本公演は終了しました
2014年 5月31日(土) 17:00開演
【全席指定】 * * |
【会員】S席4,500円・A席3,600円 【一般】S席5,000円・A席4,000円 U-23席(23歳以下) 2,500円 中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをご持参ください。 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【出 演】 | 平崎真弓(コンサートマスター、ヴァイオリン独奏) ズザンネ・レーゲル(オーボエ、オーボエ・ダモーレ独奏) コンチェルト・ケルン |
【曲 目】 | ヘンデル:合奏協奏曲 ト長調op.6-1 J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041 ヴィヴァルディ:弦楽のためのシンフォニア ロ短調『聖なる墓にて』RV169 J.S.バッハ:オーボエ、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 BWV1060 ヴィヴァルディ:弦楽とチェンバロのための協奏曲 ト短調 RV156 J.S.バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055 ほか |
フライブルク・バロック・オーケストラ(2012年1月、2014年2月三鷹公演)、ベルリン古楽アカデミー(1999年6月、2012年12月三鷹公演)と並ぶドイツ三大古楽オーケストラの一つ、コンチェルト・ケルンが、いよいよ風のホールに初登場です。2005年のラ・フォル・ジュルネ以来の来日で、単独公演では今回が初となります。
コンチェルト・ケルンは1985年の創立以来、その美しく活力に満ちた演奏で聴衆や評論家を魅了しています。ドイツ・グラモフォン、ハルモニア・ムンディなどから50枚以上のCDをリリースし、大規模なプロジェクトではルネ・ヤーコプスやダニエル・ハーディング、ケント・ナガノらが指揮を務めています。三人のコンサートマスターのうち二人が日本人若手演奏家であることも特筆すべきでしょう。
同じ年、同じドイツに生まれながら生涯一度も会うことのなかったヘンデルとバッハ、さらにバッハに大きな影響を与えたヴィヴァルディ。三鷹ではこの三人の作品を中心に据えたプログラムをお贈りします。
今回の来日公演では、コンサートマスターの平崎真弓がヴァイオリン協奏曲のソリストも務めます。J.S.バッハ国際コンクール第2位(2006年ライプツィヒ)、ブリュージュ国際古楽コンクール第3位(2007年)を受賞した彼女のヴァイオリンは、生き生きとして伸びやかで実にナチュラル。また、もう一人のソリスト、オーボエのズザンネ・レーゲルも、1993年ブリュージュ国際古楽コンクール第2位の実力派です。しなやかで愉悦に満ちた音楽の対話をお楽しみください。
■平崎さんにとって、バロック・ヴァイオリンの魅力はどんなところですか?
私にとってバロック・ヴァイオリンの魅力は、やはりその楽器から生まれる響き・音色、そして楽器の持つ声・キャラクターと発音だと思います。またそれを楽器の求める最高のコンビネーションによって、バロック音楽の求める表現を最大限まで引き出す事が出来ること。このコンビネーションはバロック・ヴァイオリンとガット弦、そしてガット弦とバロック・ボウの相性にも言えることです。
また他のバロック・ヴァイオリンと他のバロック時代の楽器の成すアンサンブルから生まれる響きも特別なものです。一言でバロック・ヴァイオリン、バロック・ボウと言っても種類が数々あり、追求すればするほどその歴史とその発展が発見されてとても面白いです。同じ楽器を弾いていても、例えば弦の種類から始まり、駒や弓のモデル等、またピッチを変えると楽器の持つ響きと発音が驚くほど変化します。ですから、例えばバロックのレパートリーの中でもどの曲を弾くのかによって求める内容が変わってきますから、楽器の調整法も変えています。それによって変化する響きにいつも新鮮なインスピレーションを受けます。その時代毎の音楽と共に発見され開発されていった楽器達の歴史の追求は、本当に興味深く、感動に溢れています。
