[チケット発売日] 会員4/16(木) 一般4/23(木)
2009年 8月8日(土) 14:00開演
【全席指定】 | 会員=2,000円 一般=2,500円 シニア(60歳以上)=2,000円 子ども(4歳〜中学生)=1,000円 シニアと子どものペア割引=2,700円 |
* | 当日は、学生証または免許証など年齢が確認できるものをご持参ください。 |
* | 危険防止のため、小学生以下のお子様は、2階正面席最前列ならびにバルコニー席はご遠慮ください。 |
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500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
【ピアノ】 | 秋山玉美 |
【曲 目】 | 静かな日、おやすみ(作詞:三木露風 / 作曲:中田喜直) 夏の思い出(作詞:江間章子 / 作曲:中田喜直) 小さい秋みつけた、夕方のおかあさん (作詞:サトウハチロー / 作曲:中田喜直) 赤とんぼ、夕焼け雲(作詞:三木露風 / 作曲:山田耕作) 浜辺の歌、しゃぼん玉、この道、四季の歌 ほか |
伸びやかで春風のような歌声に作品への愛情溢れるお話を交え、こころ温まるコンサートがご好評いただいた稲村なおこのコンサートシリーズの第2弾。
三鷹市は「夏の思い出」「ちいさい秋みつけた」などの名曲を残した中田喜直に縁のある街でもあります。2010年に氏の没後10年を迎えるにあたり、中田喜直メロディの数々をご紹介します。また、前回に引き続き"三鷹で暮らした詩人"三木露風の詩による曲、時代や世代を超えて愛されている曲も特集してお届けします。
関連プログラム【歌の交流会】稲村さんと一緒にステージで歌いましょう!
7月31日(金) 14:00〜15:30 会場:風のホール
Interview 稲村なおこインタビュー
日本語の響き、そのこころを大切に伝えていくことが、私たち歌い手の役目だと思っています。
──大学では音楽教育を専攻され、歌手活動の出発点はNHKの歌のおねえさんでしたね。
学生時代は中学校の音楽の先生になりたいと思っていました。でも、教員採用試験に落ちてしまって… もう一度挑戦! と思っていた矢先に、NHKの「ワンツー・どん」の「歌のおねえさん」の募集を見つけた友人が、「子ども好きななおちゃんにぴったり!」と薦めてくれたんです。テレビの世界に憧れはあったものの、特別な世界と思っていたので、自信はありませんでしたが、思い切ってオーディションを受けてみました。見事合格! にびっくり。幼稚園時代、童謡のレコードを擦り切れるほど聴いていた環境が、歌い手としての原点になっています。
──結婚、出産を経て、NHKのお仕事が終わられた後も、公演活動を休まず続けてこられた稲村さん。中田喜直さんとの出会いはその後に大きな影響があったとのことです。
1988年に、あるパーティで初めてお会いした時は夢のようでした。その後、喜直先生が講演会をされる時に、お伴して歌わせて頂いたりして交流が始まりました。
光栄にも、1998年に日本童謡賞特別賞をいただいたのですが、その少し前から、私は歌い手としての限界を感じるようになっていました。それまで私にとっての歌は、ピアノ、歌、リトミックなど一通り勉強してきた中のひとつだったんです。レパートリーの幅を広げるとなると、真の意味での力をつけなければと焦り、少し仕事をお休みして勉強の時間を作りたいなと。連日コンサートという時代でしたから。そこで日本童謡協会の事務局へお話に行ったところ、その夜、喜直先生からお電話をいただきました。私の話に驚かれた先生は、「あなたは正直な人ですね。でも皆、悩みながら、やりながら解決していくんですよ。あなたの歌が好きだからやめないで。」と言ってくださって…大先生から初めていただいたお電話。ありがたくて泣けてしまいました。
その後、発声に重点を置いて、腹式呼吸を最初からやり直しました。仕事はお休みせずひたすら練習。本番のステージでひとつひとつ解決して行きました。やりながら… そうアドバイスしてくだった喜直先生には、感謝してもしきれません。
──昨秋、歌のサークル“なおちビレッジ”を立ち上げられましたね。
コンサートで各地に伺う中で、ある時ふっと寂しくなりました。歌の仲間が欲しいな、と思い、会を作りました。赤ちゃんを連れた若いママさんから、70代のおじいちゃんまで。皆さんのお好きな歌を3世代で歌っています。歌を通してみんなで子育て。おばあちゃんの知恵袋なども借りながら人生を共にできたら、という夢を持っています。
そして、舞台で歌うチャンスもあります。ちょっとお洒落な気分で舞台に立つということは、生活のアクセントになり、生き生きとした自分に出会えますよね。現在60名ほどの方が参加してくださっています。
──「日本の歌を歌い継いでいきたい」とのお気持ちで今回のシリーズのタイトルをつけていただきました。
私も含め、日常生活では言葉の省略化が多いですよね。辞書も、時代によって変化し続けています。世界の言語の中で、日本語ほど美しい響きの言葉はないと言われています。
日本の言葉のこころを大切にしていくことが、私たち歌い手の役目だと思っています。「歌い手は半分詩人でいてください。」という喜直先生の教えが、今、生きています。
ポエムを書いたり、詩を朗読する機会が増えたことで、詩のこころ、背景、歴史なども感じながら、自分の言葉で伝え、歌う。そんなスタイルが少しずつですが、できるようになってきました。
20年応援してくださっている方から「『上手な歌い手さんはたくさんいる』でも『こころが温かくなる、楽しいコンサートができる人はそうはいない。なおこさんのステージングはいいよ。』」と言っていただいたことがあって。
いつも、ひとつの空間をお客様と共有できるコンサートを心がけています。会場にいらしたおばあちゃんが口ずさんでいる姿をお孫さんが見て、「おばあちゃんていい声!」そんな新しい発見が、家族の新しい会話、話題につながってくれたら… こんなにうれしいことはありませんね。