今年4月に演劇界の最高峰「岸田國士戯曲賞」を受賞し、昨年は小説が「芥川賞」にノミネートされるなど、活躍が目覚しい若手のホープ、前田司郎率いる五反田団の新作公演!
三鷹のホールがどのような前田ワールドに染まるのか、乞うご期待!
[チケット発売日] 会員1/7(水) 一般1/9(金)
2009年 2月6日(金)〜15日(日) 全12公演
【全席自由】 整理番号付き |
会員2,200円 一般2,500円 高校生以下1,000円 *公演当日の開場時に、整理番号順にてご入場となります。 |
*受付開始は開演の1時間前・開場は30分前 *未就学児の入場は原則として不可 |
|
【作・演出】 | 前田司郎(2008年 第52回岸田國士戯曲賞受賞作家) |
【出 演】 | 大山雄史/奥田洋平(青年団)/折原アキラ/川隅奈保子(青年団)/菊地明香/ 後藤飛鳥/齊藤庸介(東京ELECTROCK STAIRS)/立蔵葉子(青年団)/ 中川幸子/西田麻耶/三浦俊輔/望月志津子/前田司郎 |
【五反田団】
1997年旗揚げ。これまで35回の定期公演および京都などでの特別公演を実施。
"だらだらとした"日常を過ごす人々を力みなく描く独特の劇空間が話題を呼び、特に20〜30代の演劇ファンから絶大な支持を受ける。
一見だらだらとした会話やなにげない表情が、時に雄弁に奥深く人間の本質を鷲掴みにする迫力を見せ、一瞬たりとも目の離せない独特の緊張感溢れる舞台を作り上げる。
公式サイト:http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
特設ブログ:http://orenoucyuusen.jugem.jp/
【タイムテーブル】
【前田司郎さんからのメッセージ】
前田と申します。まだ何も考えていませんが、星のホールの名に負けないスケールの大きなお芝居になればと思っていますが、多分なりません。
いったいどんな作品になるのでしょうか?
今思いついたのは、何か馬のような動物で荒野を駆け回るようなシーンがあったら良いなあと思いました。よろしくお願いします。
【前田司郎プロフィール】
前田司郎さん1977年五反田に生まれ、31歳。
五反田団を主宰し、脚本、演出を務める。
2004年「家が遠い」で京都芸術センター舞台芸術賞を受賞。
2005年から3年連続でその作品が演劇界の最高峰、岸田國士戯曲賞候補となり、ついに2008年4月「生きてるものはいないのか」で第52回岸田國士戯曲賞を受賞する。
また小説家としても2005年に野間文芸新人賞候補、2006年に野間文芸新人賞候補・三島由紀夫賞候補、2007年には「グレート生活アドベンチャー」で第137回芥川賞候補となるなど、今最も活躍が期待される若手作家である。
著書:「愛でもない青春でもない旅立たない」「恋愛の解体と北区の滅亡」「誰かが手を、握っている気がしてならない」(講談社)「グレート生活アドベンチャー」(新潮社)
Interview 劇団「五反田団」 前田司郎
2008年 第52回 岸田國士戯曲賞受賞作家『俺の宇宙船、』 作・演出 劇団「五反田団」前田司郎さん
新人劇作家の登竜門で「演劇界の芥川賞」とも称される、岸田國士戯曲賞を、3年連続のノミネートを経て2008年4月に受賞。小説家としても2007年には芥川賞候補となるなど活躍が期待されている、若手作家の前田司郎さんにお話を伺いました。
──小さい頃から小説家になりたかったそうですね?
ええ、小学校の4年生のときに「物語を作ろう」という国語の授業があって、原稿用紙8枚の小説を書いたんですけど、その体験がきっかけになって… 何か作ることを仕事にしたいな、とは思っていたんですが、その辺りから具体的に作家になりたいと思うようになりました。
──戯曲との出会いは?
中学3年生の時に、小劇場の存在を知って、渋谷の「ジャンジャン」に観にいったのが最初です。高校に入ると、並行して芝居の専門学校に行き始めました。脚本もその頃から書き始めて大学2年のときに五反田団を作り現在に至っています。
──昨年4月には岸田戯曲賞の受賞、おめでとうございます。
ほっとしました。 でも、賞をいただけることは嬉しいし意味があることだとは思うんですけど、賞というものに一喜一憂することはあまり意味がない、と思っています。一喜一憂しますけど。
──さて、今回のお芝居はどのような構想でいらっしゃいますか?
現在、うちの劇団の観客動員数は1,500人くらいなんです。例えば1,500人を呼ぶパーティで料理を出すことになったら、『白子』とか『ウニ』とか好き嫌いのある食材は出しにくくて、どうしても『カレー』とか『サンドイッチ』とか好き嫌いの少ない物を出したくなります。でも、これまで五反田団ではそれをしないようにしてきたんです。全員の口に合うようにすると平均点の芝居になってしまうし、僕自身が万人の口に合う芝居はあまり好きじゃないみたいで…。とにかく自分がおいしいと思うものを出すようにしてきました。でも、今回三鷹のホールでやらせていただくにあたっては、あえてみんなが食べやすくて、嫌いな人が少ないようなものを作ることを試してみたいな、と思っています。
舞台もこれまでは簡素なセットを心がけていたんですけど、今回はずっと一緒にやってみたかった美術の方にお願いしています。 それと、今まではカメラで言えばマクロレンズで撮ったような、対象をクローズアップにしたような作品が多かったのですが、今回はもう少し広角で撮ったような遠景の舞台にしてもいいかな、群像シーンがあったり、登場人物も多かったり、全体を俯瞰するような作品にしようかなと思っています。
──今回は舞台の設定が幼稚園だとお聞きしましたが?
まだ書いてないのでわからないです。ただ、夢を芝居にしたら面白いとずっと思っていて。いつもは夢を芝居にしようとしてきたんですけど今回は「過去」の記憶を芝居にしてみようかなと思っています。記憶って徐々にデフォルメされて、過去が現実から離れて行って「本当にこれ、実際にあったのかな?」と思うようなことがありますよね? 例えば2歳の頃起きた事を4歳の頃に思い出して、それをまた8歳の時に思い出して、さらに20歳で思い出したりしていくと、2歳では持ち得なかった思考を持ってその時に感じていたように錯覚したりする記憶の混濁が、夜見る「夢」と似ていて面白いと思うんです。あまりポップには聞こえないと思うけど、遠い記憶という題材をポップに表現したい、と思っています。まあポップってなんだよ、っていうのは置いといて、とにかく、なるべくみんなが食べやすい料理にするつもりです。初めての人にも食べやすいんじゃないかな… なんて言いながら、ぐるっと一回りして、すごくマニアックなものになっていたりするかもしれませんが(笑) まあご覧いただいて判断してみてください。
(インタビュー:2008年11月17日 五反田のアトリエヘリコプターにて)