関東の野村家、関西の茂山家の共演で、毎年人気の東西狂言の会。
今回も東西の至芸を、お楽しみいただきます。野村萬斎による上演前の解説もございます。
秋の一日、狂言の醍醐味を心ゆくまでご堪能ください。
[左] 野村万作 [右] 茂山あきら
野村萬斎
[左] 野村万作 [右] 茂山あきら
野村萬斎
[チケット発売日] 会員7/3(日) 一般7/10(日)
2011年 9月23日(金・祝) 14:00開演
【全席指定】 | 会員3,600円 一般4,000円 高校生以下2,000円 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【演 目】 | 解説 野村 萬斎 昆布売 大名 野村 万作 鐘の音 太郎冠者 茂山あきら 仲裁人 丸石やすし ─休憩二十分─ 茸 主 茂山 童司 山伏 野村 萬斎 何其 高野 和憲 茸 月崎 晴夫 〃 中村 修一 〃 岡 聡史 〃 村井 一之 〃 竹山 悠樹 〃 内藤 連 鬼茸 深田 博治 |
【座席表】 | 三鷹市公会堂座席表 |
昆布売(こぶうり)
供を連れずに出かけた大名。たまたま通りかかった若狭の小浜の召し(献上)の昆布を売る男を脅し、太刀を持たせて供とする。始めはしぶしぶ従っていた昆布売りだが、大名が油断した隙に太刀を抜き、逆に脅された大名が昆布を売ることになる。物など売ったことのない大名は、昆布売りにさまざまな注文をつけられ...。
昆布売りが太刀を抜くことで強いはずの大名より優位に立つという、中世の下克上の世相を反映した立場の逆転が笑いを誘う狂言です。また昆布の売り声には、浄瑠璃節や踊り節など中世の流行歌謡が取り入れられています。
鐘の音(かねのね)
主人は息子の元服に、黄金作りの太刀を差させてやろうと考え、金の値段を聞きに太郎冠者を鎌倉へ遣わす。ところが、「金の値」を「寺の鐘の音」と思い込んだ太郎冠者。寺を回って帰宅すると、主人の前で鐘の音を説明するのだが、主人は怒って太郎冠者を追い出してしまう。騒ぎを聞きつけた仲裁人が両者の言い分を聞き、太郎冠者は鐘の音を聞きまわる様子を演じて見せることになるのだが...。
寺々の鐘の音を擬音で説明したり、主人の怒りを解くため、鐘の音の子細を謡い舞うのが見どころの狂言です。演者自身の声で鐘の音を表現する、狂言独自の趣向をお楽しみ下さい。
茸(くさびら)
屋敷中に茸が生えて困っているという男に、茸退治を頼まれた山伏。もったいをつけつつ男の家に行くが、人ほどもある大きな茸にびっくり仰天! さっそく祈祷を始めるのだが、祈れば祈るほど茸は減るどころかますます増え、山伏や男にいたずらをするものまで現れる。山伏は最後の気力を振り絞って祈るのだが...。
笠をかぶり面をつけたカラフルな茸たちが、舞台上を所狭しと動き回ります。海外でも上演されることの多い、荒唐無稽な狂言の代表作です。
「東西狂言の会」もうひとつの魅力。 野村萬斎さんによる《解説》
関東の野村家と、関西の茂山家の競演により、毎年ご好評いただいている「東西狂言の会」。
もちろん、その人気の源は舞台で繰り広げられる見事な芸の数々に他なりませんが、お客様からのアンケートで「来年もぜひ」とのご要望が多いもうひとつの魅力『野村萬斎さんによる解説』を、今年も実現できることになりました。
萬斎さんは公演の冒頭、舞台上で約20分間、ユーモアをふんだんに交えた語りでお話してくださいます。具体的な内容は…
・その日の狂言の見所を、演者ならではの視点でわかりやすく紹介
・同じ演目においても和泉流(野村家)と大蔵流(茂山家)では演じ方に違いがあることの説明
・演目の中で繰り返し使われる、狂言の世界ならではの言葉の意味の説明
・演目の中で囃される言葉を、お客様全員で大合唱!
さて、今年はどんなお話が聞けるでしょうか?
古典通の方にはもちろん、初めての方にも安心してご覧いただける「東西狂言の会」に、ぜひ、足をお運びください。