パソコンで予約携帯予約
チケットのお求め方法託児サービス友の会ご案内

主催事業アーカイブ(2016年以前) > 星のホール

音楽
演劇
映画
古典芸能
美術
文芸
インタビュー
動画

土田英生セレクションvol.1『─初恋』

人口6000人の小さな島、その片隅に建つアパート『ハイツ結城』。
そこで起こった、たったひとつの“恋愛”事件-

土田英生主宰 劇団MONO

土田英生+田中美里

本公演は終了しました

2010年 6月4日(金)〜13日(日) 全11公演

【全席指定】 会員 前売4,000円 当日4,500円 一般 前売4,500円 当日5,000円
高校生以下2,500円(前売・当日とも)
託児サービス 500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*未就学児は入場できません。 *6/5(土) 14:00・18:30のみ
【作・演出】 土田英生
【出 演】 田中美里 今井朋彦 犬飼若博 奥村泰彦 根本大介 川原一馬
千葉 雅子 片桐 仁
【サイト情報】 土田英生主宰 劇団MONO ウェブサイト http://www.c-mono.com/
出演者インタビュー動画をこちらでご覧いただけます。

今生きている世界に居場所がなく、自分だけが浮いている。

孤独と疎外感にさいなまれた時、同じ痛みを抱えた人と出会うと希望がわくものの、やはり理解しえないと分かった時、さらに深い絶望に襲われる......。本作は同性愛の男性ばかりが住むアパートという少し特殊な設定の中に、そんな孤独と希望をつめ込んだ物語です。

2007年に星のホールで公演した『地獄でございます』も好評を博し、そのテンポの良い会話劇で定評のある劇団MONOの土田英生が、個性豊かな俳優たちと共に創り上げる"馬鹿馬鹿しいのに哀しい、哀しいのに笑える" 舞台にご期待ください。


★の回は託児サービスあり

作・演出:土田英生さんからのメッセージ

劇団MONO
撮影:西山英和(PROPELLER.)
最近はすっかり認知された感のあるゲイの人々。『─初恋』は、とある小さな島の片隅に立つアパートで、そういう人達が共同生活をしている話です。 依然残っている偏見や差別。しかしその中で繰り広げられるささやかな初恋や嫉妬。そうした機微を笑いで包みながらお届けします。私にとっての代表作である『─初恋』を実力派キャストでリメイクします。ご期待下さい!

土田英生

劇作家・演出家、MONO代表。89年「B級プラクティス」(現MONO)結成。
90年以降全作品の作・演出を担当する。03年、文化庁の新進芸術家留学制度で一年間ロンドンに留学。劇作と並行してテレビドラマ・映画脚本の執筆も多数。その代表作に『斉藤さん』(NTV)・『約三十の嘘』など。

【「-初恋」インタビュー動画】

※JCN武蔵野三鷹「MITAKA ARTS NEWS ON TV」で放映されたものです。YouTube で見る

Interview 土田英生セレクション

土田英生さん(作・演出)、田中美里さん、片桐仁さん(出演者)インタビュー

インタビュー 土田英生セレクション管理人の女性を除く住民全員がゲイ、というアパートを舞台に、哀しくて笑えるテンポの良い会話劇が繰り広げられる『─初恋』。作・演出の土田英生さんと、出演者の田中美里さん、片桐仁さんにお話を伺いました。

──ひとりひとりの個性を活かしつつ、いいパス回しができる芝居をつくりたいですね。

土田:実は僕の役者仲間の女の子が、ゲイのお店の人を好きになっちゃったんです。それで「男性が行った方が喜ぶから一緒に来て」と言われて僕もお店について行ったんです。すると、彼女は彼のことを好きなのに、彼は僕の方に寄って来ちゃって…(笑)。その彼女の切ない気持ちを思うと、どう振舞ったらいいかと迷ったりして…そんな実話がベースになってできたお話なんです。
初演時はゲイの方たちからたくさんのお手紙をいただき、中には厳しいご意見もありましたが、逆に自分達の理解者と思ってくれて、その後、他の芝居も色々と観に来てくださった方もいます。

──現在はゲイに対する見方も変わり、初演の時とは状況も違って来ているのかもしれませんね。

土田:そうですね。それで設定が古くならないようにするため、場所を人口6000人位の過疎の漁村に移しています。

片桐:脚本を読んでみて、ゲイうんぬんではなく、会話劇として面白いと思いました。「ゲイは卑屈になるか居直るしかない」というセリフがあって、そういう気持ちを内包している者たちのやり取りだから、けんか腰になっていても、なんか笑える部分があって…いい設定だな、と思います。

──三鷹のホールについてはどんな印象でしょうか?

土田:大きさ的にやりやすいですね。今までに色々なところでやってきましたけど、ポンポンと弾む会話劇には、1000席以上もある所では成立しにくいですよ。

──片桐さんは三鷹のホールは2回目ですね(’07年G2produce「ツグノフの森」出演)。

片桐:ええ、そうです。前回はホールの裏手にある公園で、四つ葉のクローバーを見つけて盛んに取っていた覚えがあります(笑)。

──田中さんは、土田さんの舞台への出演は2回目ですね。どのような感想をお持ちですか?

