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美術の歴史や教育にまったく縁の無かった人々が、ある時期から、猛烈なエネルギーで、おびただしい数の作品をつくることがあります。ビル・トレイラーは奴隷から解放されて。ハワード・フィンスターは神の啓示により。モーズ・トリバーは事故で歩けなくなってから。イネス・ウォーカーは刑務所にいれられてから。動機は様々ですが、彼らは、心の平衡をたもつかのように、自分の世界を独創的な材料で作品にします。ここでは、このような作家を「独学の作家」と呼ぶことにします。この種のアートをフォーク(民衆の)アート、プリミティブ(原始的な)アート、ナイーブ(素朴な)アート、アウトサイダー(枠外の)アートといった様々な用語で称しますが、それぞれに微妙な違いや重なりもあります。しかし、作品を見るうえでは学術用語はあまり意味を持ちません。言葉によってくくる前にぜひ作品と出会ってください。何にも縛られずに自己表現できる「独学の作家」は、最も幸せなパラダイスの住人なのかも知れません。さあ、心を解き放って彼らのパラダイスを見てみましょう。 本展は、アメリカの現役の彫刻家で大学教授のクローディア・デモンテ、エド・マックゴウィン夫妻によって集められた、アメリカ南部を中心とする独学の作家38人の計114点を紹介します。 |
![]() 『プロペラ機』 ボリス・シンプソン |
![]() 『パズルボックス』 レベランド・ハーマン・ヘイズ |
![]() 『風車』 ジェイムズ・ハロルド・ジェニングス |
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