底知れず、闇の如く深い芸の世界の、その沼から掬いあげたような、美。
山田五十鈴の演技に魅入られていくうちに、いつしか張りつめる独特の緊張感。
怖いほどの上手さ。本物の芸を知る者だけが手に入れる、美。
[チケット発売日] 会員9/15(木) 一般9/16(金)
山田五十鈴『鶴八鶴次郎』『流れる』
2011年10月15日(土) 昼の部11:00/夜の部16:00開演
【全席指定】 | 各回 会員=900円 一般=1,000円 学生=800円 各回2本立/昼夜入替制/途中休憩あり |
*未就学児は入場できません。 | |
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山田五十鈴
1917年大阪生まれ。30年渡辺邦男監督『剣を越えて』でデビュー。「ベルさん」の愛称で親しまれる。女優として初めて文化勲章を受章した、日本を代表する大女優。
【各回2本立て】
『鶴八鶴次郎』(1938年 / 89分 / 白黒 / 東宝)
©東宝株式会社
【監督・脚本】 | 成瀬巳喜男 |
【原 作】 | 川口松太郎 |
【出 演】 | 山田五十鈴、長谷川一夫、藤原釜足 ほか |
新内語りの鶴次郎(長谷川)と、その師匠の娘鶴八(山田)の二人組は、若くして人気を誇り、将来を誓い合う程の仲。 けれど鶴次郎の猜疑心が元で、二人は袂を分かってしまい…。男の理不尽な振舞いの中でも、凜として生きる女を演じた山田は、当時若干21歳であった。
『流れる』(1956年 / 117分 / 白黒 / 東宝)
©東宝株式会社
【監 督】 | 成瀬巳喜男 |
【原 作】 | 幸田 文 |
【出 演】 | 山田五十鈴、田中絹代、高峰秀子 ほか |
柳橋界隈の芸者置屋。金、男、それぞれの過去、しがみつけるものになら何でもしがみつきながらも、日々を淡々と生きていく女たち。山田をはじめ誰をとっても、唸るほどの上手さ。決して華やかではないが、しかし陰惨でもない、女の業を深く見つめた稀代の名作。