はるか昔より親しまれてきた名作「熊野(ゆや)」。
自然の美しさと母を祈る心が優雅な謡と舞で表現され、ゆるやかに交錯するさまが見どころです。
まだ浅い春を味わいながら、能の面白さに触れられる絶好の機会です。
撮影:前島吉裕
(芸術文化振興基金助成事業)
[チケット発売日] 会員11/10(火) 一般11/17(火)
2010年 3月13日(土) 15:00開演
【全席指定】 | 会員3,150円 一般3,500円 大学生1,000円 高校生以下無料 *学生の方は当日学生証拝見 *未就学児は入場できません |
※ | 10時からの三鷹市能楽会による番組も弥生能のチケットでご覧いただけます |
【演目・出演】 | 解説 片桐登(元法政大学教授) |
仕舞 | 「屋島」 関根知孝 「船弁慶」 寺井 栄 「碇潜」 山階彌右衛門 |
狂言 | 「蝸牛」 野村万蔵 |
能 | 「熊野(ゆや)─村雨留(むらさめどめ)─」シテ 観世芳伸 |
【熊野】あらすじ
ある日、平宗盛(ワキ)が寵愛する熊野(シテ)の元に故郷の老母の病が伝えられ、熊野は宗盛に暇を乞いますが、宗盛はそれを許さず、かえって熊野の心を引き立てようと花見の供を命じます。都大路の春景色にひきかえ熊野の心は悲しく沈み、清水に着くとまず観世音に母の無事を祈るのでした。
やがて、酒宴が始まり熊野は舞を舞うのですが、折からの村雨に桜の花が散るのを見て母を案じる歌を詠み、それを読んだ宗盛はついに熊野の帰郷を許します。熊野はこれも観世音のおかげと喜び、故郷へと急ぐのでした。