2009年の“Next”Selectionにおいて、劇団「ままごと」が上演した『わが星』が、演劇界の芥川賞と呼ばれる「岸田國士戯曲賞」を受賞したのを始め、招聘した劇団の多くが、その後飛躍を遂げています。
今年の3劇団も、それぞれ違う持ち味ながら、いずれ劣らぬセリフの切れ味と、独特の緊張感に満ちた舞台を創り上げている、将来性を感じる劇団ばかりです。
星のホールに、演劇界の新たな才能がほとばしる姿を、ぜひご覧ください。
iaku
大阪発、全国各地を飛び回る劇作家・横山拓也の個人ユニットiaku。アンタッチャブルな設定と、小気味良い関西弁口語、強度のあるセリフを持ち味にして、議論、口論、口喧嘩を覗き見できる会話劇を発表。
HPアドレス http://yokoyama-iaku.com/
演出:上田一軒
何気ない会話の中から浮かびあがっていく、人が人を想う力の止めどなき重さ。
さざ波のような心の揺れが、やがて舞台を大海へと導く。今、関西にiaku。
本公演は終了しました
2014年10月25日(土)〜11月2日(日) 全11公演
*上演時間1時間35分(途中休憩無し)【全席自由】 (日時指定) (整理番号付) |
【会員】前売2,200円・当日2,500円 【一般】前売2,500円・当日2,800円 【学生】前売・当日とも1,500円(当日学生証拝見) 【高校生以下】前売・当日とも1,000円(当日学生証拝見) |
☆...早期観劇割引 上記料金から、会員・一般は300円引き | |
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*10月28日(火)終演後にアフタートークを開催します。 ゲスト:土田英生(MONO) |
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【作】 | 横山拓也 |
【演出】 | 上田一軒 |
【出 演】 | 峯 素子(遊気舎)、橋爪 未萠里(劇団赤鬼)、緒方 晋(The Stone Age)、 酒井善史(ヨーロッパ企画)、北村 守(スクエア) |
「流れんな」 撮影:堀川高志タイラギ漁で栄えた港町の食堂「とまりぎ」。この店の娘(四十歳、独身)の生き様はあまりにも哀しい。肝移植しか残されていない父の看病、一人では到底続けていくことのできない食堂の暗い展望、亡き母の記憶を巡って一回り離れた妹との確執、そして不倫。貝毒の発生により休漁を強いられたこの港町で、抱えきれない諸問題の波に流されて生きる人々を描く。
作家の横山拓也さんからのメッセージ
大阪からセレクトしていただいてありがとうございます。iaku(いあく)です。漢字で書くと「帷幄」で、戦国時代、陣営を囲んだ帷(=たれまく)と幄(=ひきぬの)が転じて、作戦をめぐらす場所、という意味があります。関西弁の会話劇による「大人のエンタテインメント」な舞台作りを目指しており、今回お届けする「流れんな」は、昨年、大阪と福岡で上演し、30〜40代の女性から多くの共感をいただいた作品です。ぜひ、ご覧ください。
関西の劇団であるiakuを初めて観たのは、池袋の小さな劇場でした。東京の劇団では無いので、友人知人がたくさん観に来るという訳にいかず、お客さんは少なかったけれど、そこには珠玉の会話劇がありました。説明的にならず、会話だけで人間関係を浮かび上がらせていくことのできる作家は多くなく、丁寧で的確な演出と相まって「いい芝居を観たなあ」と心から思ったものです。やがて三鷹での公演をお願いしたところ「昔の作品ですが、東京では上演していないので、ぜひこの作品を」と作家の横山さんが選ばれたのが、本作「流れんな」。観応えのある会話劇を、お楽しみください。