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太宰治作品をモチーフにした演劇 第6回『新しい男』

[チケット発売日] 会員5/26(火) 一般5/27(水)
本公演の客席図は、こちら[PDF: 254KB]でご確認いただけます。

2009年 6月26日(金)〜7月5日(日) 全12公演

【全席指定】 各回 前売:会員=2,700円 一般3,000円
当日: 会員=3,000円 一般=3,300円 前売当日とも高校生以下=1,000円
託児サービス 500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*未就学児は入場できません。 *6/27・15:00の回のみ
【作・演出】 山内ケンジ
【出 演】 三浦俊輔、石橋けい、初音映莉子、山本裕子(青年団)、
岡部たかし、本村壮平、古舘寛治(青年団)
【サイト情報】 城山羊の会(山内ケンジのプロデュースユニット)ウェブサイト
http://e-pin.jp/shiroyagi

一昨年、星のホールでの舞台「若い夫のすてきな微笑み」も好評だった、山内ケンジさん。ソフトバンクの白い犬のCMなど、CMディレクターとしても著名な山内さんの作り出す舞台は、しっとりとした大人の味わいと鋭い台詞を併せ持ち、演劇界でも高い評価を得ています。太宰治生誕100年の今年、どんな太宰の匂いが立ち昇りますか、ご期待ください。

スケジュール

【山内ケンジさんからのメッセージ】

山内ケンジ今年は、太宰治生誕100年だそうです。このような記念すべき年であるのに、三鷹市芸術文化センター恒例の『太宰治作品をモチーフにした演劇』を、私のような生きている価値もないような人間がやってしまっていいのでしょうか?
 井上ひさしとかそういう立派なひとがやるものではないのだろうか、と思いました。思ったとき、「生きている価値もないボク」というこのフレーズを私はしょっちゅう使うのですが、そう言えばこれは太宰の専売特許だなあ、と。
 しかし私は、実は今まで、自殺しようとしたことはないし、これから先もたぶんないだろうと思うのです。でも太宰は何度かあるし、本当にやってしまった。それも心中という形で。この差は大きい。結局、この差のことを考えて芝居を書こうと思いました。『グッド・バイ』の続きを書こう、とかいうんじゃなくって単に、何の才能もないのにやたらと女と心中したがる男の話です。

Interview 城山羊の会インタビュー


恋愛の果てに心中をするという一見古臭く見えることが、
今の時代には反意として、逆に新しく感じられるのではないかと。

今年で6回目を迎える「太宰治作品をモチーフにした演劇」公演。
今回は作・演出の山内ケンジさんと、出演者の古舘さん、岡部さん、三浦さんに今回の公演への思いを語っていただきました。


城山羊の会インタビュー
左から山内さん、古舘さん、岡部さん、三浦さん
──どのような作品になりそうですか?

山内:太宰と同郷の作家志望の男で、けれどあまり才能はなく小説も1本しか書いていなくて、でも太宰に憧れていて女性とは心中を繰り返し… という男を主人公として、時代としてはあくまでも現代の話を書きたいと思っていますが、書き進めていくうちに変わるかもしれません。ただ、構想を練る中で、ふと、現代の人々において、心中というのはどう受け止められているんだろうと思いまして。

岡部:確かに最近、恋愛沙汰で心中とかあまり聞きませんよね。

山内:そう考えていくうちに、太宰が生きた時代というか、その時代の恋愛とか、心中にまで至る気持ちの揺れとか、そういうのが気になってきて。実際、太宰は数度しか会っていないカフェの女給(田部シメ子)とも心中して女性だけが死んだりしている。そういった感情の交錯は、現代の人にはどう映るだろうと。


──城山羊の会は、2回目の三鷹での公演となりますね。

岡部:前回の公演(2007年4月「若い夫のすてきな微笑み」)時、毎回ダブルカーテンコール()を貰ったのが印象深いですね。

山内:ラストシーンが深浦加奈子さんのアップで終わったので、余韻が深かったのかもしれませんね。僕自身、あの時の経験を生かして、今回はさらに役者の息遣いが聞こえるくらい濃密な空間を作りたいと思っています。


──先のお言葉に出た深浦加奈子さん。山内さんの舞台には欠かせない素晴らしい女優さんでしたが、残念ながら昨年お亡くなりになりました。

岡部:僕は山内さんの芝居に、初回からずっと深浦さんと一緒に出演させていただいていたのですが、3回目の公演の時に、深浦さんが治療のためご出演できなくなった時「出演したかった。岡ちゃん、命がけで頑張ってね」というメールをもらったのを覚えています。そしていつも芝居が終わると「精進せえよ。また一緒に舞台ができたらいいね」とおっしゃってくださって。


──生前、深浦さんは「山内さんの舞台以外には出演しない」とおっしゃるほど、山内さんの舞台を信頼されてましたが、皆さんはいかがですか?

古舘:山内さんにはいろんな演技の相談を聞いてもらって、それをきちんと受け入れてもらって、本当に楽しく演じさせてもらえます。

三浦:僕もほとんど何も言われなかったくらい、自由にやらせてもらい楽しかったです。普段から「ちょっと言われる」くらいが好きなタイプなので。

古舘:みんなそうだよ(一同爆笑)

山内:台本に役者をはめ込もうとするのが嫌なんですね。信頼できる俳優さんに出てもらっているので、何も言うことが無かったということですね。


──それでは最後に、今回の公演への意気込みをお聞かせください。

三浦:今はとにかく、稽古が始まるのが待ち遠しくて。どんな芝居になるのか、本当に楽しみです。

岡部:いつも芝居のことを考え、語り合うことが好きな人たちが揃っているので、またそういう時間が来ると思うと嬉しいです。

古舘:で、そのおしゃべりが楽しすぎて、酒を飲み過ぎないようにしたい、と(笑)

山内:昨年秋の公演は、深浦さんが亡くなった直後だったので、自分としては追悼の想いを込めた公演でした。今回は深浦さんが亡くなられた後の、本当の意味での初めての公演になるかなと思います。


──その思いで、タイトルに「新しい男」と付けられたのでしょうか。

山内:それもあります。あとは、恋愛の果てに心中をするという一見古臭く見えることが、今の時代には反意として、逆に新しく感じられるのではないかという思いでつけました。このメンバーであれば、面白くならない訳が無いと思うので、ぜひ皆様お越しいただきたいと思います。


*ダブルカーテンコール:終演後、一度お辞儀をして舞台から下がった役者が、観客からの鳴り止まない拍手に応えて、再び舞台に上がること。

(2009年4月8日 恵比寿にて)

公演詳細へ

三鷹市芸術文化センター
星のホール

〒181-0012
東京都三鷹市上連雀6-12-14
0422-47-5122 (チケットカウンター)
0422-47-9100 (施設受付・事務局)
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