2010年12月28日。惜しまれつつこの世を去った、高峰秀子。
デコちゃんと呼ばれ愛された天才子役は、やがて、日本映画の黄金期を彩る大女優、高峰秀子に。
「私は幸せだった。日本の映画のもっともいい時期に、もっともいい監督たちと仕事ができたのだから。」三回忌を迎えた今、彼女自身が語ったというその言葉の証を、そして、今なお色褪せることのないその魅力の理由を。大きなスクリーンで、ぜひ、お確かめください。
[チケット発売日] 会員1/24(木) 一般1/25(金)
三回忌・高峰秀子
『カルメン故郷に帰る』『カルメン純情す』
2013年2月16日(土) 昼の部11:00/夜の部16:00開演
【全席指定】 | 各回 会員=900円 一般=1,000円 学生=800円 各回2本立/昼夜入替制/途中休憩あり *未就学児は入場できません。 |
【協 力】 | 東宝株式会社、松竹株式会社、株式会社角川書店 |
昼の部 夜の部 |
『カルメン故郷に帰る』11:00〜12:26 『カルメン純情す』13:00〜14:43 『カルメン故郷に帰る』16:00〜17:26 『カルメン純情す』18:00〜19:43 |
高峰秀子 プロフィール
1924年3月27日、北海道函館市生まれ。29年野村芳亭監督『母』に子役でデビューして以来、生涯で300本以上の映画に出演。日本映画の黄金期を支えた名監督の作品に数多く出演し、名作を生んだ。『二十四の瞳』で助監督をしていた松山善三と、55年結婚。79年に女優を引退した後は、エッセイストとしても活躍した。2010年12月28日死去。享年86歳。
『カルメン故郷に帰る』(1951年 / 86分 / カラー / 松竹)

©1951 松竹株式会社
木下惠介監督との初コンビ作は、記念すべき国産初の「総天然色映画」。
【監督・脚本】 | 木下惠介 |
【撮 影】 | 楠田浩之 |
【出 演】 | 高峰秀子、小林トシ子、笠 智衆、 佐野周二、坂本 武、佐田啓二 ほか |
木下惠介監督との初コンビ作であり、国産初のカラー映画(当時は「総天然色映画」と呼ばれた)として封切られた。高峰が演じたのは、家出した故郷の村に、久しぶりに里帰りしたストリッパー。その"裸踊り"を"芸術"だと言い張る彼女がふりまく爽やかなお色気に、やがて村全体が大騒動になっていき……。なお、カラー映画の撮影は、未知のことだらけのため悪戦苦闘の連続となり、失敗した場合に備えてモノクロ版も撮影された。
『カルメン純情す』(1952年/ 103分/白黒/松竹)

©1952 松竹株式会社
連作のカルメン物ながら、木下監督の演出の幅の広さに驚嘆する快作。
【監督・脚本】 | 木下惠介 |
【撮 影】 | 楠田浩之 |
【出 演】 | 高峰秀子、若原雅夫、淡島千景、 小林トシ子、東山千栄子、三好栄子 ほか |
前作に続いてストリッパー「カルメン」の物語ではあるものの、本作は白黒で撮影され、全体を覆うトーンも「同じ監督でここまで違うか」と思えるほどシュールかつスピーディであり、実験的手法をちりばめつつ、木下演出は観客の視線をぐいぐい惹きつけていく。前作より少しだけ成長したかにみえるカルメンを演じる高峰も素敵だが、本作においては三好栄子の圧倒的な怪演ぶりが筆舌に尽くし難いほどであり、一見に値する迫力である。