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ピチチ5 結成10周年記念公演『はぐれさらばが"じゃあね"といった』

「まぁ俺が教科書に載るまでにまだ十数年はかかるからな」

静岡県三島市を舞台に、己の未来を知っている文豪と先の見えない凡人達がすれ違っては絡み合う。
誰かが郷愁でもって振り返る「あの頃は大変で」という生活の枠の中で、まだ生きている人間がいる。

過去にするなともがく凡人達を、天才が振り落としていく残酷物語。

撮影:露木聡子
撮影:露木聡子

撮影:齊藤ジン

本公演は終了しました

2013年 6月28日(金)〜7月7日(日) 全12公演

【全席指定】 [会員] 前売3,000円・当日3,300円 [一般] 前売3,500円・当日3,800円
学生2,500円(前売・当日とも) 高校生以下1,000円(前売・当日とも)
【☆早期観劇割引 ★平日マチネ割引】
 [会員] 前売2,700円・当日3,000円 [一般] 前売3,200円・当日3,500円
 [学生] 前売・当日とも2,500円 [高校生以下] 前売・当日とも1,000円
託児サービス 500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*6/29(土)のみ *未就学児は入場できません。
【作・演出】 福原充則
【出 演】 菅原 永二 今野 浩喜(キングオブコメディ)
野間口 徹 植田 裕一 三土 幸敏 碓井 清喜 三浦 竜一
広澤 草 仁後 亜由美 吉牟田 眞奈
久ヶ沢 徹

【作・演出の福原さんからのメッセージ】

太宰が好きな人はもちろん、嫌いな人でも楽しめる作品にすることをお約束します。また" 読書"ではなく、" 観劇"でしか体験できないものをお見せすることもお約束します。さらには小金井市や国分寺市ではなく、三鷹市で公演することもお約束しますので、安心して芸術文化センター・星のホールまでお越しください。

福原充則

【ピチチ5 & 福原充則プロフィール】

「ピチチ5(クインテット)」は02年旗揚げ。主宰・脚本・演出を務める福原充則の、哀しくも愛すべき人間たちの呟きを描いた角度は鋭く、他の追随を許さない。その鋭い台詞の奥に込められた、人間を見つめる視線の暖かさに共感する観客は多く、福原は舞台のみならずTV・映画などで数多くの脚本を手掛けている。またメンバーの野間口徹は6年ぶりの出演となる。

【はぐれさらばが“じゃあね”といった】特設WEB☞http://haguresaraba.com/
【ピチチ5】公式WEB☞http://www.ne.jp/asahi/de/do/pichi.html
【ピチチ5】ツイッター☞@pichichi5_bot

【ピチチ5『はぐれさらばが"じゃあね"といった』インタビュー動画】

※JCN武蔵野三鷹「MITAKA ARTS NEWS ON TV vol.99」で放映されたものです。YouTube で見る

福原充則セリフ集【過去のピチチ5公演より。( )内は作品名】

「最近、独り言にメロディがついちゃうんだよなぁ…」(吉崎、かく語りき)

「あんたもずっと才能なかったならよかったのにね。一瞬でも輝いちゃったからつらいよね。隣の芝生も青いけど、昔の芝生も青いよね」(フォークの神様)

「女が出ていく理由なんて昔から1つか2つ…、ま、多くても3つ4つ、場合によって5つくらいしかないぞ」「結構あるな…」(国分寺のキース・リチャーズ)

「スゲー奴は常に現在進行形ですごい!将来性なんて言ってる時点でそいつに未来はない!」(蒲田の行進曲)

「捨て台詞、考えてきたので聞いてください」(吉崎、かく語りき)

「早くお金持ちになって、話の合わない人と話さなくてもいい暮らしがしたいよね」(ボンネット)

「もてないことは分かってる。ふられるのにも慣れている。でも告白してもないのにふられたんだ!」(空飛ぶ夜勤)

「まいったなぁ、お国言葉で怒ってる人は大抵本気だぞ。」(嘘だと言ってよ、ハリー)

「まだなんとかなると思ってるんだろ?だから悩むんだよ」(ほんとだよ)

「本当は美人なんていないんじゃないですかね?、…ここにいる全員が、話したことも触ったこともないんですよ。そんなの存在するって言えるんですかね?」(ほんとだよ)

