トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズのコンサートミストレスが贈る名曲コンサート。
瑞々しく躍動感にあふれる音色を味わう1時間。
江口有香(ヴァイオリン)
佐藤勝重(ピアノ)
[チケット発売日] 会員8/31(火) 一般9/2(木)
2010年11月18日(木) 11:30開演(12:30終演)
【全席指定】 | 会員1,000円 一般1,500円 |
500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
|
【出 演】 | 江口有香(ヴァイオリン) 佐藤勝重(ピアノ) |
【曲 目】 | マスネー / タイスの瞑想曲 ヘンデル / ヴァイオリン ソナタ ショーソン / ポエム ラヴェル / ツィガーヌ 日本の歌 ほか |
平日お昼に手ごろな価格で気軽にお聴きいただける「ランチライム・コンサート」。
第9回目は風のホールではお馴染みの「沼尻竜典&トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ」のコンサートミストレス、江口有香が登場します。
江口さんは高校在学中に日本音楽コンクールで第1位に輝き、早くから才能を開花させ、その後渡米。インディアナ州立大学で学び、海外のコンクールでも活躍しました。
2007年11月より日本フィルハーモニー交響楽団設立以来、初めての女性コンサートマスターに就任し、現在も国内オーケストラのゲストコンサートミストレスやソロ活動など幅広く活動するまさに注目のヴァイオリン奏者です。
また、後進の指導に力を注ぎ、「みたかジュニア・オーケストラ」の指導にもあたっており、丁寧な言葉と体を使った表現で分かりやすく時には厳しく指導する彼女は、子ども達からの信頼も厚く人気の高い先生です。
今回のコンサートでは、優雅で甘美な「タイスの瞑想曲」、エネルギッシュかつ躍動感あふれる「ツィガーヌ」などヴァイオリンの名曲を堪能できるプログラムとなっています。オーケストラでの演奏とはまた違った江口さんの表情豊かな音色で、ソロ・ヴァイオリンのもつ多彩な魅力を味わってみませんか?
ランチタイム・コンサートの後には、レストランでゆったりとお食事はいかがでしょうか?
Interview ヴァイオリニスト 江口有香
TMPでは刺激をたくさんもらっています。
でも、今回はオーケストラとは違ったヴァイオリンの魅力を──
沼尻竜典率いるトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ並びに日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターであり、みたかジュニア・オーケストラのトレーナーとしても指導にあたっているヴァイオリニストの江口有香さん。
ランチタイム・コンサートへの出演を前にお話を伺いました。
──3歳からヴァイオリンを始め、桐朋女子高等学校在学中から既にコンクールでの入賞歴をお持ちの江口さんですが、ヴァイオリンとの出会いはどのような形でしたか?
3歳の時の記憶ってないんですよ…なので、母から聞いた話なんですが…。3歳の時にちょうど弟が生まれて、親の注目がすべて弟の方に行ったんです。そうしたら、多分、やきもちを焼いて弟をつねったり意地悪したりしたらしいです。それで「おもちゃ代わりに何かを手に持たせないと」ということで、何かやりたいことを聞いたら、ちょうどその時に教育テレビか何かでやっていたヴァイオリンのお稽古を見て「あれ、やりたい」と言ったそうなんです。もしかしたら、途中で投げ出さないように、親が後で作った話かもしれませんけどね…(笑)。その弟は今、東京都交響楽団でチェロをやっています。
──日本フィルハーモニー交響楽団では、初の女性コンサートマスター(女性の場合ミストレス)とのことです。コンサートマスターはどのように選ばれるのですか?
最初にゲスト・コンサートマスターとして呼ばれて 、その後、楽団内部の投票で決まるんです。呼ばれて行ったときにはまさか、そのような目で見られているとは思っていなかったのですが…(笑)。
──重責だと思いますが、どのような役割があるのでしょうか?
簡単に言うとオーケストラの団員と指揮者の間の架け橋ということだと思います。様々な瞬間に役割があってひと言では難しいですが、何か問題があった時に決断をしなくてはいけない立場でもありますね。また、オーケストラは人間の集まりなので、基本的に皆さんが一緒の方向に行こうとするのは難しいことです。それは音楽的なことも人間的なことも含めて。それをなるべく角が立たないように空気を丸くするとかまとめるという役目も含まれるかな、と思います。
──日本フィルとトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズではどんな違いがありますか?
日本フィルは伝統があって規模も大きいんですよね。なので、変えることが出来ないことも多く、その環境の中でいい音楽を作っていくということが求められていると思います。一方、TMPは自分より少し先輩の方達が多いんですが、若い人たちが中心で勢いがあって「俺達がやる」「音楽を発信していく」という機運が強くてすごく刺激的です。そういう意味では二つのオケは、私にとっては全然違いますね。
──今回のコンサートの選曲のポイントは?
今回ピアノを演奏される佐藤さんがフランスで勉強された方で、私がアメリカ留学時代についていた師匠もフランコ・ベルギー派(フランス系の奏法)の先生だったので、2人の接点であるフランスの作曲家から、マスネー、ショーソン、ラヴェルを選んでみました。
──耳なじみのある曲も多いですね。
マスネーの「タイスの瞑想曲」はどなたもきっと聴いたことのあるとても有名な曲で、流れるような甘美な旋律がとても美しい曲です。ショーソンはポピュラーな作品ではないですが、とてもいい曲なのできっと聴きやすいと思います。ヘンデルのソナタはもともとチェンバロとヴァイオリン用の曲ですが、それをピアノとヴァイオリンで演奏します。ラヴェルの「ツィガーヌ」は“ジプシー”という意味ですが、エネルギッシュでヴァイオリンの技巧が存分につめ込まれた名曲です。
また今回、「赤とんぼ」「七つの子」といった日本の歌もプログラムに入れました。最近は日本の唱歌が教科書に載らなくなっているので、私は歌えない代わりに「弾き継いで」いきたいな、と思いまして…。
──江口さんご自身、小学生のお母様であるとお聞きしました。今回はお昼のコンサートで、託児サービスもありますので、夜は外出しづらい子育て中の方達にも来ていただきたいですね。
そうですね。私も10歳の子どもの親なんですが、今の時代は核家族化していて、子どもが小さい時はお母さんが開放される時間が少ないと思いますね。私自身、育児ノイローゼになりそうだと思ったくらいです(笑)。
離れたくても離れられないそんな時に、こういう場があると気が紛れると思います。ぜひ、同世代の方達にもお越しいただければと思います。