平日の昼間の1時間。木のぬくもりのあるホールで、やさしい音色に身をゆだねてみませんか?
[チケット発売日] 会員9/2(水) 一般9/4(金)
2009年11月13日(金) 11:30開演 (終演12:30)
【全席指定】 | 会員=1,000円 一般=1,500円 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 *レストラン・ポワローでのランチタイム・コンサート特別ランチ(限定30食・1,300円)を ご予約の方は14:00まで託児サービスを延長いたします。 *終演後、本公演のチケット半券のご提示で、市内のレストラン4店舗にて優待が受けられます。 |
【出 演】 | 菅原 淳(マリンバ)、森 浩司(ピアノ) |
【曲 目】 | モンティ / チャルダッシュ アイルランド民謡 / ロンドンデリーの歌 リード / マリンバ・コンチェルティーノ ほか |
ランチタイム・コンサートの第6弾は、日本のパーカッショニストの重鎮、菅原淳が登場します。
菅原淳は幼い頃よりマリンバに親しみ、東京藝術大学在学中に読売日本交響楽団へ入団。その後38年間に渡り、首席ティンパニ奏者およびソリストとして第一線で活躍しました。2007年に退団した後は、本格的にソロ活動を開始するとともに、超絶技巧の打楽器集団"パーカッション・ミュージアム"を結成し、自ら編曲も手掛けるなど、常に打楽器の新しい可能性を求めて精力的な活動を繰り広げています。
今回はお馴染みの名曲や民謡を中心にしたプログラムをお贈りします。マリンバのあたたかく優しい響きにのせて、その曲にまつわる自らの思い出話も交えながらの楽しいコンサートです。風のホールでくつろぎのひとときをお過ごしください。
Interview 菅原 淳(すがはらあつし)インタビュー
オーケストラひと筋38年
読売日本交響楽団首席ティンパニ奏者として常に第一線で活躍を続けてきた日本のパーカッショニストの重鎮
菅原さんが新たに目指すものとは…
──菅原さんは2007年まで読売日本交響楽団で、首席ティンパニ奏者として、長きに渡りご活躍をされました
まさにパーカッションの大ベテランでいらっしゃいますね。
(笑い)そうですね。これだけ長い期間、同じオーケストラにいたというのはおもしろかったし、非常に勉強になりました。でも入団した初期の頃は、マリンバやシロフォン(木琴)(*1) など鍵盤打楽器をやっていて、実はティンパニは嫌いだったんです…。
──え!? そうなんですか?
でも、29歳のときチェリビダッケ(*2) という大指揮者に、全曲ティンパニが重要な役どころを担うプログラムをやらせてもらってから「ティンパニってこんなに面白いものなのか」ということに目覚め、それからどんどんのめり込んでいきました。オーケストラではその後も魅力的な曲の数々を演奏する機会に恵まれ、ティンパニ奏者として本当に幸せなオーケストラ人生でした。
──1996年からは、超絶技巧の打楽器集団“パーカッション・ミュージアム”
を自ら結成されて、新たな活動を展開されていますね。
マリンバなどの色々な打楽器でオーケストラをやってみたいという夢があったんです。もちろん、楽譜がないので、採りあげる曲は全て自分で編曲して…。
──今回のコンサートの主役、マリンバについて教えていただけますか?
叩いて音をだす楽器「打楽器」の仲間には、ティンパニは皮、シンバルは金属、マリンバは木というように材質も色々あります。マリンバには音階があり、私のこの楽器は4オクターブあります。材料となる木はローズウッドという中南米原産の非常に硬い木です。音板を叩くと下に取り付けられている金属の共鳴パイプが音を響かせるようにできています。マリンバはもともとアフリカの民族楽器で、音板の下にひょうたんが取り付けられているものもあるんですよ。
──音板をたたくこの棒も、色々な種類があって毛糸玉のようでかわいいですね。
マレットといいまして、それぞれ材質や硬さが違うんです。演奏する曲や演奏会場の響き具合などによって、そのときに最適なものを選んで使います。
──学校の音楽室で木琴を叩いた経験は皆さんお持ちだと思いますが、
菅原さんがマリンバを始められたきっかけは?
僕も始めは木琴でした。7歳のとき、担任の先生が音楽専攻でマリンバを弾いていらしたんです。その先生にマリンバを勧められて始めたのがきっかけでした。なぜか、僕が音楽好きに見えたんだそうです。それで習い始めることになったのですがその頃はまだ背も小さかったので、台に乗って弾いていましたね。
──今回のコンサートのタイトル“おもいでコンサート”に込められたのはどのような思いでしょうか?
マリンバを始めたちょうどその頃、当時アメリカのテレビ局NBCで活躍していた木琴奏者、平岡養一さん(*3) の番組がラジオでも毎朝放送されていました。その頃耳にして、自分でも弾いていた曲というのは今でも懐かしく、身体に沁みついています。そんな思い出の詰まった『ハンガリア舞曲第5番』、『ロンドンデリーの歌』や『剣の舞』といった皆さんも耳なじみの曲の数々や、『マリンバ・コンチェルティーノ』といったマリンバのために作られた新しい曲なども演りたいと思います。
──菅原さんの7歳のときから始まったマリンバとの素敵な思い出を、
お客さまも共有できるようなコンサートになりそうですね。
菅原さんにとってマリンバの魅力とは?
その温かな人を包み込む音色が、演奏している人を元気にさせてくれる、また演奏を聴いてくださっている人も元気になったなという反応が楽しめる。そんな楽器です。私はもちろんのこと、皆さんが元気になるように演奏したいですね!
*1)シロフォン(木琴)はマリンバよりも小型で音域が高く、ヨーロッパに起源をもつのに対し、マリンバはアフリカに起源をもち、低音のあたたかみのある音色を特徴とする。
*2)チェリビダッケ(1912–1996)20世紀最後の巨匠といわれるルーマニア出身の指揮者。1977年と78年に読売日本交響楽団に客演。菅原さんが“ティンパニに開眼”した第140回定期演奏会(1978)のプログラムは、モーツァルト交響曲第41番『ジュピター』、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』から前奏曲と「愛の死」、レスピーギ『ローマの松』。
*3)平岡養一(1907–1981)日本のシロフォン(木琴)奏者の第一人者。独学で木琴を学び、1930年に渡米。NBCの朝の15分番組出演が好評を博し11年半もの間出演。「アメリカ全土の少年少女は、ヨーイチ・ヒラオカの木琴で目を覚ます」と言われた。