演劇担当が劇場に足を運んで選び抜いた、日本の演劇界の将来を担うであろう、将来性ある若手劇団をシリーズでご紹介するネクストセレクション。
10年目の今年は、4劇団を選びました。もしかしたら、名前を聞いたことがない劇団や役者ばかりかもしれませんが、どの劇団も可能性という名の原石を内に秘めています。ぜひ一度、それぞれの個性をご覧になってください。お客さまが、お気に入りの劇団や気になる役者さんに出会うことができて、やがてその劇団や役者さんが有名になっていったり…
そんな楽しみも、お届けしたいと願っています。
[チケット発売日] 会員7/28(火) 一般7/30(木)
2009年 9月11日(金)〜20日(日) 全11公演
【全席自由】 | 各回 会員: 前売=2,200円 当日=2,700円 一般: 前売=2,500円 当日=3,000円 前売当日とも 高校生以下1,000円 |
* | 未就学児は入場できません。 |
【作・演出】 | 早船 聡 |
【出 演】 | 伊藤 総、佐藤銀平、佐野陽一、富沢たかし、 石村みか、高畑こと美、冠野智美 ほか |
【サイト情報】 | サスペンデッズ ウェブサイト:http://www.suspendeds.net/ |
何気ない日常を淡々と描いているかに見せながら、人間関係の奥深くを丁寧に炙り出していくサスペンデッズ。新国立劇場製作の舞台の作・演出家として抜擢されるなど評価も高い、早船聡の描く良質な大人の会話劇にご期待ください。
第7回公演『夜と森のミュンヒハウゼン』
何気ない日常の中から、人間関係の奥深くを丁寧に炙り出していく。
私はスーツケースの中のあの人と夜を待っていた。夜になって、森へ行くのを待っていた。森の中を彷徨ううち、時間が少し巻き戻るかも知れない。そしてあの人が目を覚ますかも知れない。目を覚まして、何事も無かったように優しく微笑むかも知れない。あるいはスーツケースの中身は実は私で、そのことに気づいた時には、もう既に地中深く、まるで生まれる前のような静かな眠りに戻ることが出来るかも知れない。
森の深い闇は時間を止め、あらゆる物事の輪郭をなくすと言う。私達は闇に染みだして境をなくすことが出来るだろう。私は夜の森を、最後の希望のように、ただ一心に思っていた。
劇団 サスペンデッズ
円・演劇研究所同期の早船聡、伊藤総、佐藤銀平、佐野陽一により、平成17年9月に結成。早船の現代社会を日常レベルから鋭く描く脚本、はやりの現代口語演劇にとらわれない普遍的かつ斬新な演出、エンターテインメントとリアリズムを行き交う演技をモットーに公演を行ってきた。平成20年には新国立劇場で行われたシリーズ・同時代Vol.1に「鳥瞰図」を書き下ろす。本年1月シアタートラムネクスト・ジェネレーションに選ばれ上演。