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横山幸雄 ピアノ・リサイタル・シリーズVoyage(ヴォヤージュ)

第11回 ラヴェルのピアノ曲と歌曲を巡って

〜ショパンからラフマニノフを結ぶ音楽の旅路〜

横山幸雄+林 美智子
[上] 横山幸雄 ©Muse Entertainment
[下] 林 美智子 ©Toru Hiraiwa

本公演は終了しました

2016年11月27日(日) 15:00開演

【全席指定】 会員4,050円 一般4,500円 *U-23(23歳以下)3,000円
中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをご持参ください。
託児サービス 500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*未就学児は入場できません。*託児申込の受付は終了いたしました。
【ゲスト】 林 美智子(メゾソプラノ)
【曲 目】 ラヴェル:歌曲集『博物誌』(詩:ジュール・ルナール)
     歌曲集『シェエラザード』(詩:ジュール・ルナール)
     前奏曲
     ボロディン風に
     シャブリエ風に
     クープランの墓

繊細かつ大胆、そしてユーモアに富んだ音の魔術師、ラヴェルの歌曲とピアノ作品の魅力に迫る!

ピアニスト、横山幸雄による風のホールでしか聴くことのできないシリーズ"Voyage"の第11回は、昨年取り上げた作曲家ラヴェルの中期の作品をお贈りします。今回はピアノ曲のみならず、メゾソプラノ歌手の林美智子を迎えて、歌曲にもスポットをあてます。

歌曲集『博物誌』は、フランスの詩人ジュール・ルナールによる動物たちの日常を鮮明に、そして愛情溢れる目線で描いた詩が用いられています。この詩にラヴェルは感銘を受け、動物の鳴き声を音に表現するなど、ユーモアに富んだ作品に仕上げました。繊細かつ表現豊かな歌唱が高い評価を受けている林美智子との共演をお楽しみください。

またピアノ曲では、パリ音楽院の学生たちのために書かれた「前奏曲」に始まり、ボロディンとシャブリエ、それぞれの作曲家のスタイルを踏襲しながら、ラヴェル独自の色彩感溢れる作風を取り入れた小品、そして中期の代表作で、管弦楽版でも広く知られている『クープランの墓』をお贈りします。いずれの作品も、ラヴェルに影響を与えた人物と友人へのオマージュとして作曲された作品です。

多くの作曲家や異国の旋律などに影響を受けつつ、ユーモアと優雅さを持ち併せたラヴェル独自の作風を築き上げていく過程が感じられるプログラムです。ご期待ください。

横山幸雄×林美智子 インタビュー

ラヴェルの歌曲にも素晴らしい作品があることを
皆さんに知っていただきたい

■お二人は初めての共演ということですが、共演のきっかけを教えてください。

横山 このシリーズでは前回と今回でラヴェルのピアノ曲を全曲演奏しようと考えていましたが、ピアノ曲は1日だと全部は紹介できず、2日だと少し時間に余裕ができるので、それならばラヴェルの歌曲も採り入れようと思いました。僕は学生時代にはよく歌の伴奏をしていたこともあり、またやりたいなと思って周りの声楽家を見渡した時に、パッと思いついたのが林さんでした。声楽家もピアニストもその人の年代ごとの魅力というものがあると思いますが、林さんは声楽家として今とても良い時期を迎えられているような気がして、一番共演してみたいなと思ったので私からお願いしました。

 光栄です。私が学生時代から横山さんはプロとして活躍されていて、雲の上のような存在だったので、もっと年齢が上かと思っていましたら、今回お会いして実はそれ程違わなかったので驚きました(笑)。人生を普通の二度分、三度分生きる方が稀にいると本で読んだことがありますが、それに当てはまる方ではないかと思っています。偏ることがなく色々な時代、作品を演奏されていてその数は限りないですよね。一体いつ稽古をしていつ寝ているのかと思うくらいです。歌い手はよく寝ないと歌えないもので(笑)。

横山 いいですね、大義名分があって(笑)。ピアノはまず覚えないと始まらない。でも今回は歌曲の伴奏なので、楽譜を見ながら演奏しますが。
フランス留学時代にフランス歌曲を中心に毎週のように伴奏をしていた時期があって、僕の音楽のベースになるものがそこにあると思っています。

■今回の演奏会で着目してほしい点は何でしょうか?

