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企画展示「太宰治 晩年の言葉(フレーズ)」に衣替え!

2012年6月13日太宰治文学サロン文芸担当(吉永麻美)
展示資料

太宰治は、昭和21(1946)年11月に疎開先の故郷青森から三鷹の自宅に戻ります。
仕事場を自宅書斎から三鷹駅周辺にいくつか移し、ベストセラーとなった「斜陽」、近年映画化され話題を呼んだ「ヴィヨンの妻」や「人間失格」など、代表作をはじめとする作品の多くを三鷹で書きました。
戦後の太宰は夫のある女性を主人公にして語らせるなどして、家庭に言及した作品を多く生みだしています。世間に無頼派の象徴的存在として位置づけられた自身が、実生活では妻子に恵まれ平凡な家庭を築いているというギャップを抱えながら、独自の世界観を創りあげたといえるでしょう。
晩年の太宰の紡いだ数々の言葉からは、人の心の深淵や戦後の日本社会への失意や諦念など、内なる叫びが発せられています。なかでも、毎年6月19日に営まれている桜桃忌の由来となり、「子供より親が大事」というフレーズを繰り返し用いた「桜桃」、家庭の幸福こそが究極の栄冠であり、同時に諸悪の根源であると説いた「家庭の幸福」などは、根強い人気を誇る印象的な作品です。
没後60余年経っても読み継がれている太宰のような作家は、今日では稀有な存在といえます。幅広い世代から支持される理由に、作品に自己を投影する手法によって読み手との距離を縮めていることが考えられます。読者が太宰の描いた主人公と同じ苦悩や欲望をもつ一個の人間であることに立ち返り、その時々の心境を太宰の紡いだ言葉と共鳴させることで、太宰治は時代の壁を超越した作家となり、生き続けているのです。

太宰治文学サロン

〒181-0013
東京都三鷹市下連雀3-16-14
グランジャルダン三鷹1階
☎・Fax0422-26-9150
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