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 CAELUM(チェルム)とは、ラテン語で空ということである。日本語を当てるについて、道元の空の濶きことかぎりなく、鳥飛んで杏々たり。という詩を借用した。鳥が大空を悠々と飛んでいる。同時に空も飛んでいるという無礙の境涯を表現したものであろう。イタリアに移り住んで三十五年、虚と実の空間の織りなす世界を追及して来た。傍から見ればまことに偏執狂的な打込み方であろうが、作者自身にとっては一作ごとに新しさを発見して盡きるところを知らない。穴、或いは凹にというものの面白さに魅かれたのは、先ず、オシップ・ザッキンやヘンリー・ムーアという先達が居り近くはルチオ・フォンタナがいる。私自身客観的に視て、これらの人達から何らかの影響を受けたに違いないが、コンセプトは異なるという自負はある。けれども将来百年程も経ってみれば、これらの仕事は総じて二十世紀後半のものであり、一括して虚空間派などと呼ばれるかもしれない。こと程左様に、作家というのは、時代の流れの外には生きることは出来ないものらしい。(平成7年11月)
豊福 知徳(彫刻家)

1925年生まれ 彫刻家・富永朝堂に師事
1959年「漂流」にて第2回高村光太郎賞
1960年 ベニスビエンナーレ展出品(渡伊)以後イタリア、スイス、日本など各地で個展
1984年 第9回吉田五十八賞
1993年 紫綬褒章受賞
1994年 三鷹市美術ギャラリーにて個展
ミラノ在住

高松次郎川上喜三郎豊福知徳中村錦平大塚オーミ陶業株式会社

財団法人 三鷹市芸術文化振興財団