とにかく凄い! 熱い! 直球のフラメンコ。
本公演は終了しました
2013年 8月4日(日) 15:00開演
【全席指定】 | [会員] S席6,300円・A席5,400円 [一般] S席7,000円・A席6,000円 U-23席(23歳以下) 4,000円 (中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをご持参ください) |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【出 演】 | 【バイレ(踊り)】 鍵田真由美、佐藤浩希、矢野吉峰、板倉 匠、柏 麻美子、 末木三四郎、工藤朋子、東 陽子、柴崎沙里、小西みと、 関 祐三子、鈴木百々子、坂口真弓 【カンテ(歌)】瀧本正信、石塚隆充、川島桂子 【ギター】斎藤 誠 |
伝統的なフラメンコと他ジャンルとの革新的なフラメンコ作品の両輪で、日本のみならずスペインでも活躍する鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団ARTE Y SOLERA(アルテイソレラ)。1998年に結成されたこのカンパニーは『フラメンコ曽根崎心中』(阿木燿子プロデュース・作詞/宇崎竜童音楽監修・作曲による2001年「文化庁芸術祭」優秀作品受賞)、佐渡島を拠点として内外に活躍する和太鼓集団の鼓童と共演した『道成寺』といった、日本人ならではのフラメンコの舞台を創りだす一方、スペイン・へレスにも拠点を持ち、彼の地の息吹を吸収しフラメンコの精髄を追及し続けています。*BAYSはBest of Arte Y Soleraの頭文字を取って名付けています。
フラメンコ舞踊ならではのテクニックと舞踊家としての身体性を併せ持ち、鍛え抜かれた肉体と表現力を兼ね備えた実力派集団として日本とスペイン両国で高い評価を受けており、彼らの一挙手一投足から溢れる踊り、生きる歓びは、劇場、観客を変貌させます。
今回、三鷹でお贈りするのは、アルテイソレラの過去の上演作品のエッセンスを抽出し昇華させた新作です。鍵田真由美をはじめとする十数名の踊り手と共に、日本カンテ(歌)界の先駆者 瀧本正信らを迎え、フラメンコの真髄に迫ります。
他ジャンルとのコラボレーションをも通じて新しいフラメンコの可能性を示し、ドラマティックで幻想的な唯一無二の世界を創造する話題のカンパニーのステージ、どうぞご期待ください。
関連企画:
親子ワークショップ「はじめてのフラメンコ」☞
8月に三鷹市公会堂で公演を行うARTE Y SOLERA 主宰の鍵田真由美さん、佐藤浩希さんにお話を伺いました。
──鍵田さんは小さい頃からモダンダンスやバレエなどを習い、日本女子体育短期大学舞踊科に進まれ、そこでフラメンコと出会ったそうですね。色々な舞踊を経験して最後にフラメンコを選ばれた理由は…?
鍵田:授業のひとつとしてスペイン舞踊があったんです。最初に観た時に、それまでやってきた踊りのように、スタイルの良い人たちが綺麗な衣装を着て、脚をどれだけ高く上げられるかというジャンルではない、人間本来の心の叫びとか、床を踏み鳴らさなくてはいられない程の衝動などの感情表現を目の当たりにして心を鷲掴みにされました。飾り気のない人間本来のありのままの姿を表現することに魅力を感じてフラメンコを始めました。
── 一方、佐藤さんは学生時代にボランティア活動をされていて、保育士と介護士の資格もお持ちだそうですね。フラメンコとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?