「バイトしてるおじさんは大抵面白いよ」(牛丼太郎高円寺支店)

「じゃあもっと複雑にすればいいんだよ。世の中はシンプルすぎると苦痛だからね」(世界をもっと複雑に)

「俺は才能ないまま売れたいの!変な顔のままモテたいの!」(花巻のスカーフェイス)

「綺麗事にしないと耐えらんないことってあるんだな」(サボテンとバントライン)

「初対面の人と心を通わせた経験が少ないので、貧血を起こしました!」(サボテンとバントライン)

Interview ピチチ5インタビュー

6月〜7月に、太宰治作品をモチーフにした演劇公演「はぐれさらばが“じゃあね”といった」を星のホールで上演していただく、福原充則さん(脚本・演出・劇団ピチチ5主宰)、劇団員の野間口徹さん、そして今回ゲストで出演される菅原永二さんにお話を伺いました。

インタビュアー/森元隆樹(三鷹市芸術文化振興財団演劇企画員)

本が好きな人にぜひ観てもらいたいですね。そして、改めて太宰作品を読んだ時に、少しだけ今までと違う感想を持ってもらえるような舞台になればいいなと思います。

──今回の舞台は“太宰治作品をモチーフにした演劇公演”ということでお願いしておりますが、脚本・演出の福原さんは、太宰治作品はお読みになっていらっしゃいましたか?


福原充則さん
福原 僕は本を読むのが好きで、学生時代は、授業をさぼって図書館にこもって本を読んでいることが多い人だったので、全作品とまではいかないですが、結構読んでいる方だと思います。

──今回の公演に向けて久しぶりに読んでみて、学生時代に太宰作品に感じていたことと、印象が違いましたか?

福原 まあ、教科書にも載っている作家なので、真面目とか暗いとか文豪とか、そういったイメージがあったのは確かですけど、今回読み返してみて、フィクションなのかノンフィクションなのかの境目が曖昧な、偽ドキュメンタリーの手法が多いなあと思って、それは自分自身も好きなスタイルなので新しい興味を持てましたね。あと、昔読んだ時は、もっとあけっぴろげに心情を吐露している印象があったのですが、意外とギャグが多くて、笑いで照れ隠ししながら言いたいことを言ってるなあというのも感じましたね。
そんな中で今回は「老(アルト)ハイデルベルヒ」を中心に、幾つかの作品のエッセンスをモチーフにしながら作られるとのことですが、「老ハイデルベルヒ」をメインに据えられた理由を教えてください。

福原 僕は一番好きな小説が“本が好きな少年が、本の世界の中に入りこんでしまう”ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』なんですが、そんな感じで、読み進めていくうちに「その本の世界に自分がいたいなあ」と思わせてくれる小説が好きなんですね。その点「老ハイデルベルヒ」は、静岡県三島市が舞台なんですけど、描かれている三島の町が本当に楽しそうで、登場人物たちがことのほか居心地がよさそうで(笑)ああこの町にいたいなあと思ったのが、この作品をメインにした最初の要因ですね。

──主人公が、ちょっとお金が手に入ったら見栄を張ってしまって、頼まれてもいないのに、むりやり友人たちを三島に行こうと誘って「この町には、昔世話になった、とてもいい人がいてね」と吹聴するんだけれど、久しぶりに三島の町に着いてみると……という話ですね。

福原 小説の終盤、急に郷愁を帯びてきて「あの頃の三島はよかった」というタッチで語られるんですけど、そのあたりの描写から今回の舞台のイメージがどんどん膨らんでいきました。ある人から「あの頃」で語られる人たちがいて、決して死んだわけではなくてちゃんと生きて普通に生活しているのに、ある人の中では「あの頃」と過去にさせられてしまっている。でもそう思われている人の側からみれば「冗談じゃないよ、勘弁してくれよ。勝手に過去の中に閉じ込めないでくれよ」という思いだろうし。この作品でいうと「久しぶりに訪れた三島には、どこを歩いても昔の香が無い。あの頃いた人は誰もいない」というようなことが書いてあるんだけど、実際にはいると思うんですよね、主人公が会わなかっただけで。そういう“勝手に思い出や郷愁にされてしまっている側”の、不満や、憤りや、哀しみを描いていければと思っています。

──今回の作品において、菅原さんはどんな役を演じられるのでしょうか?

