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鳥公園 #8『カンロ』

灯っては消え、消えては灯りゆく(うつつ)を、丁寧に鷲掴む、力強き繊細。
言葉が、表情が、柔らかな重みを持って降り積もる、無比なる空気感。鳥公園。

『おねしょ沼の終わらない温かさについて』より 撮影:塚田史子
『おねしょ沼の終わらない温かさについて』より 撮影:塚田史子

西尾佳織
西尾佳織

本公演は終了しました

2013年10月25日(金)〜11月2日(土) 全11公演

【全席自由】
〈日時指定〉
〈整理番号付〉
前売2,200円・当日2,500円 [一般]前売2,500円・当日2,800円
学生2,000円(前売・当日とも) 高校生以下1,000円(前売・当日とも)
*早期観劇割引・平日マチネ割引 上記料金から、すべて300円引き
【作・演出】 西尾佳織
【出 演】 森すみれ(鳥公園)、浅井浩介(わっしょいハウス)、伊藤俊輔(ONEOR8)、
笹野鈴々音、武井翔子、実近順次、鳥島明(はえぎわ)


☆・・・早期観劇割引公演 ★・・・平日マチネ割引公演
*開場は開演の30分前、受付開始は開演の60分前

※以下の公演におきましては、アフタートークを実施いたします。
25日(金)19:30 杉山 至(舞台美術家)
27日(日)15:00 松井 周(サンプル主宰)
30日(水)19:30 藤崎 圭一郎(デザインジャーナリスト)、藤原 えりみ(美術ジャーナリスト)

これはたぶん、ストーカー的に誰かを好きな女の人の話で、
 その恋は全く報われていない、報われる気配がない
(というか相手が実在するのかも怪しい)、
 のだけれど、それゆえにかえって独自の深化をとげて、
 不思議な塩梅で彼女を支えています。

 それは、執着といえば執着で、
 でも不思議とねじくれたところなくスキッとしている。
 他人に迷惑かけてない。ヘルシー!

「いい子にしていたからこれをあげましょう」なんてちゃちな交換条件じゃなく、
忘れていた頃、
すっかり擦り切れて、ヤサグレかけていたところに降りそそぐ、
甘い露。遠いご褒美。
カンロ、カンロ。

【鳥公園プロフィール】

07年7月結成。作・演出の西尾佳織と俳優・デザインの森すみれによる演劇ユニット。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。生理的感覚やモノの質感をそのままに手渡す、詩的な言葉と美術、独特のテンポで殺伐とした世界を生きる、どこか間抜けでチャーミングな俳優たちの佇まいが持ち味。11年F/T公募プログラム参加。鳥取、小倉、枝光、広島など、様々な土地での滞在制作作品多数。

劇団WEB   http://birdpark.web.fc2.com/
劇団Twitter @torikouen

【西尾佳織プロフィール】

作家、演出家、鳥公園主宰。1985年東京生まれ。幼少期をマレーシアで過ごす。東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007 年に鳥公園を結成以降、全作品の作・演出を担当。俳優、空間、戯曲など、ひとつの作品に集まったすべての要素の間に流れる道すじを、能動的に作り出すのではなく、浮かび上がって見えてくるまで徹底的に待つ。07〜10年には俳優として劇団乞局(コツボネ)にも在籍。

【今回の公演に寄せての、西尾さんからのメッセージ】

最近、「セレンディピティ」という言葉が気になっています。「何かを探しているときに探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能」という意味だそうです。
いわゆる演出家的な、誰よりも先を見据え、強いリーダーシップでみんなを率いて物事をバシバシ決めていく資質がどうも私には足らないようで、一応目的地はあって歩き始めるものの、寄り道しているうちに地図をなくし、気付けば違う山の頂上にいます。だけど時には予定外の景色も、けっこういいと思うのです。

Interview 鳥公園 西尾佳織さん インタビュー

1)今回の舞台、どんな構想を抱いていらっしゃいますか?

何かを、誰かを、「とうとい」と感じることについての作品になると思います。その感覚は信仰に似ていて、「こういうきれいなものが存在するなら、自分もださい、せこい、卑しいことはしたくない」と思えるようなもの。そういうやり方で、人が自分の足で立つことを守ってくれるような気持ちです。
長いスパンで物事を考えたい、とずっと思っていて、でも今まで扱えたのはせいぜい孫の人たちくらいの遠さだったのですが、今回は10万年前の人間のこととか、中世の死刑制度のことなんか、考えてます。感情や意志や判断が、短い時間で動き過ぎてしまうことが私はとても怖いので、そこに屈したくない。だから、感情なんかよりもっとどうしようもなく動かせない、原初的な人間の性質について、考えたいなぁと思っています。

2)三鷹のホールで公演していただくのは初めてとなりますが、どんなイメージをお持ちですか?
  そしてどんな風に使ってみたいなと思っていらっしゃいますか?

