生誕百年 太宰治を『晩年』から振り返る
【太宰治文学サロン 展示コーナー】
2009年6月19日【太宰治文学サロン】文芸(Y.S.)
2009年6月9日(火)より展示リニューアル!
太宰治(本名津島修治)は、1930(昭和5)年、東京帝国大学仏文科に入学して上京します。ですが、大学へはほとんど通わず、非合法活動に関わり、長兄をはじめとする生家の人々の期待に反するような形で文学に熱中していきました。
1933(昭和8)年より太宰治の筆名を使うようになり、27歳の時に刊行する『晩年』(昭和11年)に収められる作品が発表され始めます。自ら「私はこの本一冊を創るためにのみ生まれた。」(「『晩年』に就いて」)と書くほど、力を入れた創作集でした。
津島修治が太宰治という作家になった時期が、『晩年』上梓前後であり、これら前期の作品から才能の開花があり、作家活動は本格的になっていきます。この時期から後期まで持ち越されたモチーフもあり、日記体、告白体と呼ばれる形態で自身を語る作風は、生涯続きました。最近では、太宰文学をウェブ上の日誌、ブログにみたてる見方もあります。
本展では、初版本(復刻)、作品掲載雑誌などで、生涯の作品をたどり、中期以降から得意とした女性独白体にも着目します。太宰が女性の語りで書いた小説の一例として、「おさん」の直筆原稿(レプリカ)を出展します。
生涯の足跡を伝えるグラフィックパネルでは、弘前大学より提供された新資料-少年時代の肖像写真や交友関係を伝える写真を紹介します。また、三鷹における太宰の写真も紹介します。