バロック・ヴァイオリンといっても一つのモデルだけではありませんし、どの時代に何が求められ発展されていたのか、それをどう受け取り、そして今の時代にどう表現していくのか。自分が伝えたい音・言葉は何なのか。私にとってこの追求はずっと続いていきます。バロック・ヴァイオリンを弾いていると、私にとってはとても自然体で、楽器が身体を通して伝わる響きと共鳴にはいつも新鮮な感動と共に、また全く自分の身体の一部の様な一体感があります。これはバロック・ボウで弾くことにも言える感覚です。バロック・ボウが伝えてくれる発音とリズム、またバロック・ボウとガット弦から生み出される何とも温かく、柔らかく、甘く、奥深く、繊細かつ、はっきりとして正直、ダイナミックで力強い特別な響き。弦一本一本のキャラクターがとにかく特別です。
私はモダンヴァイオリンを弾いていた時、特にバッハを演奏していた際にいつも何処かで何かの響きの違和感を覚えており、これらの楽器との出逢いが、ずっと探していた響きを見つけ出すきっかけとなりました。 私の場合はバロック・ヴァイオリンとの響きとの出逢いだけでなく、チェンバロとオルガンに出逢えた事も、バロック音楽への情熱にとても深く関係しています。
■コンチェルト・ケルンのコンサートマスターに就任されたいきさつについてお聞かせください。
確か2010年の夏ごろだったかと思いますが、ドイツのSchloss Bruhl(ブリュール城)で開催されるHaydn Festival という音楽祭で、そのフェスティヴァ ル・オーケストラのCapella Augustinaにコンサートミストレスとして演奏する機会がありました。そのオーケストラにコンチェルト・ケルンのアーティスティック・ディレクターで御自身もフルート奏者であるマルティン・ザントホフ氏も演奏されており、そこでの出会いがきっかけとなりコンチェルト・ケルンへのお誘いをいただきました。
■コンチェルト・ケルンの活動について
コンチェルト・ケルンでは、2011年よりコンサートミストレス(以下、コンミス) として演奏しております。1985年に設立されたこのオーケストラは、長い歴史と経験を積むドイツ屈指の古楽アンサンブルです。その中でコンミスとして音楽作りを一緒にできますことを大変幸せに思っております。
この楽団は基本的に常任指揮者を持たないので、多くはコンサートマスター、ソリストとアンサンブルの仲間達でリハーサルを進行させていきます。レパートリーや編成もとても豊富で、大きな編成、例えばオペラやシンフォニーの様なものには指揮者も伴います。これまでの間に色々なレパートリー、そしてソリストの方々と共にヨーロッパ諸国を始め、アメリカツアーも経験いたしましたが 、今回は私にとって彼らとの初めての日本ツアーになりますので、その喜びはとても大きく、準備にも特に思いが入ります。
今後のお知らせですと、昨年録音いたしました ヴァイオリンのジュリアーノ・カルミニョーラ氏とのバッハのヴァイオリン協奏曲のCDがまもなくリリースされる予定となっております。
■最後に三鷹のお客様に向けて、ご自由にメッセージをお願いします。
実は三鷹市芸術文化センターにはたくさんの思い出があります。当時日本で教わっていたヴァイオリンの先生の発表会、アンサンブルのリハーサルや演奏会で幾度も文化センターを訪れました 。バスの停留所、地下の駐車場やリハーサル室、エントランスホール、風・星のホール・・・等々今でもくっきりと思い出す事が出来ます。自分が舞台に立った緊張感から素晴らしい演奏会の感動まで、たくさんの思いに溢れている場所です。その芸術文化センターにてコンチェルト・ケルンと演奏できるのは、 大変幸せなことです。
三鷹の公演に足をお運び下さる皆様と、音楽・作曲家が伝えたかったメッセージ、それを通じて私達がピリオド楽器と共に伝えたいもの、そしてそれを受け止めて下さる聴衆の皆様のエネルギーを三位一体で共有させていただける日を今からとても楽しみに致しております。