしてきたいくつかのアングラ劇団の芝居です。芝居のシーンのために作った曲は、楽曲としてドラマティックなところもあるし、ダンサーが踊るシーンもあったり、音楽以外の要素も入りやすいということもあって…でも、ライヴ中に何か面白いことをしかけようかと思っても、メンバー間に意志がうまく伝わらないこともよくあり、そんな時こそ笑うようにしているので、僕たちがニコニコしている時はだいたい失敗している時です(笑)。
──ハプニングと言えば海外のツアー中にも色々な出来事があるそうですね。
オーストリアで野外ライヴをした時に、演奏しながらドラゴン(*1)を連れて練り歩くことになったんですが、途中でテグスが切れてドラゴンが空に飛んで行ってしまい… 国境を越えてアルプスの山の方へ行っちゃって、遺失物届を出したということもありました(笑)。次はスイスだったんですが、そこではちょうど和竹があったので、急きょ竹製のドラゴンを作って「飛ばないけどこれでひとつよろしく」みたいな感じで…(笑) ド ラゴンとかクラゲとか色々あるので三鷹でも飛ばすつもりですよ。
──今回、親子向けや大人向けの音楽、美術、踊り、パフォーマンスといったワークショップを開催します。
そうですね。皆さんの興味があることで何か一緒にやって、気持ちいい瞬間というのを味わってほしいですね。その扉を開ける手伝いになればいいなと思います。
今回の特徴は親子向けワークショップを行うことです。楽器を作って絵を描いて鳴らして踊って共演するという、その全部をやってもらおうと思っています。そして楽器のドレミを演奏する複雑さじゃなくて、一つでも二つでも音を出してもらって、そこに僕たちのいくつかの助けがあると、音が合う楽しみが生まれるということを経験してもらいたいと思います。
この間、スイスでやった子どものワークショップではバスケットボールのドリブルをして音を出しそのリズムに合わせて楽器を鳴らして音楽にしました。こんなことも音楽になるんだと、そんな気づきの瞬間があるといいですよね。
──三鷹公演は公会堂改修前のフィナーレを飾る、記念すべきイベントですが、どのような内容になりますか?
開演の1時間前からロビーでは子どもたちと一緒に演奏したり、ロビーも飾りつけをしたりしてお客様をお迎えし、オープニングではワークショップで作った曲を演奏しながら会場内を練り歩いて、徐々に僕たちも仲間に加わり本編に入る… という感じで、一つの祭典のようにしたいですね。公会堂が生まれ変わるのを見据えるような、僕たちの楽しさがホールに映り、生まれ変わるホールの足跡として残るような集まりにしたいと思います。
*1)渋さ知らズオーケストラの舞台美術を代表する巨大なオブジェで舞台や客席上を浮遊する。
改修工事のため昨年12月から休館中の三鷹市公会堂。
休館直前の11月19日[土]に「渋さ知らズ大オーケストラ」が登場し、
そのフィナーレを飾りました。
事前に行われたワークショップには地元三鷹はもちろん、
愛知県からの参加もあり(!)総勢63 名が集結しました。
「親子ワークショップ」
大人顔負けのリズム感に観客からも自然と掛け声や手拍子が♪
ペットボトル、空き箱、ビニールシートなどの廃品や、なべ、パチンコ玉、画用紙などの材料でオリジナルの楽器を手作りし、皆で即興演奏にもチャレンジ。公演当日は開場時に、各自が作った楽器を手にパフォーマンスを行い、お客さまをお迎えしました。
「大人のワークショップ」
会社帰りのスーツ姿の人も、踊りや楽器の経験者の人も、
そうでない人も全員が「渋さ」メンバーの一員に!
「音楽組」
ヴァイオリン、二胡、ギター、フルート、クラリネット、サックス、トランペット、鍵盤ハーモニカ、ジャンベ、ボンゴ・・・多彩な顔ぶれが勢揃い。初見とは思えない大迫力の「ナーダムのテーマ」の演奏は圧巻!
「踊り組」「パフォーマンス組」
ダンス経験者もそうでない人も、実際の舞台での動きを考えながら踊ったり、自由に自己表現するパフォーマンスに挑戦したり…。かなりハードな内容にもかかわらず、皆さんの表情は生き生きとして素敵でした。
「美術組」
持ち寄った材料でオブジェの制作と、制作過程を映像作品にするために、コマ撮り写真の撮影という根気の要る作業に取り組みました。公演当日、高さ約3メートルの巨大オブジェがロビーにお目見えし、映像作品は舞台上のスクリーンに投影されました。
そして本番…!
あいにくの雨模様でしたが「音楽組」「踊り組」のオープニング出演で幕を開けると会場の熱気は最高潮に! 渋さ特有のどこか懐かしくダンサブルな音楽、無国籍風でサーカスのような目くるめくパフォーマンスが3時間ノンストップで繰り広げられ、最後は場内総立ちで出演者も観客も一体となり、まさに壮大な「祭り」としてホールの歴史に刻み込まれた一夜でした。