2010年12月28日。惜しまれつつこの世を去った、高峰秀子。
デコちゃんと呼ばれ愛された天才子役は、やがて、日本映画の黄金期を彩る大女優、高峰秀子に。
「私は幸せだった。日本の映画のもっともいい時期に、もっともいい監督たちと仕事ができたのだから。」三回忌を迎えた今、彼女自身が語ったというその言葉の証を、そして、今なお色褪せることのないその魅力の理由を。大きなスクリーンで、ぜひ、お確かめください。
[チケット発売日] 会員3/14(木) 一般3/15(金)
三回忌・高峰秀子
『あらくれ』『女の座』
2013年4月13日(土) 昼の部11:00/夜の部16:00開演
【全席指定】 | 各回 会員=900円 一般=1,000円 学生=800円 各回2本立/昼夜入替制/途中休憩あり *未就学児は入場できません。 |
【協 力】 | 東宝株式会社、松竹株式会社、株式会社角川書店 |
昼の部 夜の部 |
『あらくれ』11:00〜13:01 『女の座』13:30〜15:21 『あらくれ』16:00〜18:01 『女の座』18:30〜20:21 |
高峰秀子 プロフィール
1924年3月27日、北海道函館市生まれ。29年野村芳亭監督『母』に子役でデビューして以来、生涯で300本以上の映画に出演。日本映画の黄金期を支えた名監督の作品に数多く出演し、名作を生んだ。『二十四の瞳』で助監督をしていた松山善三と、55年結婚。79年に女優を引退した後は、エッセイストとしても活躍した。2010年12月28日死去。享年86歳。
『あらくれ』(1957年/ 121分/白黒/東宝)

©東宝株式会社
「たくましい女性を描く」と挑んだ成瀬の新境地に、高峰が見事に応えた佳作。
【監 督】 | 成瀬巳喜男 |
【原 作】 | 徳田秋聲 |
【脚 色】 | 水木洋子 |
【出 演】 | 高峰秀子、上原 謙、森 雅之、加東大介、 東野英治郎、宮口精二、中北千枝子 ほか |
高峰と組んで数々の名作を生み出し続け、すでに「女性映画の(メロドラマの)名匠」との不動の評価を得ていた成瀬巳喜男が「自分の力で自分の運命を切り開いてゆく、たくましい女性を描きたい」と、彼の作品の中で最もエネルギッシュに生きる女性を描いた意欲作。高峰はその成瀬の意気込みを汲み、その時々に自分に寄り添う情けない男たちと、時に激しく諍いつつも、したたかに何度でも、力強く立ち上がる女性を、見事に演じている。
『女の座』(1962年/ 111分/白黒/東宝)

©東宝株式会社
高峰を軸にした豪華女優陣の演技に息を飲む、成瀬演出が冴えわたる名品。
【監 督】 | 成瀬巳喜男 |
【脚 本】 | 井手俊郎、松山善三 |
【出 演】 | 高峰秀子、笠 智衆、三益愛子、小林桂樹、 草笛光子、淡路恵子、杉村春子 ほか |
長男の嫁が高峰秀子、長女三益愛子、次女草笛光子、三女淡路恵子、四女司葉子、五女星由利子に後妻が杉村春子と、まさに当時の東宝オールスター総出演といった趣きであるが、脇を固める俳優たちも皆上手く、大人数にも関わらず、それぞれの登場人物の生き様には奥行きがある。未亡人となるも、嫁ぎ先の商家を切り盛りし続ける高峰を軸に、兄弟姉妹の思惑が交錯する様を、丁寧かつスムーズに見せていく成瀬演出が冴えわたる名品である。