2009年の“Next”Selectionにおいて、劇団「ままごと」が上演した『わが星』が、演劇界の芥川賞と呼ばれる「岸田國士戯曲賞」を受賞したのを始め、招聘した劇団の多くが、その後飛躍を遂げています。
今年の3劇団も、それぞれ違う持ち味ながら、いずれ劣らぬセリフの切れ味と、独特の緊張感に満ちた舞台を創り上げている、将来性を感じる劇団ばかりです。
星のホールに、演劇界の新たな才能がほとばしる姿を、ぜひご覧ください。
20歳の国「保健体育」 撮影:井上千裕
20歳の国 hatachi no kuni
2012年、「モテたい、売れたい、ちやほやされたい」という大義の下、建国。
「国王」竜史が全作品の作・演出を務める。
バカバカしくも切実で、胸が熱くなる演劇を創作している。
HPアドレス http://20nokuni.com/
ツイッター @20nokuni
facebook https://facebook.com/20nokuni
その笑いはいつしか痛みに変わり、その痛みは知らず知らず微笑に変わる。
セリフの先端が、沈めたはずの記憶の底を鋭利にくすぐる。才気。20歳の国。
本公演は終了しました
2014年10月4日(土)〜13日(月・祝) 全14公演
*上演時間2時間15分(途中休憩無し)【全席自由】 (日時指定) (整理番号付) |
【会員】前売2,200円・当日2,400円 【一般】前売2,500円・当日2,700円 【学生】前売・当日とも2,000円(当日学生証拝見) 【高校生以下】前売・当日とも1,000円(当日学生証拝見) |
☆...早期観劇割引 ★...平日マチネ割引 女性...レディースデイ(女性のみ割引) 上記料金から、会員・一般は300円引き |
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【作・演出】 | 竜史 |
【出 演】 | 石丸将吾、斉藤マッチュ、川田智美、長井短、古木将也、堀田創、山脇唯、湯口光穂、大野朱美、木山廉彬、篠原彩、寺戸真里奈、星秀美、伊与勢我無(ナイロン100℃)、佐賀野雅和(KAKUTA)、高木健(タイタニックゴジラ)、満間昂平(犬と串)、渡辺伸一朗(アナログスイッチ)、竜史(20歳の国) ほか |
「Don't Be a Stranger!」撮影:西 泰宏兄は童貞だ。
人生に何度か訪れた数少ないチャンスを、慎重に見送ったり、フルスイングで棒に振ったりして、今の彼が在る。
「水着のギャルと手もつなげない人生ってなんなんだろうな…」
そう呟き、力なく笑った彼の目には、何故か神々しい感じに陽が差したりなんかしてて、目ヤニと無精髭がいやに汚らしく濡れて光って見えた。兄の涙を初めて見た気がしたが、その真意を僕は、今後きっとわかりゃしないんだろう。
夏は、終わる—。
作・演出の竜史さんからのメッセージ
「モテたい、売れたい、ちやほやされたい」
そんなお世辞にも上品とは言えないスローガンを掲げた我々を、選出戴きまして心から嬉しく思います。誰もが皆少なからず、下品な欲望を押し殺して生きているから、世界は正常に回るのでしょう。だけどそんな欲望の所在こそ人間だと僕は思うし、せめて舞台上でくらい欲望まみれの人間を観て、人間の業を笑い合えたらー。
スカッとしに来て下さい。
夏の終わり、三鷹でお待ちしております。
何よりもまず、作・演出の竜史さんの書くセリフの角度が素晴らしい。時に若さゆえの狂おしいほどの情熱が彷さま徨よ う様を、時に振り返ることしかできなくなってしまった日々への悔悟の念を、嘘の無いセリフでテンポよく描いていき、観る者それぞれの“あの頃”へと、誘いざなっていきます。「若い頃って、俺もこんな感じだったなあ」「そうなんだよね、駄目だと判ってるのに、何度でも同じことしちゃうんだよね」。舞台上で繰り広げられる“何気ない、人生という名の喜劇”に笑いながらも、いつしか、ほろ苦く胸を掻きむしられる。その才気を感じてもらえたらと思います。