三鷹時代の佳品「善蔵を思ふ」
─太宰治と葛西善蔵
2014年 2月11日(火・祝)〜6月1日(日)
【開館時間】 | 10:00〜17:30 入館無料 |
【休館日】 | 月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、休日を除く翌日・翌々日が休館) |
今回の企画展示は三鷹を舞台とした作品「善蔵を思ふ」の世界をご紹介します。
昭和15年4月に「文藝」に発表されたこの作品は、太宰が敬愛する同郷の作家・葛西善蔵を念頭において書かれています。
昭和14年9月に三鷹に移り住んだ太宰は、伴侶とともに新天地で作家として再出発します。この頃の太宰は明るく健康的な作風となり、「駈込み訴へ」「走れメロス」といった名作を多く発表しています。これらと同時期に発表された本作は一言も善蔵に触れず、それらしき人物も登場しません。この標題にはいかなる意味が込められているのでしょうか。
度重なる心中未遂やパビナール中毒といった困難な時期から立ち上がり、善蔵に思いを馳せながら再出発する太宰の姿を初版本などの資料とともに辿ります。