2003年1月5日(日)〜2月11日(火・祝)
【観覧時間】 10:00-20:00(入館は19:30まで)
【休館日】 月曜日(1/13は開館)・1/14(火)
【観覧料】 一般500円・学生(中・高・大)300円
*65歳以上、小学生以下及び障害者手帳等をお持ちの方は無料
*20人以上の団体(一般)は2割引
【主 催】 財団法人 三鷹市芸術文化振興財団・三鷹市美術ギャラリー
【企画協力】 伝統文化フォーラム、佐藤芳彦記念山口能装束研究所
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装束:種類 タイトル 年代
1. 唐織 割付地に松帆船文様 胴箔地  
2. 厚板唐織 亀甲繋ぎ桜花文様 段替り 江戸時代
3. 厚板 井桁くずしに唐扇と羽団扇文様 紅地 江戸時代
4. 長絹 花篭青海波花枝散らし文様 花色地  
5. 長絹 薄に蝶文様 紫地  
能面:作者 タイトル 年代
6. 孫次郎 天下一友閉 江戸時代初期
「能」は今から約600年前、室町時代に確立され、現在では日本を代表する伝統芸能のひとつとして親しまれています。簡素な舞台や抑制された表現とは対照的に、その装束は様々な色彩と文様に彩られた華麗な世界をつくりあげています。
 能は時の権力者から庇護をうけ、江戸時代には武家の式楽としてゆるぎない地位を固めてゆきますが、能装束も同じく江戸時代中期に様式、技術の面で完成を迎えます。有力者の庇護のもとに、当時最高の染織技術を駆使して制作された装束は、現在でも全国各地に保存されています。しかし繊維という性質から、時を経てやがて失われてゆく運命にあります。
 滋賀県にある山口能装束研究所では、各地に伝わる能装束を調査研究し、そこに集積された知恵と技術の解明を経て復元に成功しています。技術革新が進む現在にあって、一般に「復元」という作業は比較的容易になったと思われがちですが、思考錯誤を繰り返しながら全行程が手作業で行われる過程は、むしろ時代と逆行している感さえあります。江戸時代の文献を手がかりに、膨大な時間と手間をかけて復元された衣裳は、当時の染織の技術や美しさをありのまま伝えるとともに、実際舞台の上で使用され高い評価を得ています。
 本展覧会では、江戸時代の装束と復元された装束、第一級の能面など約160点を展示するとともに、装束が復元されるまでの過程を併せてご紹介いたします。
 「現代のテクノロジーを駆使すると、美しいものからどんどん離れていく」という山口氏(山口能装束研究所所長)の言葉は、能装束の復元にとどまらず、美と人とのありようそのものにも通じています。

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