福原 ずばり主人公、まあそうははっきり書かないかもしれませんが、太宰治役ですね。

──菅原さん、太宰治作品をモチーフにした舞台の、太宰役だそうです。


菅原永二さん
菅原 光栄ですが……今、いきなり言われたので、ちょっとびっくりしています(笑)太宰は昔、何冊か読んだことがありますが、主人公の男性は総じて「駄目だけど人間味のある人」って感じが多かったイメージがあるので、そのあたりをとっかかりにして演じてみたいですね。

福原 菅原さんの太宰役は最初から決めていましたけど、太宰の中でも“黒マントを纏って”いるのではなく“スーツを着て、銀座の酒場で飲んでいる”イメージですね。

菅原 以前TVでドラマ化された太宰治の「お伽草子」の中の「カチカチ山」に出させていただいた時も、太宰役だったんですよ。ドラマと舞台のどちらでも太宰をやるなんて、思ってもみなかったですね。

──野間口さんの役は?

福原 太宰と一緒に三島を旅する文豪の誰か……になることは間違いないですが、その誰かがまだ固まってないんです。いずれにしても、一見仲が良さそうだけれど……って感じの人間関係を担うことになるとは思いますが。


野間口徹さん
野間口 劇団員でありながら6年ぶりの出演です(笑)太宰は、中学生の頃に読んでまして「ヴィヨンの妻」とかが印象に残ってるんですが、とにかく“モテる”というイメージが強くて、なんでもすぐに『死ぬ』とか『一緒に死のう』とか言えばいいんだなと(笑)そう言えばモテるんだなと(笑)そのモテるということに、すごく憧れていましたね(笑)。が、やがてそれは“駄目すぎる”ことなんだなと思い始めたら、今度は太宰の言動やら生き方がコントに思えてきて、まあ、小説の中に書かれていることが、そのまま実生活に近かったとは思いませんけどね。

福原 僕は、実生活における太宰のコント度は低かったと思いますよ。ある意味、常識を踏まえていたから冷静に人間を観察して、これだけ多くの人に支持される“コント”が書けたんだと思います。例えば坂口安吾のコント度って、一般の人にはなかなか伝わりにくいと思うんですよね。だから太宰は「ああ、こういう駄目さ加減って、俺の中にもあるなあ」という人生のコントを、上手に書けた人なんだと思います。

──今回のタイトル「はぐれさらばが“じゃあね”といった」に、こめられた意味を教えてください。

福原 世間一般でいうところの成功を手に入れて、昔の友人や人間関係を「あの頃」と呼んでいる人って、本当はすごく孤独なんじゃないかなと、実はその人のほうが人間関係にはぐれてしまっているんじゃないかと思っているうちに“はぐれさらば”という言葉がまず浮かんで。そんな“はぐれさらばな人”が、いつの間にか遠い距離が生じてしまった“あの頃の人”に久しぶりに会って、今さらもう言わなくてもいいのに、お互いの心の中ではもう十分に決別ができているのに、わざわざ“じゃあね”と決別の言葉を言い放つ瞬間……という意味で、このタイトルにしました。

──そんな人間関係を描くにふさわしい、素敵な役者さんが揃いましたね。

福原 役者さんに関しては、僕がぜひこの人でと思った人で決まっていったので、本当にありがたく思っています。菅原さんは、自分が芝居を観始めた頃から憧れていたので、そういう役者さんが輝いたまま活躍してくださっていて、今こうしてご一緒できるというのが本当に嬉しいです。野間口さんとは久しぶりで、最近はTVやら映画やらかなり忙しいみたいなので、どんな風に変わったかなと思っていたんですが、いい意味で、そんなに自分を譲らずにここまで来たんだなと、丸くならず不器用なまま階段を上がっているんだなと思えたのが頼もしかったですね。

