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横山幸雄 ショパン・プロジェクト vol.3


© Wataru Nishida

[チケット発売日] 会員6/17(火) 一般6/24(火)

2008年12月16日(火) 19:15開演

【全席指定】 会員=3,500円 一般=4,000円 学生=2,000円
託児サービス 500円、対象:1歳〜未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*未就学児は入場できません。
【曲 目】 マズルカ op.24、12のエチュード op.25、ポロネーズ op.26
ノクターン op.27、マズルカ op.30、スケルツォ第2番 op.31 20 ほか

ピアニスト横山幸雄が、ショパン生誕200年ならびに自身のショパン国際コンクール入賞から20年目にあたる2010年をゴールに据えて"ピアノの詩人"ショパンの足跡をたどる連続企画の第3弾。

今回のプログラムである作品24から27、30、31の作品が書かれたのはショパンが20代半ばから後半にさしかかる青年期。メンデルスゾーンとの出逢い、作曲活動への専念、両親との最後の対面、マリア・ヴォジンスカへの求婚そして失恋、作家ジョルジュ・サンドとの出逢いなど、文字通りドラマティックな出来事の数々を経験した時代でもありました。「エオリアン・ハープ」「蝶々」「木枯らし」という呼称で親しまれるエチュードの数々や、風のホールで毎年恒例の、一般公募によるリレー演奏会「ショパンを弾こう」でも人気の高い、「スケルツォ第2番」ほかをお楽しみください。

Interview 横山幸雄(ピアニスト)

──2010年のご自身のデビュー20周年を目指して、ショパン・プロジェクトを始められたわけですが、このプロジェクトを始められたのはどうしてですか?
ショパンには有名な作品がたくさんありますが、主要な作品を演奏すると8回の公演で大体演奏しきれるんですね。他の音楽家ですと、僕は例えばベートーヴェンの全曲演奏に取り組みましたが、中には実験的な作品も含まれてきます。しかしショパンの作品は、どれもが素晴らしく完成されています。そういうショパンの作品を、ショパンの作曲活動期間である約20年間の変化を追いかけながら軌跡をたどってみたいと思ったんです。以前にもショパン全曲シリーズを年2回、7年かけて実施したことはありますが、その時はショパン8歳の時の習作なんかも含めていました。でも今回は中心的な作品に絞り込んで年代順に追ってやってみたいですね。
ショパンコンクールをきっかけにデビューしたこともありますので、ショパンが生きていた年代のうちにショパンをもう一度やってみたいと思っていました。

──今、横山さんは37歳ですね。ショパンはわずか39歳で亡くなったわけですが…ショパンの作品は年代によってどのように違っていますか?
そうですね。ショパンは幼いときから神童と言われていましたが、18、19歳頃に神童から天才的な芸術家に変身します。この頃すでにエチュードやピアノコンチェルトなど後世に残る名作を書き始めています。こういう若い時の作品は情熱的で、ロマンティックなエネルギーに溢れています。その後20代半ばで肺の病気が悪化してきて…。そういう中でジョルジュ・サンドとの出会いがあって一緒にマジョルカ島へ療養に行ったり、彼女の別荘で暮らした幸せな日があったりもしますが、それから徐々に生活面でも健康面でも暗い陰が見え始め、さらに自分の病状がかなり絶望的であることを悟って、それを受け入れていくことになります。そういう人生の流れが作品の中にも感じられますね。

──6月14日(土) の公演が迫っていますが、曲目をご紹介いただけますか?
「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」という曲がありますが、これはショパンがオーケストラと共に演奏する曲としては一番最後に書いた作品です。オーケストラは大きな会場で公演をするので、そういう場所で成功すれば音楽家として成功するという面があり、ショパンとしても自分が世の中で認められたいというエネルギーがあった時期でした。その後のショパンは本当に心を許せるごく少数の人のために、サロンなどの小さな空間で演奏するための曲を書くように変わっていきます。今回はこの曲をピアノソロで演奏します。ポロネーズとはポーランドの民族舞踊の様式から来ていますが、ショパンの代名詞みたいなもので、今回は華やかで力強い作品です。


インタビュアーはキャスターの原きよさん
──12月16日(火) の公演の発売も間もなくですが、こちらはどのようなプログラムですか?
この回のメインは作品25の「12のエチュード」ですね。これはショパンの技術の粋を集めたような曲です。ショパンは本人の意識しないところで革命的なことを起こしていると思うんですが、つまり、エチュードというのはそもそも指の訓練のための練習曲です。ピアノを習ったことのある人ならご存知の、ツェルニーのようにたくさんの練習曲がありますが、弾いていて面白い物ではないわけです。それを「指の技術を高めることと同時に音楽的にも素晴らしい作品が書けるんじゃないか」なんてどこまで意識していたかはわかりませんが、高い次元で技術と音楽性の結びついたこのような作品を作ってしまった。プロのピアニストにとっても極めて難しいので、連続して演奏されることはあまりないかもしれません。

──小さい頃に三鷹に住んでいらしたそうですね?
そうなんです。駅の南口近くに住んでいて三鷹市立第三小学校へ通っていました。今、駅周辺はきれいになって変わってしまった気がしますが、素晴らしいホールができたことは大変うれしいです。三鷹市芸術文化センターで取り組むショパンプロジェクトは、僕にとってとても重要なことです。
皆さんにも僕を通じて「ショパン」というものをじっくり感じていただければ嬉しいです。

(平成20年4月29日 インタビュー)

※このインタビューは武蔵野三鷹ケーブルテレビ『プレイガイドセレクション』(アナログ5ch、地デジ11ch)放映時間10:30、17:30、20:30(土日は10:30、20:30、23:00)にて6月6日まで放映中です。

三鷹市芸術文化センター
風のホール

〒181-0012
東京都三鷹市上連雀6-12-14
0422-47-5122 (チケットカウンター)
0422-47-9100 (施設受付・事務局)
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