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 ホームアーティスト・インタビュー
●家業の造り酒屋を「継いでもいいよ」と…
京都の洛南高校という男子校に通っていたのですが、気が小さいというか、表に出るタイプではなかったですね。その頃を知っている人は、僕が舞台に立つなんてことは考えられないと思います。高校2年の時に、文系に行くか理系に行くかの選択があって、自分としては漠然と「経済学部にでも行こうかな」と思っていたんですが、母が「実家を継ぐという選択肢もあるよ」と言ったので、「じゃあ、継いでもいいよ」と…。それで、酒造りに役立つ農学部を受験しました。一浪して一度は東京の大学へ進んだのですが、もう一度次の年受験し直して神戸大に進学しました。

●芝居との出会い
  神戸大へ入って、オリエンテーションを色々見ている時に、友達に「面白そうなことをやっている演劇サークルがあるから」と誘われて観に行ったのが最初でした。学生会館の普通の小さな教室に舞台と桟敷席を作って、学生達が自由に遊んでいるような様子を見て「こんな世界があるのか。これからこんな自由な学生生活ができるんだ」と思ったんですね。
  東京では1年間、それなりに友人もできてはいましたが、受験し直すことも頭にあって、自分を狭めていたんですね。その反動の開放感もあったと思います。その場で先輩に「入るか?」と誘われて「はい。入ります」と言ってしまいました。先輩の方が「そんなに急がなくてもいいんだよ」と言ったくらいです(笑)。
演劇サークルに入団し、2年生の時に、劇団「惑星ピスタチオ」の旗揚げに参加しました。僕は当時ネタで「演劇人と格闘家の二足のわらじを履いている」と言って『格闘家通信』なんていう劇団新聞を作って、僕がアンディ・フグと闘っている写真を掲載したりしてました。もちろん合成ですけど(笑)。

●役者の道を選ぶまで
  それまで中・高時代にクラブ活動もしてこなかった僕にとっては、劇団は初めてのサークル活動で、楽しかったですね。卒業して、酒造りの営業に役立つようにと広告代理店に就職したんですが、それでも芝居はやめませんでした。週末だけ公演に出たりしていました。でも、一緒にやってきたメンバー達が、だんだん他の劇団にも出るようになったりして活動の幅を広げていく中で、中途半端に続けるのがいやになり、もっとやりたいという思いだけで、仕事を辞めてしまいました。今思うと将来への展望もなく、家業を継ぐこともやめて、ひどいですよね。家族は「何考えてるの?」みたいな感じでしたよ。

●舞台の魅力
  舞台、テレビドラマ、どちらも好きです。比べられないですね。でも、舞台というのはそれにかける時間が違いますよね。1年や2年前から決まっていて、その度に乗り越えなければならないハードルが用意されていて。
  けいこ前から自分が何をしなければいけないかを考え、それに向かっていくという作業があるんです。お客様がチケットを買って劇場まで足を運んで下さるというのもテレビとの大きな違いです。けいこ中も、一度出来上がった物をつぶして、また作って、本番が始まってからも、今度はお客さんを前に毎日それをやって…テレビドラマでもその役を3ヶ月生きるのは同じですが、ドラマの場合、時間に制約があるので、現場に行って即正解を出さなければいけない。とてもシビアな仕事です。自分にとっての節目になる仕事が舞台の方が多かったことは確かです。

●二人芝居
  今回の二人芝居は、本当に楽しみですね。隆太(共演の佐藤隆太さん)のやんちゃな、朗らかな、素直な所と、僕の組み合わせで、きっと面白いことになるのでは、と思っています。蓬莱さん(※)の芝居、好きなんですよね。彼の芝居を観たとき、泣けたし、熱いところもあったし、笑えたし。「いいな、この芝居。この作品の世界観の中にいっぺん自分も入ってみたい」って思って、それで蓬莱さんへ脚本を書いてもらうように、僕からお願いしたんです。「Team申」という名前は、酒を飲みながら決めたんですが…。ま、僕が申年ですから。偶然隆太も一回り下の申年なんで…。共演者は変わるかとは思いますが、僕が楽しみながらやる企画につける名前、ということで今後使っていく予定です。

●今後の自分
  ひとつずつきっちりこなしていく、ということですね。そして勝っても負けても、必ず結果を出す。負けるなら負けるだけのことをして負けよう、中途半端に負けないでおこう、と思っています。

 ── ほとんど断定的な言葉は使わない、控えめな声で丁寧な(関西弁を交えた)敬語を使われる。役では目の力の強い俳優さんというイメージがあり、身長も180cmを越える長身なので、あまりにスレンダーで端正で精細な優しい雰囲気は少し意外だった。その中で最後に力を込めて言われた「必ず結果を出す」という言葉が、静かに燃える決意のように印象に残った。
(2005年2月28日インタビュー)

蓬莱竜太:舞台芸術学院卒業後、1999年同期生と「モダン・スイマーズ」を結成し脚本・演出を手がける。外部の公演の依頼も急増しており、正統な“物語派”劇作家として、 注目される若手劇作家。


佐々木蔵之介インタビュー
[チケット発売日]完売御礼
 2005年6月8日(水)〜15日(水)<全9公演>15:00/19:30 開演
 【全席指定】 前売 会員=3,600円 一般=4,000円
当日 会員=4,050円 一般=4,500円
500円、対象:1歳半〜未就学児、定員10名、要予約
下記タイムテーブル内の★マークの日のみ託児サービス
 【公演名】 Team申+三鷹市芸術文化センター プロデュース
佐々木蔵之介&佐藤隆太二人芝居「時には父のない子のように」
 【出 演】 佐々木蔵之介/佐藤隆太
 【作・演出】 蓬莱竜太(モダン・スイマーズ)
  6/8(水) 6/9(木) 6/10(金) 6/11(土) 6/12(日) 6/13(月) 6/14(火) 6/15(水)
15:00       休館
19:30    

「白い巨塔」や「Mの悲劇」などで冴え渡る演技をみせ舞台にTVに映画にと幅広く活躍する佐々木蔵之介と、「木更津キャッツアイ」でのマスター役が記憶に新しい、人気急上昇中の佐藤隆太による二人芝居が、東京では三鷹だけで実現!
作・演出には劇団モダン・スイマーズから若手のホープ蓬莱竜太を迎え、今年、最もフレッシュな舞台が幕をあけます。
STORY
   東京の片隅。古めかしいアパートに兄弟が住んでいる。兄弟の父親は売れっ子のコメディアン。2人は父を尊敬し幼い頃から漫才ごっこをして遊んでいた。やがて大きくなった2人は漫才コンビを組み、大阪から東京へやってきた。そして上京して6年。今、兄は33歳。弟は28歳。東京に来た頃はうまくいっていた。大きな会場に出演し、テレビやラジオにも。しかし上京して2年後に父が死んでしまってから、少しずつ仕事が減り始める。自分たちは親の七光りだったのか?本当の実力はないのか?
   その日も、兄はアパートで漫才のネタを書いていた。しかし弟は遊び歩いて帰ってくる気配はない。アパートの電話が鳴った。「今週の日曜日、デパートで漫才をしてくれ」ついにここまで来たかと兄は思った。舞台は、ここから始まる…。
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