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春風亭小朝 独演会

春風亭小朝

[完売御礼]
本公演は終了しました
【演目】『子ほめ』(南京玉すだれ)春風亭ぴっかり☆
『お直し』春風亭小朝、『七段目』春風亭小朝
~仲入り~
(水戸大神楽)柳貴家雪之介、『男の花道』春風亭小朝

2017年 1月21日(土) 13:00開演

【全席指定】 会員3,150円 一般3,500円 学生2,000円 高校生以下1,000円
託児サービス 500円、対象:1歳~未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
*未就学児は入場できません。*託児申込の受付は終了いたしました。
【出 演】 春風亭小朝

三鷹の落語の初笑いは、やっぱりこの人!
春風亭小朝師匠で始まります。
澱みの無い鮮やかな語り口で、次から次へと湧き上がっていく爆笑の渦。
小朝師匠の落語で大いに笑って、新しい年の福を、呼びこんでください!

春風亭小朝インタビュー

三鷹市芸術文化センターのオープン(1995年11月)当初以来、
ほぼ毎年、独演会をお願いしており、近年は、三鷹市公会堂で、
新しい年の門出を祝う「新春初笑い」を飾っていただいている春風亭小朝師匠。
来年1月の独演会を前に、長年、落語界を牽引してこられた小朝師匠に、お話を伺いました。

最初の頃は三鷹市芸術文化センター、そして近年は三鷹市公会堂と、小朝師匠には長年、三鷹で独演会をお願いしてまいりましたが、三鷹での公演はどのように感じていらっしゃいますか?

小朝 そうですね、いつもとても熱心に聞いてくださるなというのが率直な感想ですね。あと、楽屋がとても綺麗になったなあと(笑)。

公会堂は築50余年ですが、3年前にリニューアルオープンいたしました。

小朝 椅子も良くなったみたいですし、700席くらいですか?落語会にちょうどいい、演じやすいホールですね。

ありがとうございます。三鷹の会に限らず、長年、落語界を引っ張って来られた小朝師匠ですが、高座に上がられるにあたって大事にされていることはございますか?

春風亭小朝インタビュー小朝 今の時代は、娯楽がとても多いでしょう。その中で、落語を選んで足をお運びくださったことへの感謝の気持ちを、強く感じています。その上で、最近は、お客様のほうで“昔ながらの言い回しで語られる落語が好きだ”という方と“できるだけわかりやすい言葉で語られる落語が好きだ”という方の、二通りに分かれている感じがして、昨今はどちらかと言うと、わかりやすい落語をお好きな方が大勢を占めている様に思います。なので、そのどちらのお客様にも満足していただけるように、残していきたい言葉や描写は残しつつ、どこまでわかりやすく語っていくのかが、課題のように思います。ただ、すべて噛み砕いて説明して、昔の言葉を今の言葉に置き換えていくのは、一見お客様に親切にみえるかもしれないけれど、あまりにもやり過ぎてしまうと、その噺が本来持っている良さが伝わらなかったり、想像力が広がらない時もあって、それは嫌だなと。だから僕は、“昔からあった言葉で、こんなに良い言葉があるんだけど”と思う言葉は、意識的に入れたりしています。そうすると「ああ、昔はそういう言い方をしたなあ」と思ってくださったり、気になった方には「後で調べてみよう」と思ってもらえたり、そういうのがいいなあと思います。考えてみると、自分が小学生の頃なんて、落語聞いてもわからない言葉だらけで、でもなんとなくわかったような気がしたし、調べたし、何よりも聞いているうちに、だんだんとわかってくるのが嬉しかったんですね。そこで最近、若手の二ッ目や前座を50人くらい集めて、専門の講師を呼んで、昔のことを勉強する会を設けているんです。「座布団の上に座って喋れば落語家」ではなくて、“日本にどんな文化があったのか”とか、“これこれの、物の始まりはこうだった”とかを知らずに、言葉だけで落語を喋っているのと、こういう意味があるとわかって喋っているのとでは、全然違う。例えばね「なんで花見は桜でないといけないのか」とか「十五夜の団子は、いくつあるのが正しいのか」なんて問いかけると、皆「う〜ん。考えたことも無かったです。十五夜だし、団子は15個じゃないんですか?」という疑問がでてくる。そうすると先生が、「15個っていうのは、団子屋の戦略なんだよ」って、教えてくれる。そうやって勉強したことを、噺のマクラにちょっと加えるだけで、厚みが増すんですね。実際、その勉強会で覚えたことを、そっくり講演会で喋っている若手がいるそうですよ。

これから先、どのようなことを意識して高座に上がりたいですか?

小朝 今一番考えているのは“()”のことです。ホロヴィッツというピアニストのコンサートに行った時、演奏の最中に、物凄く“キュン”とした、ほんの一瞬の()があったんですね。で、もうなんていうか、その衝撃がずっと脳裏から離れなかったので、その()を、『子別れ』という噺で使ってみたんです。そうしたら、後で知り合いのお客さんが「あそこで急に泣きそうになった」と言ってくれて、「あっ、わかったんだな」と。それはもちろん凄く嬉しかったのですが、同時に少し怖いなと思ったんです。ほんのちょっとの()の違いで、お客様の琴線に触れたり、触れなかったりするんだなと。それは本当にほんの少しの、コンマ何秒という()なんですけど、脳に想像させる瞬間を与える()だったんですね。その間合いというか、音が鳴っていない時間というか、それを突き詰めていけたらなと思っています。例えば、これは黒柳徹子さんに伺ったんですけど、森繁久彌さんは、セリフを全然覚えてこないことで有名だったんですけど、あるドラマで、橋を渡るシーンがあって、いつものようにセリフを覚えてないから、橋の両側にセリフをベタベタ張ったことがあったんだそうです。ところが本番が始まったら、セリフを全く覚えていないのに、橋を渡り切るまでに、スタッフが皆、森繁さんの演技を見て、泣いてしまったんだそうです。それを聞いて、セリフを覚えていないのに、皆を泣かせるセリフ術っていったい何なんだ。果たして落語で、そういう境地に行けるのかなと思いました。そしてもうひとつ、よく落語を語る時に“泣かせるのは簡単で、笑わせる方が難しい”という人がいるけれど、いったいどのレベルで言っているのかなあと思うんです。芸事においては、泣かせるのも笑わせるのも物凄く難しい事ですからね。

気力体力ともに充実して高座に上がられるために、日々、続けていらっしゃることはありますか?