三鷹のホールは、「安定」って感じがします。このしっかりした空間にどうやって、柔らかくて不安定でぐにゃぐにゃなまま向かっていけるかなーと思っています。天井の高さ、ナナメ方向の遠さが気に入っているので、そこを活かしたいです。

3)初めて演劇に触れた体験はいつで、どんな体験でしたか?

小学1年生の学芸会で『くじらぐも』をやりました。「今でもあの雲が、くじらぐもに見えて・・・」というのが私の台詞で、この「・・・」が超重要なんだ!と思っていました。いつ誰が台詞を忘れるかもわからんと思って、前後の人の台詞をかなり覚えていましたが、誰も忘れませんでした。

4)初めて脚本を書かれたのは(初めて演出をされたのは)いつですか?
  その時はどんな作品を作られたか覚えていらっしゃいますか?

2008年に鳥公園の旗揚げ公演で、『ホームシック・ホームレス』という作品を書いて、演出したのが最初です。ある日、難民がやって来て、「わたし」の家に住みついてしまう話です。中野にある二階建てのギャラリーが会場で、俳優も観客も自由に移動しながら、1階・2階同時進行で劇が進んでいました。青いマフラーを巻いた俳優が駅で待ち受けていて、お客さんは変な地図を渡されて、中野の街をけっこう連れ回されて、いつの間にか芝居が始まっているという……寺山修司に強く影響されていました。

5)この公演を観て、演劇の世界を志したというような公演はございますか?

そういう公演は思い浮かびません。というか、「演劇の世界を志した」感覚があまりないです。ただ、思い返すと大きな分岐点だったと思うのは、法学部から教養学部に進路を変えるきっかけになった、ドゥヴォス・パトリック先生の授業です。その授業の中で、『木村さん』という映像作品と、土方巽(だったと思うのですが)の映像を見て、…ヤバイものが世の中にはあるな……と思って、もう少し知りたい考えたいと思って、教養学部の表象文化論に進学することにしました。そのときは、自分が作品をつくる人になるとは思っていませんでしたが。

6)映画や小説など数多くある芸術のジャンルの中で、演劇の持つ魅力とはなんでしょうか?

稽古中から上演の段階まで、コントロールできない他者がガスンガスン関わってきて、それ抜きには作品がつくれないところ。

7)舞台を作るうえで、大変なこと、嬉しいこと、いろいろあると思いますが、
  どういう点が一番大変で、どういう時に一番喜びを感じますか?

どうしたら作品が形になるのか、いまだに全然わかりません。だから、例えば三日稽古したらちゃんと三日分完成に近づくかというと、少なくとも鳥公園の稽古場では、そうなっていません。それはもう、そういうものなのですが、「初日まであと何日しかない」というプレッシャーが強まってくると、先の見えなさに踏ん張りきれなくなって、「ちょっともう、とりあえずでもいいから形が欲しい」と思わず思いかけたりして、そういう、ゴールから逆算しようとする弱い心と闘うのが大変です。喜びは、何も見えなかった稽古場に、道すじが生まれかけたとき、そしてそれを俳優がつかみ始めたときに、感じます。

8)作品を作る上で、どのようなときに、ストーリーやアイデアの発想が浮かんできますか?

お皿や風呂のタイルをえんえん洗っているときとか、家庭教師のバイト中に子供が問題を解くのを待っている時間とか。口を噤んで、頭がゆるんでいるとき。ふだんの暮らしの中で、何かしら強い感覚が生じると、自分の内に根深く残って、それがふと力の抜けたときににじみ出てきたものが、作品になっているように思います。

9)それでは最後に、今回の公演に寄せる、お客様へのメッセージをお願いします。

この質問にどうお答えしたらいいか、言葉を探すのがとても難しかったのですが、私は劇場へ行って、作品を観て、「みんな」が楽しんでいるようなのに自分は作品に全然そぐえず、冷たい心でいて、劇場の外にひとりでいるより孤独だ、と感じることがたまにあります。そういう思いをする人のいない作品にしようと思います。どうか、ご来場いただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

三鷹市芸術文化センター
星のホール

〒181-0012
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