田中美里さん
田中美里さん
田中:そうですね。前回の土田さんの印象は、舞台上によく出てきてよく動く、熱血演出だな、という感じです。お芝居がひとつのセリフで完結せず、みんなで繋いでいって最後に落ちがある、というのが楽しかったです。

──今回の出演者に関しては、土田さんのどんな思いがあったのでしょうか。

土田:このような組み合わせはめったに見られないと思うんです。これまでの枠を全部はずして、今回は自分のやりたい人に声をかけさせてもらいました。だから本当に楽しみです。どう機能するかはわからないけど、うまくいけば間違っていなかったってことになりますし。

──あらすじを少々教えていただけますか?

土田:ゲイの皆さんが集まっているアパートがあって、田中美里さんはそこの管理人さんです。なぜこんな方がそこの管理人をしているのだろうということについては伏せます。言えないです!(笑) 芝居のタイトルに係わってくる…とだけ言っておきます。片桐さんは、そのアパートのリーダー(今井朋彦さん)とライバル関係にあり、過去の因縁から一度そのアパートを飛び出したが、また同じアパートに戻ってきているという役です。その飛び出した理由にもタイトルが関係していて…つまりみんなの『初恋』をモチーフにして、それぞれの初恋が描かれているというお話です。

──人を愛する気持ちには、異性が好きな人も、同性愛の人も変わりがないということですね。

土田:そう、そうです!「愛することに変わりはない」それもらいましょう!

──今回、「土田英生セレクション」という名前をつけられたのはどうしてでしょうか。

土田:Vol.2があるかどうかは定かではないんですけど(笑)。今回、三鷹さんと一緒にやらせていただいた後に地方のホールにも回るので、何か名前をつけたいと思って。まさか『土田MAP』*1なんておこがましい名前はつけられない(笑)ので、考えているうちにこうなったんです。好きな俳優さんたちと一緒にやれる機会を持つための第一歩としたい、という気持ちからです。

──今回の舞台への皆様の抱負をお聞かせいただけますか?

片桐仁さん
片桐仁さん
田中:土田さんとまた一緒にやりたいと思っていたので、初めてのことづくしですが、飛び込んでみようと思っています。今井さんとは先日初めてお会いしましたがチャーミングな方で、どんな風にお芝居で掛け合いができるのかも楽しみです。

片桐:僕はこれまでオカマコントや女装はありましたけど、お芝居でゲイ役というのは初めてで…しかも男全員ゲイでしょ。今井さんという、ストイックなスッーと背筋の伸びた方がライバルという設定なので、自分なりの「ゲイ」をどう表すか、何か仕掛けられたらいいな、と思います。

土田:今井さんはたたずまい自体が綺麗なんですよね。同姓でもちょっとドキッとするくらい。部屋が散らかっているとかは絶対ありえないだろうなぁ。

片桐:こたつとかないでしょうね(笑)。

土田:絶対ないね。こたつで袢纏にみかんとかは…

──もう一人の女性、千葉さんのイメージは?

田中:姉御肌で厳しい方かと思っていたら、とても謙虚な方でびっくりしました。

土田:そうなんですよ。僕は同業者*2ということで、「台本が書けない」とか「稽古場を上手くまとめきれない」とかそんな後ろ向きの話をし合って前向きになれる相手なので…今回もつらいことがあったら千葉さんに話そうと思ってます(笑)。

片桐:初めての役で勉強と思ってますので、土田さん、何か気付いたら言って下さいね。

土田:いやぁ、とにかく気が弱いので…僕がまわりをウロウロし出したら、言いたいことがあるのに言えないんだと思ってください(笑)。

──他の役者さんたちもご紹介いただけますか?

土田英生さん
土田英生さん
土田:犬飼君は僕と一緒に89年に劇団を旗揚げした時からの付き合いです。その後、彼はうちの劇団を辞めたので、芝居を一緒にやるのは94年以来、久しぶりですね。根本君は今回、漁村の住民代表の役をやってもらうんですが、いいクッションになってくれると思います。川原さんは本当に若い、アイドル的な存在ですね。綺麗な顔立ちをしていて、この芝居でブレイクするんじゃないかと…千葉さんとかなり年の離れたカップルの設定です。あと奥村は…劇団員なのでコメントはなしです(笑)。

──最後に土田さんから意気込みを一言お願いできますか?

土田:いいアンサンブルを作りたいと思います。皆さんの個性を立たせつつ、チームとしていいものを作りたいですね。際物(きわもの)の芝居を作ろうとはしていないので、自然な形で見ている人たちに「ゲイ」ということを意識させない芝居にしたいと思っています。
皆様、ぜひお越しください。

(3月8日インタビュー 協力:赤坂レッドシアター)


*1土田MAP:演劇界の第一人者野田秀樹さんが、プロデュース公演を行う時のユニット名が『野田MAP』であることをもじったもの
*2同業者:千葉雅子さんが人気劇団「猫のホテル」の主宰者でかつ作・演出・出演を務めており、土田さんと全く同じ立場なので。

公演詳細へ
⇒出演者インタビュー動画をこちらでご覧いただけます。

三鷹市芸術文化センター
星のホール

〒181-0012
東京都三鷹市上連雀6-12-14
0422-47-5122 (チケットカウンター)
0422-47-9100 (施設受付・事務局)
busアクセスMAP»