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鈴木大介 ギター・リサイタル

あのシーンが蘇る…。ギターの音色に乗せて紡ぎだされる、ノスタルジックな世界

鈴木大介 ギター・リサイタル

本公演は終了しました

2014年 9月27日(土) 17:00開演

【全席指定】 会員3,400円 一般3,800円 *U-23(23歳以下)2,000円
*中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをご持参ください。
託児サービス 500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*未就学児は入場できません。
【出 演】  鈴木大介
【曲 目】  フランソワ・クープラン(A.ディアス編):神秘の障壁
 ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ K.213/544/263
 ヨハン・セバスチャン・バッハ(D.ラッセル編):G線上のアリア
 ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル:サラバンド
 ヨハン・セバスチャン・バッハ:シャコンヌ
 ルイス・バカロフ:イル・ポスティーノ
 ヘンリー・マンシーニ:ひまわり〜シャレード
 エンニオ・モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス
 ニーノ・ロータ:ゴッド・ファーザー・メドレー
 フレデリック・ショパン(F.タレガ編):ノクターン
 フランシスコ・タレガ:アルハンブラの思い出
 ジョージ・ガーシュウィン:ス・ワンダフル
 林光:裸の島
 武満徹:ワルツ〜他人の顔
 伊福部昭:サンタ・マリア
 アンヘル・ビジョルド(R.ディアンス編):エル・チョクロ
 アントニオ・カルロス・ジョビン:イパネマの娘

「ギタリスト達の響宴」から3年の時を経て、クラシック音楽にとどまらず様々な活動を繰り広げている鈴木大介が、再び風のホールに帰ってきます。
今回は自身がこれまでにリリースしたCD「キネマ楽園」より、時代を越えて愛されている映画音楽をお届けします。J.S.バッハやショパンなどのクラシック音楽の他、イタリアの映画音楽の巨匠、ニーノ・ロータやモリコーネの作品や、鈴木の才能を見出した武満徹の作品も演奏される予定です。自身が幼い頃から映画に親しんできたからこそ紡ぎだせる、懐かしさや温かさを感じさせる数々の名曲たち。語りかけるような音色に身を委ねてみませんか?

【鈴木大介さんインタビュー動画】

※J:COMチャンネル武蔵野・三鷹(11ch)「MITAKA ARTS NEWS ON TV vol.125」で放映されたものです。YouTube で見る

──楽器との出会いは小学校の時だそうですね。

鈴木大介ええ。小学校2年生の時の担任が新任の先生で、子ども達が言う事を聞かず静かにさせたい時によくギターを弾いていたんです。それで面白そうだなと思ったのが始まりですね。母がテレビで有名なギタリストのジョン・ウィリアムズ(※1)を見ていて、「子どもが生まれたらギターでも弾かないかな」と思っていたそうで…それで習いに行くことになりました。

ずっと続けていたのでバンドのセカンドギターくらいはパッと弾けたため、高校の頃は色んな友達から「バンドやりたいんだけどギターが足りないから来て」と言われることがあり、ギターを借りては弾くということをよくやっていました。一度、ビッグバンドでジャズをやる人たちから「ギターでカッティングのリズムを刻んで欲しい」と急に頼まれて、たまたま持っていた友達のギターを借りて、ケースのふたを開けたらヘビメタの恐竜の頭みたいな飾りのギターが出てきて(笑)、バンドの女の子たちにドン引きされたという苦い思い出もあります。

──大学は早稲田大学の第一文学部なのですね。

文学部ですが人文専修という専攻でとにかく自由なところで、自分の年次より下の学年の授業なら文学部の授業をどれでも自由に取ってカリキュラムを組んでいいんです。3年なのに1年生の授業ばかり取ったりして…(笑)。

──その後、ザルツブルクへ留学されました。

当時は今と違って、まだ音楽大学にギター科がなかったんですね。だからプロになる人は留学して外国人の先生についたり外国の音楽院へ行っていました。僕は普通大学へ通いながらギターのコンクールに出だしたのでちょっと違っていて、今でも場違いな所にいるんじゃないかという気持ちは常々あるんです(笑)。大学卒業後に、将来ギタリストをやっていくには色々勉強することもあるので、音楽学校に入りたいと思い1年少々ですがザルツブルクへ行きました。日本人がほとんどいない環境で初めて音楽だけの生活をしましたね。二人の先生が代わる代わる僕だけをみっちりレッスンしてくれて、習う曲がなくなって図書館で曲を調べるくらい勉強して良い経験になりました。

──『キネマ楽園』は既に5作発表されています。鈴木さんが映画音楽にこだわっていらっしゃるのはどうしてですか?

