野村家、茂山家。東西相並び立つ、狂言家の魅力をたっぷりと。
[チケット発売日] 会員11/21(金) 一般11/28(金)
予約1回2枚まで(※)
2009年 2月22日(日) 14:00開演
【全席指定】 | 会員3,600円 一般4,000円 |
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500円、対象:1歳〜未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで) *未就学児は入場できません。 |
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関東の野村家、関西の茂山家の共演で、毎年人気の東西狂言の会。
今年は2年ぶりに茂山千作師をお迎えし、東西の人間国宝による至芸を
お楽しみいただきます。野村萬斎による上演前の解説もございます。
【鬼瓦】
長らく在京していた大名が、無事訴訟も叶い帰国することになる。これも日頃信仰している因幡薬師の御蔭と、お礼と暇乞いのため太郎冠者を連れ参詣に出向く。お参りを済ませた二人がお堂の様子を見て回るうち、ふと見上げた屋根の鬼瓦が目に留まる。すると大名は急に泣き出してしまい…。
大名や太郎冠者とともに、お寺を見て歩いているような気分で御覧下されば幸いです。ほのぼのとしたユーモアのある、味わい深い狂言です。
【隠狸】
主人に隠れて狸を取っている太郎冠者。噂を聞いた主人に狸を捕って来るよう頼まれるが、狸など捕ったことはないとシラを切る。主人は太郎冠者に、既に狸汁を振舞おうと客を招いているので、狸を市場で買ってくるよう命じる。実は昨夜も大狸を捕まえていた太郎冠者は、主人に黙って売ってしまおうと市場へ行くが、様子を見にきた主人と出くわしてしまう。太郎冠者は狸を隠して必死に取り繕うのだが、主人に酒を勧められ、調子に乗るうち…。
主人と太郎冠者の絶妙な駆け引きが笑いを誘います。酒宴の場面に登場する狂言小舞「兎」「花の袖」「鵜飼」も見どころとなっています。
【仁王】
博奕で負けつづけの博奕打が、財産も尽きてしまったので知人に相談すると、博奕打を仁王の格好に扮装させ、仁王が天下ったと触れ回って信心深い人々から供え物を騙し取ろうと提案する。早速仁王の相を作って待っていたところ、期待通り参詣人が次から次へとやってきて、さまざまな願い事をかけては供え物を置いていく。味をしめた博奕打はそのまま次の参詣人を待っていると…。
大勢の参詣人が舞台上で集い、中世の活気がそのまま味わえる楽しい作品です。参詣人ひとりひとりの願い事と共に、そっと心の中でお願い事をされてみてはいかがでしょうか。
≪演者プロフィール≫
◎茂山千作
一九一九年生。十一世茂山千五郎の長男として生まれる。芸術祭奨励賞・同大賞・芸術選奨文部大臣賞・紫綬褒章・法政大学観世寿夫賞・京都府特別賞文化功労賞・勲四等旭日小綬章などを受賞。平成元年重要無形文化財各個指定(人間国宝)に認定、平成三年日本芸術院会員の認定を受けた。九四年千五郎の隠居名である千作を襲名、四世千作となる。二〇〇〇年には、狂言師として史上初めての文化功労者となる。
◎茂山千三郎
一九六四年生。十二世茂山千五郎の三男として生まれる。祖父故千作及び父千五郎に師事。花形狂言会で活動してきた経験を活かし、正邦、茂、宗彦、逸平、童司と共に、「心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=通称 TOPPA!」を主宰。二〇〇四年「京都市芸術新人賞」受賞。
◎野村万作
一九三一年生。故六世野村万蔵の次男。祖父故初世野村萬斎及び父に師事。
重要無形文化財総合指定者。三歳で初舞台。芸術祭大賞、紀伊国屋演劇賞、日本芸術院賞、紫綬褒章、坪内逍遙大賞など多くの受賞歴を持つ。国内外で狂言普及に貢献し、ワシントン大学やハワイ大学などで客員教授を務める。
◎野村万之介
一九三九年生。故六世野村万蔵の五男。父に師事。重要無形文化財総合指定者。五歳の時に『鉢叩』で初舞台。「万之介狂言の会」主宰。芸術選奨文部大臣新人賞受賞。亡父の洒脱さを継承した芸には定評がある。
◎野村萬斎
一九六六年生。野村万作の長男。祖父故六世野村万蔵及び父に師事。重要無形文化財総合指定者。三歳で初舞台。「狂言ござる乃座」主宰。国の内外での狂言公演に参加する一方、現代劇や映画に主演するなど幅広く活躍。芸術祭新人賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、朝日舞台芸術賞等を受賞。世田谷パブリックシアター芸術監督。