フランチェスコ・トリスターノ
ピアノ・リサイタル“チャコーナ”
時を超え、躍る フレスコバルディ∞ブクステフーデ∞トリスターノ
©Marie Staggat / DG
本公演は終了しました
2016年 5月28日(土) 17:00開演
【全席指定】 | 会員3,600円 一般4,000円 *U-23(23歳以下)3,000円 |
* | 中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをご持参ください。 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【出 演】 | フランチェスコ・トリスターノ |
【曲 目】 | フランチェスコ・トリスターノ:Prolegomenon(新作世界初演) フレスコバルディ:パッサカリアによる100のパルティータ ブクステフーデ:アリア「ラ・カプリッチョーザ」による32の変奏曲、チャコーナ フレスコバルディ:トッカータ集 第2巻よりトッカータ第4番、第9番、第8番 ラ・フォリアに基づくパルティータ フランチェスコ・トリスターノ:バルセロネータ・トリスト(2007)、ラスト・デイズ(2007)、グラウンド・ベース(1997/8 rev.2004/12) ほか |
2014年に風のホールに初めて登場し、再登場を望む声が多数寄せられたルクセンブルク出身バルセロナ在住のピアニスト、フランチェスコ・トリスターノ。クラシック音楽からコンテンポラリー、ジャズ、テクノに至るまであらゆる音楽の幅広い年代のファンを魅了する唯一無二のアーティストです。
今回、三鷹のために用意されたプログラムのテーマは、“チャコーナ”。新大陸起源で、イベリア半島やイタリア半島を通じてフランス、ドイツに広まり、独自のスタイルで発展した舞曲で「シャコンヌ」とも呼ばれているものです。フランチェスコのオリジナル曲に導かれて私たちがこの日出会うのは、17世紀前半に活躍した二人の作曲家 ―― J.S.バッハを含むドイツ・バロックの鍵盤楽器奏者たちに多大な影響を与えたイタリアのフレスコバルディと、J.S.バッハがそのオルガン演奏を聴くために長い道のりを歩いたという逸話の残る北ドイツ・リューベックのブクステフーデ ―― の音楽。独自の視点に立って各曲を滑らかに絶妙に繋げるセンスは、彼ならではのものです。先に触れたチャコーナ、スペインからイタリアを経て伝わったパッサカリア、そしてスペイン起源のラ・フォリアといういずれも古い舞曲のスタイルに因んだ作品を経て、フランチェスコのオリジナル曲でチルアウト*します。彼独自の音楽観に基づいて綴られる音楽を聴いていると、あらゆる音が一つにつながり、過去、現在、未来すべての時間も分断されることなく続く不思議な感覚にとらわれることでしょう。
同じ時代に巡り会えて幸せだと思える音楽家の一人、フランチェスコ・トリスターノとの壮大なサウンド・トリップ。どうぞご期待ください。
*ダンス・ミュージックの一つ。クールダウンするための音楽。
2014年三鷹公演のアンケートより
●ピアノ・リサイタルを鑑賞するのは初めてでしたが、あっという間でした。
もう一度、フランチェスコ! どれも素晴らしかったですが、特にオリジナル曲がモダンで高揚しました。(20代女性)
●清々しく美しい音色に感動しました。(40代女性)
●磨き抜かれた美しい音色に感銘を受けました。(50代女性)
●バッハと自作のコラボレーション。違和感がなく楽しめた。
この企画のセンスは素晴らしいと思う。またコンサートをお願いします。(70代男性)
●バッハも良かったのですが、オリジナルの曲、大変楽しめました。(80代男性)
●今まで聴いたことのないバッハの音の響きでした。空気、光を感じる柔らかい音色のバッハ。
不思議な気持ちになりました。感動しました!(女性年齢不詳)
【フランチェスコ・トリスターノさんよりメッセージ】

初めて演奏された風のホールはいかがでしたか?
アーティストと聴衆がともに心地よい体験のできるホールで、複雑な味わいのある響きが大好きです。5月に再び伺えるのをとても楽しみにしています。
今回のリサイタルは、「チャコーナ」というテーマで組まれていますね。
チャコーナ、すなわちシャコンヌは、議論の余地はあるかもしれませんが、ダンスと関連のある音楽形式といえるでしょう。この形式は、同じ低音主題が執拗に繰り返されるもので、バロック音楽の中に見出されますが、現代のダンス・ミュージックにも息づいているんです。シャコンヌは僕の大好きな音楽形式の一つで、自作曲にもよく使っています。そこで、三鷹でのリサイタルのためには、フレスコバルディ、ブクステフーデの重要な作品を組み合わせ、チャコーナをテーマに据えたプログラムを思いつきました。このアイディアは、何年か前にも考えたものですが、三鷹でお披露目できるのをとても嬉しく思っています。
他の曲はどのような視点で選びましたか?
その他の作品は、フレスコバルディのトッカータのようにシャコンヌによく似たリズム構造を内在しながらも、シャコンヌの形式にはとらわれない作品を選んでいます。また、冒頭を飾る僕の新しい作品をお届けするのも、とても楽しみにしています。
前回のアンケートで、フランチェスコさんの自作曲をもっと聴きたい、というお声がたくさん寄せられました。
それはすごく嬉しい!! 日本のお客様に、バッハやフレスコバルディ、ブクステフーデのような作曲家の作品と一緒に僕の曲を聴いていただくのはとても嬉しくて光栄です。僕の音楽は、どちらかといえばミニマル・ミュージック*の性質をもっていますし、バロック音楽にも同じような側面があります。だから、両者を並べて演奏するのが好きなのかもしれませんね。
最後に、メッセージをお願いします。
三鷹で再び演奏できることにワクワクしていますし、100パーセント自分のテイストの詰まったプログラムをお客様にお届けすることをとても楽しみにしています。きっと素晴らしい時間を一緒に過ごせるでしょう。さぁ、目くるめく音楽のグルーヴの中へ。大いに盛り上がりましょう!
*ミニマル・ミュージック:1960年代にアメリカで始まった、最小限の音による反復と持続を多用する音楽。
ポピュラー音楽にも多大な影響を与えた。
インタビュー・編集・翻訳/音楽担当 大塚真実