©Aymeric Giraudel
本公演は終了しました
2014年 6月7日(土) 17:00開演
【全席指定】 * |
会員3,600円 一般4,000円 *U-23(23歳以下)2,000円 中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをご持参ください。 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【出 演】 | フランチェスコ・トリスターノ |
【曲 目】 | フランチェスコ・トリスターノ:ハロー J.S.バッハ:フランス組曲第2番 ハ短調 BWV813 J.S.バッハ(エミール・ナウモフ編曲):コラール「おお、人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV622 J.S.バッハ:フランス組曲第4番 変ホ長調 BWV815、トッカータ ホ短調 BWV914 フランス組曲第6番 ホ長調 BWV817、同第1番 ニ短調 BWV812 フランチェスコ・トリスターノ:ラ・フランシスカーナ |
【後 援】 | ルクセンブルク大公国大使館 |
バロック音楽からテクノを自在に往来するピアニスト、フランチェスコ・トリスターノが風のホールに初登場します。クラシックのピアニストとして卓越した解釈でバッハや現代音楽を聴かせる一方、最先端のクラブでピアノとエレクトロニクスを自在に操り、日欧米の若い聴衆を魅了するフランチェスコ。従来のピアニストのイメージを超えたフレームレスな活動でも話題のアーティストです。
ルクセンブルク出身で2004年にフランスのオルレアン20世紀音楽国際ピアノコンクールで優勝し、現在はバルセロナ在住。作曲やDJも手がけ、テクノミュージックのアーティスト達との共演や自ら結成したユニットAufgangの活動など、コンサートホールからクラブまで様々な場で音楽を発信しています。
今回のプログラムは、彼の自作曲で始まり、バッハのフランス組曲とトッカータ、ブルガリア人ピアニスト、ナウモフの編曲によるコラールを経て、自作曲「ラ・フランシスカーナ」で締めるというもの。幼い頃からバッハの音楽に親しみ、「バッハは僕にとって日々の糧。バッハの音楽のない生活は考えられない」と語る彼らしい、まさに名刺代わりのようなコンサートです。
頭脳明晰で8か国語を話し、異文化にもすっと溶け込める人懐こさも持ち合わせたフランチェスコ・トリスターノ。ピアノから驚くほど多彩な響きと音色を引き出し、繊細なタッチで作品に内包される躍動感と美しさを覚醒させるひとときに、ご期待ください。
©Aymeric Giraudel
■ピアノとの出逢いについて教えていただけますか。
幼い頃、初めは自宅のピアノの鍵盤に思うままに触れて遊んでいました。レッスンを受けるようになったのは、5歳の時です。自宅にピアノを置いたのは、どうも母の策略によるものだったみたいですね、後になってわかったことですが・・・。
■お母様が自分の音楽に大きな影響を与えた、と他のインタビューでも語っていらっしゃいますし、まるで旅をするように世界各地で音楽を勉強されましたね。それらはご自身の音楽のヴィジョンにどのような影響を与えたとお考えでしょうか。
音楽は常に人生を映し出すものであり、あらゆる経験が結びついていると思うんです。母は人間形成にかかわる教育と等しく、最高の音楽教育を私に与えてくれました。
やがて私は旅行をするようになると同時に、音楽修行の旅も始めました。いずれも一人です。ピアニストは極めて孤独な存在です。
これまで訪れた街は私に多くのものを与えてくれました。特筆すべきは二つの都市-エミール・ナウモフに師事したパリ、私を成長させてくれた街ニューヨークです。音楽院で学ぶことは確かに大切ですが、私にとっては、街や人々から受けた影響の方が大きかったと思います。
■フランチェスコさんは、いわゆる“伝統的な”意味でのピアニストとは異なる存在であり、ピアノという楽器の可能性を広げ、この楽器に新たな個性を与える音楽家でいらっしゃると思います。
フランチェスコさんにとってのピアノの魅力を教えていただけますでしょうか。
©Aymeric Giraudelピアノは高度なテクノロジーを伴った楽器です。400年以上前から存在し、偉大な作曲家達にインスピレーションを与えました。その発展とレパートリーには、目を見張るものがあります。
それなのに、なぜ2014年の今行われるリサイタルのプログラムが、100年前のものとほとんど変わらないのでしょうか?
音楽は絶えず変化するものです。このことを受け入れなければ、ピアニストは昔と同じものしか演奏しない存在である、とみなされることでしょう。
私はそういうことには全く興味がありません。私は現代の音楽に共感を覚え、心を揺り動かされます。ですから、私の音楽家としての役割は自分の生きている時代の音楽への愛を伝えること、そしてまた大好きなバッハの音楽を演奏し続けることだと思っています。
「君は色々なことに手を広げ過ぎる!」とよく言われますが、それは真実ではありません。私がやっているのは二つのこと、すなわち、あらゆる表現形式の現代音楽とバッハの音楽(とその他のバロック音楽の作品)なのですから。
■6月7日のコンサートは、まさに御自身のポートレートとも言える魅力的なプログラムですね!まるで、フランチェスコさんがバッハとの深い対話を求めているかのように見えます。
私にとってリサイタルのプログラムはまさに「自画像」と言えるものです。しかしながら、一つとして同じものはありません。
実際に同じプログラムを繰り返し演奏しないように 努めていますし、どのコンサートも一回限りの特別なものになります!
バッハの音楽はそれ自体で自立していますが、現代の作品と一緒に組み合わせて演奏することによって、いつもとは違う方法でバッハの音楽をより深く理解できるでしょう。
時を隔てた音楽同士を対話させること、これは私のお気に入りの“遊び”なんです。
西洋音楽史の年代順に囚われずに、あらゆる時代の様々な音楽を選び、それらを組み合わせて一冊の本を綴る。こうして、唯一無二のプログラムが生まれるのです。
■三鷹でのリサイタルに向けて、メッセージをお願いします。
三鷹で演奏すること、そして皆様と共に僕の音楽を分かち合うことをとても楽しみにしています。
プログラムには非常にこだわりがありますし、いつものようにサプライズに満ちたコンサートになると思います☺ありがとうございました。
協力:株式会社ユーラシック
イタリア語によるメール・インタビューおよび翻訳/大塚真実(三鷹市芸術文化振興財団)