関東の野村家、関西の茂山家の共演で、毎年大好評の東西狂言の会。
今回は茂山千五郎師をお迎えし、東西の至芸を楽しみ頂きます。
野村萬斎師による小舞や、上演前の解説もございます。狂言の醍醐味を心ゆくまでご堪能ください。
[チケット発売日] 会員9/12(日) 一般9/19(日)
予約1回2枚まで(※)
2010年12月5日(日) 14:00開演
本公演の客席図は、こちら[PDF: 1.6MB]でご確認いただけます。
座席の様子の写真はこちらから。
【全席指定】 | 会員3,600円 一般4,000円 高校生以下2,000円 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【演目・出演】 | ─────────────────────── 解説 野村 萬斎 ─────────────────────── 蚊相撲 大名 茂山千五郎 太郎冠者 茂山正邦 蚊の精 松本薫 ─────────────────────── 小舞 田植 野村萬斎 地謡 岡聡史、月崎晴夫、 深田博治、高野和憲、 中村修一 ─────────────────────── ──休憩二十分── ─────────────────────── 泣尼 僧 野村万作 施主 野村万之介 尼 石田幸雄 ─────────────────────── |
野村万作師より 本公演によせるメッセージ
三鷹での狂言の会も16年になります。継続して公演出来ることは、演者にとっては多角的にいろいろな作品を観て頂ける喜びがあります。また観客も次第に見巧者になるわけで、深い所まで鑑賞して頂けるかと思います。今回の演目選定も対象的な二番と、その間に狂言小舞の「田植」を組み、狂言の舞歌の特質を観て頂こうと考えました。最後までごゆっくりお楽しみください。
野村万作
野村万之介
野村萬斎
茂山千五郎
茂山正邦
蚊相撲(かずもう)
大名の命令で新しい召使を探しに出掛けた太郎冠者が連れ帰ったのは、人の血を吸うために人間の姿になった江州守山の蚊の精でした。新しい召使は相撲が得意と聞いた大名が自身で相手をすると、蚊に刺されて目を回してしまいます。蚊の正体に気づいた大名は、勝つためにあるものを持ち出すのですが...。
人間である大名と蚊の精が相撲をとるという、何とも奇想天外な作品です。大らかな大名と、蚊の特徴がデフォルメされた蚊の精の動きにご注目ください。
小舞 田植(たうえ)
本来この演目は能「賀茂」の替間「御田」といい、能と能の間に演じられる間狂言ですが、「田植」という名の本狂言として独立して演じられることもあります。狂言小舞の中でも比較的長く見どころ聞きどころの多い曲です。五穀豊穣・子孫繁栄を祈る賀茂明神の御田植の神事で、舞手演じる神主と早乙女たちが掛け合いで田植歌を謡います。各地に伝わる田植歌と共通する要素が多いと言われる、神主と早乙女の艶な応酬をお楽しみください。
泣尼(なきあま)
親の追善のために堂を建立し、僧に説法を頼みに来た田舎者。僧は説法が苦手でしたが、高額な布施につられて引き受けてしまいます。下手な説法を引き立たせようと、いつも泣き役として雇っている涙もろい尼を連れて行きますが、肝心な時に尼が居眠りを始め...。
説法の場面では客席も聴衆に見立てられる形になりますので、ぜひ皆さんも参加したつもりになってご覧ください。僧と尼の有り様に、狂言の鋭い風刺的な視点が感じられる曲です。