鈴木大介ギターにはベートーヴェンやブラームスのような大御所の作曲家の作品は全くないに等しいんですが、19世紀当時ギターはなかったわけではなく、家庭やレストラン、飲み屋ではポピュラーな楽器だったんです。当時のウィーンでギタリストたちは流行のオペラをギター1本でアレンジして弾いたりしていました。「セビリアの理髪師」などはギター2本で編曲した例もあります。レコードやCDのない時代に、ギターは好きな音楽を再生するための身近なツールだったんです。

それに近い形として、コンサートで皆さんの良く知っている曲をクラシックの曲のようにアレンジして演奏できないかと思ったのが始まりです。例えばピアノでしたら、お客様の知っている曲だけで一晩のコンサートができますが、ギターの場合はよく知られている曲というと『禁じられた遊び』『アルハンブラ宮殿の思い出』『ディア・ハンター』のテーマ、あと数曲位です。そこに他の映画音楽や、19世紀のオペラの曲のアレンジしたものを加えると皆様に非常に親しみのある名曲コンサートが作れると思ったんです。映画音楽を通じて、それを見ていた頃のご自身の思い出を蘇らせていただけたりするのは、非常に演奏家冥利につきます。最初は1枚で辞めるつもりでしたが、ご好評をいただいたので続けることになり、次第に自分も「次はどんな曲がいいかな」と常に探すようになって来ました。

──ご自分でも思い出のある映画などありますか?

「ニュー・シネマ・パラダイス」は友達と観に行って非常に良かったので、わざわざ父親を連れてまた観に行きました。父が映画好きだったもので、小さい頃から父と出かける時は映画ばかり行っていたんです。アクション映画やSF的なものが多かったですが、時代劇なんかも一緒に観ました。

──今回のコンサートの前半には、バッハやショパンのプログラムもありますね。

「キネマ楽園6」を録音中なのですが、これはすべて映画に出てきたバロックの名曲にしようと思っているんです。それで、前半はそのようなプログラムにしました。これらは僕の編曲ではなく既に作品としてあるものです。メロドラマみたいな曲ばかりだと“メロメロ”しちゃいますので、前半はキリッとね(笑)。

──風のホールへのご出演はこれで4回目、最初は16年前でした。

最初はフルートの岩佐和弘さんとのリサイタル、次に大先輩である渡辺香津美さんとのデュオ、トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズとの協演、若手の大萩康司君、村治奏一君と共演しました。それ以外にも録音やアマチュア・ギターコンクールの審査員としてなど、風のホールはたくさん利用させていただいています。お客様も近くに見えて、自分の音もお客様の耳元で鳴っているように感じられる、とても良いホールですね。

──前回のインタビューでご自分を「音楽家ではなくギター弾き」とおっしゃっていたのですが、今はいかがですか?

自分にとっての音楽を表現するのがたまたまこの楽器だったという方もいらっしゃいますが、僕はギターしか弾けないので(笑)。どんな音楽を聴いても、キーボードでも弦楽器でも、自分がギターを弾いている様をイメージして聴いているんです。どんな音楽もギターを通して見ているんですね。ほぼ1日中、ギターを手に持っていますし(笑)。

──今後の抱負を教えていただけますか?

鈴木大介先日、伊福部昭さん(※2)のギター作品を全曲録音したのですが、それで思ったのが、スペインならフラメンコ、アルゼンチンならタンゴ、アメリカならカントリーといったような色々なギターがあるので、“これぞ日本のギター”と思ってもらえるようなギターの音楽というものをもっと弾いてみたいと思っています。

──最後にお客様へメッセージをお願いします。

今回のリサイタルでは、前半は映画に使われたバロック音楽をメインにして、後半は映画音楽のギター用のアレンジをお聴きいただきます。映画の好きな方、ギターの好きな方、音楽の好きな方、そんな皆様と出会えればと願っております。

(2014年4月9日 ㈱梶本音楽事務所にてインタビュー)

※1)ジョン・ウィリアムズ(1941〜)オーストラリア出身のギター奏者
※2)伊福部昭(1914〜2006)伝統的な日本の音楽に根ざした作品創り取り組み、オーケストラ曲の他、ギター独奏曲、「ゴジラ」「ビルマの竪琴」などの映画音楽も多く手掛けた。

三鷹市芸術文化センター
風のホール

〒181-0012
東京都三鷹市上連雀6-12-14
0422-47-5122 (チケットカウンター)
0422-47-9100 (施設受付・事務局)
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