横山幸雄横山 ピアノ曲は、第1次世界大戦で亡くなったラヴェルの友人たちに捧げられた「クープランの墓」という長い曲が一つと小品で、それ以外は歌曲です。ピアノ作品には言葉がありませんが、声楽曲には言葉があり作曲家の音楽、旋律、ハーモニーをどう感じていたか理解しやすいので大好きです。自分の勉強の意味合いもありますね。日本では声楽というとまずオペラの印象がありますが、ラヴェルの歌曲にもすばらしいものがあると皆さんに知っていただきたいです。

■「博物誌」はどのような作品でしょうか?

 私もオペラを中心に勉強してきましたが、イタリア物、フランス物共にオペラは声やメロディが重要な要素だと思います。その後、時代と共に色々な歌曲が生まれましたが、それぞれの時代にすばらしい詩人がいて作曲家はその「言葉」からイメージを膨らませて曲を作ることが多くなったのではないでしょうか。この作品もルナールの詩集からいくつかが選ばれています。言葉もありますが、動物たちのしぐさや動作を絶妙に音に表していて、その描写はピアノパートに表現されています。描写がここまで細かく分かりやすく、温かくてユーモアもあり優れた作品は少ないのではないでしょうか。演奏される機会が少ないので、知っていらっしゃる方が少ないかもしれませんが、ちょっと事前に歌詞を読んで来ていただいたりしたら更に楽しめると思います。

■その他の曲のご予定はいかがでしょうか?

横山 いくつか相談中だったのですが、どうしましょうか? それでは、発表してしまいましょうか(笑)?

 じゃあ、そうしましょうか!?

横山 大曲ですが「シェエラザード」を演奏したいと思っています。

 オーケストラ伴奏で演奏されることのほうが圧倒的に多い作品ですが、オーケストラの音色を横山さんが全て演奏してくださるということで。

横山 できるかな(笑)? ラヴェルは“音の魔術師”と言われていて、ピアノの曲をオーケストレーションしたり、オーケストラの曲をピアノ曲にしたりということをしている作曲家で、オーケストラの色々な色彩をピアノで表現しています。「シェエラザード」は学生時代以来の公演になるので楽しみですね。

■林さんが風のホールに出演されたのは、2001年と2004年、デビューから間もない頃でした。その後キャリアを積まれて、また母親にもなられましたね。

林美智子 はい。来年小学生になる双子の男の子がいます。子どもが生まれて子ども中心の生活になり、自分本位ではなくなったことで、音楽や歌と接した時に私には心地良く感じられます。大変なこともありますが(笑)。自分の音楽や人生が全て歌に活かされているといいなと思います。

■お客様へメッセージをお願いいたします。

横山 今回は初めての方も必ずや林さんの歌で楽しんでいただける内容になると思います。林さんと一緒にトークも少し交えて進めたいと思います。

 風のホールに出演するのは12年ぶりくらいになりますが、ホールの印象も覚えています。横山さんと初共演させていただくことがとにかく嬉しいです。歌の世界ではテノールとソプラノの出番が多いので、メゾソプラノの歌手に重きを置いていただけるのも嬉しくて。今回、ピアノのファンの方にも「声」を聴くことに親しんでいただき、歌曲に触れて幸せな気分になっていただけるよう、私自身楽しんで演奏させていただきたいと思います。

(2016年6月29日 リストランテ「ペガソ」にてインタビュー)
【MITAKA ARTS NEWS】

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三鷹市芸術文化センター
風のホール

〒181-0012
東京都三鷹市上連雀6-12-14
0422-47-5122 (チケットカウンター)
0422-47-9100 (施設受付・事務局)
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