佐藤:ボランティア活動で児童福祉、障がい者福祉施設などに通ったり、老人ホームで夜勤のアルバイトをしていましたが、福祉の現場は大好きでした。取り繕う事のない生の人間の姿があって、障害のありなしや介護する側される側の区別なく皆一緒に、人間が生きていく道、幸せって何なんだろう、ということを探しているという場所で、大変な面もありましたが僕にとって魅力的な職場でした。
ある時、ボランティアの仲間からアントニオ・ガデス舞踊団の「血の婚礼」というビデオを借りて観たんですが、その時に稲妻に打たれたような衝撃を受けました。足を踏み鳴らしたり、ギターをかき鳴らしたり、カンテ(歌)も喉から血がにじみ出るほど叫んでいるような歌だったりするのですが、聴き苦しいのではなく美しい芸術になっている。裸の人間をさらけ出しているのにそれが美しい芸術に昇華されているというものを初めて見ました。そこに、福祉の世界で接していた人たちがオーバーラップして見えたんです。すぐに、「フラメンコは自分がやるために出会ったんだ」と思いました。習おうとしている時に鍵田の公演を初めて観て、さらに衝撃を受け、その場で「弟子にしてください」と頼みました。
──アルテ イ ソレラは能や、宇崎竜童さん、阿木燿子さんとのコラボレーション「FLAMENCO曽根崎心中」など、色々な分野とのコラボレーションも特徴の一つですね。
鍵田真由美さん鍵田:私たちはフラメンコの世界に浸って歩いてきたつもりなのですが、ミュージシャンやものづくりの人、アイデアの詰まっている人…色々な出会いがあって、そういう人たちと過ごすうちに自然に次々と新しい世界が広がっていったんです。結果、生まれた作品を後で見返してみると、日本に生まれた私たちがフラメンコをやっている意味が見出される感じがします。
──本場のスペインで公演をすることでのご苦労などはありますか?
佐藤:例えば現地の方とリハーサルをしていると、午後2時には食事とシエスタ(午睡)でみんないなくなっちゃうとか……(笑)。
鍵田:逆に、スペインで公演をする際には会場の方たちと同じ言葉で話をしているようなスムーズな流れを感じます。日本だと「ここで拍手をしていいのかな」「声をかけたいけど何て言っていいのかな」と思っていらっしゃる方も多いと思うんですが、スペインの方は盛り上がる時にはためらわず自分から盛り上がって、踊り手を誘うような拍手をしてきたり…
佐藤:歌舞伎の大向う(掛け声)みたいな感じですね。いいタイミングで声を掛けたりしてくれるので、お客さんに乗せられちゃうということがあって、これは逆にありがたい点です。
──今回はベスト・オブ・アルテ イ ソレラというテーマですが、どのような公演になりそうですか?
鍵田:スタジオの設立から20年、色々な作品を作ってきましたが、今回はそのベスト版と言えるように、このままスペインに乗り込んでも絶対に恥ずかしくないような中身・構成で自信を持ってお届けします。
──お客様にはどんな風に楽しんでいただきたいですか?
佐藤浩希さん佐藤:僕たちの目標は「ヘレスから日本の漁村まで」というものなんです。僕たちのスペインの本拠地であるヘレスは、"フラメンコのゆりかご"と言われフラメンコを育てた街です。ヘレスのフラメンコ通の方が観ても全く縁のない日本の方が観ても楽しめる作品作りを目指しています。
──今回は、「はじめてのフラメンコ」という親子ワークショップも開催していただくのですね。
佐藤:そうですね。また、ヘレスの話になりますが、ヘレスでは普段の生活にフラメンコが入っているんです。例えば、家でご飯を食べてお酒を飲んで楽しくなったらおばあちゃん、おじいちゃんが歌い出して子どもたちが踊り出す。道端でも子どもたちが歌って手拍子をたたいて、近所のおばさんがスーパーの袋を下げて通りかかったら「おばちゃん、踊って〜 !!」って言っておばちゃんもスッとその中に入って踊って「じゃあね、バイバイ」と言って去っていく、みたいな……(笑)。フラメンコがコミュニケーションツールになっているんです。言葉を超えたコミュニケーション、それがフラメンコの一番の魅力です。フラメンコって踊りでもあるけど、リズムを刻んだり、身体でパーカッションの要素をやっていることもあって、体ひとつで音楽ができるんです。親子でそういうことを感じてもらえるワークショップにしたいと思っています。どうぞお気軽にご参加ください。