──男優陣では、他に久ヶ沢さんや今野さんにもご出演いただきますね。

福原 久ヶ沢さんは、話していると「あっ、そんなところが気になるんだ」という物の見方とか、「そんなところに強い拘りを持ってるんだな」という意地の張り具合とかが本当に面白くて。ある意味、自分とは違う感覚を持っている人なので、ご一緒していて新鮮です。今回は太宰とその友人が泊まる、三島の家のお兄さん役を予定していますが、その兄の人生に、太宰の「新樹の言葉」という作品の世界を絡めていけたらと思っています。今野さんとは、舞台では今回が2回目となりますが、前回ご一緒した時、とてもいい関係で芝居が作れたので、信頼しています。ただ、すごく気持ちが通じているなあと思う時と、もしかしたら通じ合えてないのではと思える時がチラホラあるのですが、実はそのあたりの掴めなさも、今野さんの魅力だと感じています。

──女性キャストはオーディションで選ばれましたね。

福原 いい役者さんがたくさん受けに来てくださって、激戦でしたねえ。ただ、ピチチ5っていつも「女優さんどうしようか」で結構悩んでいたので、その感じが懐かしかったです。今回審査員に、劇団員の吉見君にも入ってもらっていたので「ああ、昔はこんな感じで女優さんを選んでいたなあ」って思い出してましたね。その上で、今回は3人ともそれぞれに違った魅力を持っていらっしゃいますし、初めてご一緒する人ばかりなので、とても楽しみにしています。

──そして、長年の盟友も、数多く揃いましたね。

福原 まずは劇団員の三浦君ですが、しばらく芝居やってないみたいだし、ここ最近はどんな人生を送ってきたかも知らないのですが(笑)先日、ちょっとワークショップを手伝ってもらったら、昔と全く変わらぬ演技をしていたので、頼もしいなと思っています。植田さんは、第1回公演から出演していただいている、半ば劇団員みたいな存在ですし、演技への信頼感は非常に強いです。三土さんは、最後にご一緒した4年前の時点で、すでにセリフや段取りが結構覚えられなくなっていたので(笑)ほんとドキドキしています(笑)碓井君は、一応ピチチ5では若手担当で「碓井君が30歳になるまでに売れてなかったら、劇団は解散だな」なんて言ってたんですが、何事もなく30代を越えさせてしまったなと(笑)そんな頼もしいメンバーですね。

──今回、太宰治作品をモチーフにした演劇公演も10回目(10年目)ですが、ピチチ5としても10周年だそうですね。まずはピチチ5結成の頃の話を、教えてください。

福原 結成前に、野間口さんと一緒にとある劇団の芝居を下北沢に観に行ったんですけど、そこの劇団の女性主宰者が野間口さんのファンで。終演後に「大好きです。次も必ず観に行きます!」とか言ってて。僕、その女性主宰者が好きだったんで「僕ももうすぐ芝居やります。見に来てください」って言ったら「頑張ってください」って言われたんです(笑)野間口さんには「必ず観に行きます」で、俺には「頑張ってください」(笑)「えええ?どういう意味?」って、もう悔しくって悔しくって(笑)もうほんとに、帰りの井の頭線の間中、ずっと悔しくて仕方なくて「やっぱりちゃんと芝居を作っていないと認めてもらえないな」と思って、永福町で途中下車して野間口さんに「劇団作りたいんだけど」って電話したのが始まりです(笑)

──野間口さんはなんて答えたんですか?

野間口 やりましょうと。即答でしたね。

──じゃあ、その劇団の主宰者がピチチ5の生みの親ですね(笑)劇団の最初の頃のことで印象に残っていることはありますか?

野間口 まあとにかく、全員生活苦でしたからね(笑)でも福ちゃん(福原氏)の書くものは面白いと、それだけは確信していました。ただ、台本を読んで稽古をしていく段階では、なかなかその面白さが判らなくて、本番でお客さんが笑ってくださって初めて「ああ、面白いんだ」と実感することが多かったです。

福原 今野さんと初めてご一緒した時に(2009年「サボテンとバントライン」)初日が終わった夜に「こういう芝居だったんですね。お客さん笑ったりするんですね」って言ってましたから(笑)「じゃあ、1ヶ月どういう気持ちで稽古してたんですか?」って聞いたら「いやあ、ほんとにつらかったです」って(笑)「これでやりやすくなりました」って(笑)

──菅原さんは、いろんな方の舞台にご出演されてこられた中で、福原さんの演出はいかがですか?

