三鷹市山本有三記念館企画展
小説家・山本有三の時代
─「生きとし生けるもの」から「波」まで─
2010年6月5日(土)~2011年2月20日(日)
【開館時間】 | 9:30~17:00 |
【休館日】 | 月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、休日を除く翌日・翌々日が休館) |
【入館料】 | 一般300円/団体200円(20名以上) *中学生以下、障害者手帳をご持参の方とその介助をする方、 高校生以下の校外学習と引率教諭は無料。 |
応接間にて 1937年頃山本有三(1887-1974)は劇作家として出発し、大正後期に「生命の冠」「嬰児殺し」「坂崎出羽守」「同志の人々」などの力作を発表しました。劇作家としてゆるぎない地位を確立した有三は、友人菊池寛の強い勧めにより小説の世界へ進出します。
有三初の長編小説「生きとし生けるもの」は、1926(大正15)年9月から12月まで朝日新聞に連載されました。当時の風俗を取り入れつつ、貧富の種々相を対比的に描いたこの作品は好評を博し、第二作「波」も1928(昭和3)年7月から11月にかけて同紙に連載されました。我が子の出生の疑惑に苦悩しながら生きる小学校教師の物語は大きな話題を呼び、主人公の内面の発展を描いた教養小説として、有三の代表作の一つに数えられています。
庭園にて本展ではこれらの作品世界を、直筆原稿や映画資料などを通してご覧いただくと共に、小説家・山本有三の誕生や連載小説の執筆にまつわるエピソードをご紹介します。また、常設展示「有三の生涯」の展示替えを行う他、建物の歴史を辿る一室を設けます。有三が暮らしていた西洋館で、有三の作品世界と建物の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
『波』復刊
本展の開催にあわせて、山本有三の「波」を文庫本として復刊しました。
当館及び当財団の通販ストアにて販売しています。(定価680円)
「大調和」9月号(武者小路実篤編 春秋社 1927年9月)
◎常設展示「山本有三の生涯」リニューアル
企画展の開催に合わせて、常設展示「山本有三の生涯」の内容を一新しました。文学に親しんだ少年時代から、劇作家としての地位を確立するまでを重点的にご紹介しています。現在開催中の企画展「小説家・山本有三の時代」では、戯曲から小説の世界へと活躍の場を広げていった頃に焦点を当てており、常設展と企画展を続けてご覧いただくことで有三の前半生を辿ることができます。