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企画展示 三鷹時代の名作「美男子と煙草」がはじまりました

2014年10月 1日太宰治文学サロン文芸担当(倉持)
展示風景

 『斜陽』がベストセラーとなり、無頼派の旗手として人気作家に躍り出た太宰の元に取材依頼が寄せられます。それは、戦災で家を失った人々についてのものでした。昭和22年(1947)12月22日、太宰は雑誌記者とともに取材のため三鷹駅から上野に向かい、翌年1月8日には早速執筆に取りかかります。「美男子と煙草」は太宰が亡くなる3カ月前、昭和23年3月の「日本小説」に発表され、上野公園前の広場で太宰と4人の少年たちを撮った取材時の写真も掲載されました。作品が写真と連関して描かれていることは、本作の魅力の一つとなっています。


 この頃の太宰は、「桜桃」や「家庭の幸福」といった珠玉の短編作品を三鷹で数多く生み出しています。なかでも、〈私〉を〈太宰〉として描いた随筆的な本作品は、最晩年の太宰の作家としての一面を物語っているようです。作中の表現は笑いを伴ったユーモラスな形で描出されていますが、「もはや人間ではなくなっている」というフレーズには「人間失格」の要素が色濃く映し出されています。「美男子と煙草」は後期の太宰文学を考える手がかりとなる重要な作品といえるでしょう。


 本展では、最晩年の太宰の執筆活動をあらわす「美男子と煙草」「人間失格」などの複製原稿とともに、多彩な装幀の初版本や初出雑誌を展示しています。「美男子と煙草」執筆のために取材に出かけた上野で撮影された、太宰の写真もあわせてご覧ください。

太宰治文学サロン

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