菅原 演劇に対してストイックだなあと思いますね。すごく稽古が好きなんだなあと。あと、割と自由にやらせてくれるので、やりやすいですね。

野間口 稽古は長いですし、粘りますよね。

福原 最近はそうでもないんですけどね。まあその時その時違いますけど。ただピチチ5の初期は、役者のみんなに技術が無かったし、とにかく稽古するしかなかったですからね。あと、菅原さんとご一緒した「猫のホテル」の公演は・・・・・・直前まで他の舞台に出てる人とかいらっしゃいましたから(笑)もう短期間でみっちりやるしかなかったというだけで(笑)

菅原 そういえばそうでしたね(笑)

──稽古時間は短いほうがいいですか?(笑)

菅原 まあ、それはそうなんですけど(笑)ただ、ひとつだけ不思議なのは、実は福原君自身が「疲れた。もう帰りたい」って結構言うんですよ。だから「あっ、今日はそろそろ終わるかな。ラッキー」と思って喜んでたら「じゃあ、もう一回やりましょうか」って(笑)あれは驚きますね(笑)

野間口 僕は最初から福ちゃんと一緒にやってるんで、もうそれが普通だと思ってましたから。だから逆に、最近福ちゃんと一緒に舞台をやった役者さんなどから「彼は粘るねえ」とか聞いて「ああ、そうなんだあ」って気付かされたって感じですね。

──あと、福原さんの舞台というと、いきなり壁を突き破って車が出てきたりとか、大掛かりな仕掛けも持ち味のひとつです。最初の頃は大変でしたか?

野間口 演技をする上では全く問題ないんですけど、とにかく「これ、誰が作るんだよ」って思ってましたね(笑)車のフロント部分を持ってきたはいいけど、それを舞台装置にするのは、劇場に入ってから劇団員が作ってましたから(笑)稽古場では「このセリフの後、ここらへんからバーンと車が出ます」とかイメージトレーニングだけで(笑)不安でしたね(笑)

──大量のコロッケとメンチカツを、もくもくと仕分けする人が出てくる作品とか覚えています。

野間口 それ、僕ですよね(笑)

福原 あれ、お金が無くて、自分たちで楽屋で揚げてたんだよね。毎日100個くらい。

野間口 狭い楽屋が油臭くなって(笑)もう連日物凄い臭いで(笑)楽屋は、どこもかしこもコロッケ置き場だったし。役者がメイクとかする鏡の前にも必ずコロッケありましたから。僕、あれ以来、コロッケ食べてませんもん(笑)

──10年続くと思ってましたか?

野間口 どうでしょう(笑)でも僕は続けたいと思ってました。ただあの頃は、皆が芝居に対して情熱があるのか無いのか判らない感じだったので、もしかしたらそのうち役者辞めちゃう人もいるかもなあなんて思っていたんですけど、思いのほかみんな頭が悪かったらしく、辞めませんでしたね(笑)

──そんな、10年目を迎えたピチチ5がお贈りする、今年の太宰治作品をモチーフにした演劇公演。最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

ピチチ5 インタビュー野間口 多分、今までの三鷹の太宰演劇企画の中で、一番下世話な作品になると思いますが、ピチチ5らしい、一番人間味溢れる世界をお届けできるとも思います。あとは僕を、たくさん出してくれるといいなと(笑)

福原 じゃあ出ずっぱりで(笑)

野間口 よかった(笑)頑張ります(笑)

菅原 とにかく・・・・・・楽しみでなりません。

福原 じゃあ、もっと楽しそうに言ってよ(笑)

菅原 言ってますって(笑)誤解を招くようなこと言うの止めてください(笑)
とにかくまずは、太宰役ということで光栄ですし、たくさんの人に観てほしいですね。感動巨編になるはずですから(笑)もう皆が泣いて帰るような(笑)

福原 本が好きな人に、ぜひ観てほしいですね。太宰ってこういうことじゃないかな、こういう人だったんじゃないかなってところを僕なりに描きたいと思っているので、観終わったあと、改めて太宰作品を読んだ時に、少しだけ今までと違う感想を持ってもらえるような舞台になればいいなと思います。

──楽しみにしています。本日はありがとうございました。
            
≪2013年3月18日 三鷹市内の稽古場にてインタビュー≫

三鷹市芸術文化センター
星のホール

〒181-0012
東京都三鷹市上連雀6-12-14
0422-47-5122 (チケットカウンター)
0422-47-9100 (施設受付・事務局)
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