小朝 まぁ、青汁を飲んだり、ストレッチをやったりはしていますけどね(笑)。そういえば先日、TBSテレビの『情熱大陸』で、北海道のトド撃ちの名手の話をやっていたんですが、80歳を過ぎているのにスタスタ歩いて、荒波の中、自分で小舟を出してトドを撃って、引っ張ってきて、裂いて、コーヒーを飲んでいるんですよ。これだなと(笑)。突然目覚めて健康になろうったって、そうはいかないんだなと気がつきました。衰えてくるまで無精をしておいて衰えてきたら何かやろうじゃなくて、まだ動けるうちから準備をしておかなければいけないなと。そうして体力気力ともに充実した日々を過ごした結果、いったい何が待っているのかなと想像すると、究極にはですね「この人、ボケているのかいないのか、どっちなのかわからない」という高座に辿り着けるのではないかと思ってます。「この人、変に面白いんだけど、本当にボケてるのかしら、それとも計算なのかしら?」という域にいけたら、物凄く面白い気がします。それはさっきの()の話にも繋がりますが、昔の講釈師で、出てきて何もせず、お茶を飲むまでに2分かけたという人がいて、お客さんが「いつ喋るんだろう」とずっと待っているのに、ゆっくりお茶をのんで、さぁ喋るかなと思ったら、懐からちり紙を出して鼻をかんだりして、ようやく第一声が出た瞬間、さっとお客さんの心を掴んで講談の世界に連れて行くんですよ。それは凄いことです。上方の月亭可朝師匠も昔すごいことをやっていて、最初の2分くらい「ほんまやから」「ほんまですわ」「ほんまにね」と『ほんま』しか言わない。終いには寝っ転がって「ほんまやから」と。でもどんどん笑いが溜まっていくわけですよ。ほんと凄いなと思います。もちろん、今の自分でもやれない事はないと思うけど、頭の中で微調整するわけです。そろそろ飽きてないかなとか、喋ってないけど飽きないように何かやろうとか。ところが先の講釈師は、本当にお茶をのんで、鼻をかんで、まるでお客さんいないの?って感じで演るわけです。そういう()が欲しいなぁと思うんです。だってね、言ってみれば「(楽屋で)お茶飲んでから出てこいよ」「鼻かんでから出てこいよ」って事じゃないですか。それが芸になっている凄さ、そして、最初の一言をボソッと言える面白さってすごいなと。ボーっとしているんだけど、芸が光っている、そんな元気な状態で、歳を取っても高座を務めていきたいですね。

一時期、凄く体を絞っていらっしゃいましたね。

小朝 NHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014年)で明智光秀を演じた時に17kgくらい痩せたんですけど、なんか周りが褒めてくれるから嬉しくてどんどん痩せました(笑)。確かに、ちょっとだけ無理をしてダイエットをしたのですが、あの時は精神的に追いつめられていく戦国武将の役でしたから、鍛えて健康的に痩せてもしょうがなくて、むしろ精神的に参っている感じが出た方がよかったので、自分を追い詰めて一気に痩せました。しかも、「本能寺の変」のシーンが予定より早くなったので(笑)、本当はもうちょっと後のはずだったのに、急に来ちゃったので(笑)、それもあって、一気に痩せないといけなくなったんですね。ただ、自分としてはもっと痩せても良いかなと思ってたんですけど、周りの人がみんな「もしかして・・・」と聞いてくるので、いちいち説明するのが面倒になって、それ以上痩せるのはやめました。

小朝師匠は、常に興味の泉が尽きない方と拝察いたしますが、これからチャレンジしたいと、思っていらっしゃることはありますか?

春風亭小朝インタビュー小朝 今一番、ものにしたいのは『篠笛』ですね。今年の1月、三鷹の独演会に出演してもらった広瀬哲哉さんが吹いていらっしゃる『ブルースハープ』も(広瀬さんに)習っているんですけど、今は『篠笛9:ブルースハープ1』という感じで、篠笛に挑んでいます。でもね、出したい音はそんなに簡単には出ない。練習を重ねて、自分の中でかなり良いかなと思ってきても、プロの演奏を聴くと「あー、やっぱり違うな」と思ってしまう。やればやるほど基本的な事が一番難しいですね。後はね、ジャズピアノと尺八ですね。もう今、とにかくどうしてもジャズピアノを弾けるようにならないと、自分の中で“おさまらない”。だから、バイエルから始めてではなくて、もう3曲なら3曲と決めて、その3曲をものにしたいと思っています。そして尺八は、『春の海』をものにしないと“おさまらない”(笑)。ただ、今頑張っている篠笛と尺八では、息の使い方が違うので、まずは篠笛を極めてから尺八に行きたいんですけど、なかなか篠笛が極められなくて(笑)。ジャズピアノは、僕の目標としては、高級外車ベントレーから乙な着物を着て颯爽と車を降りるや否や、いきなりピアノを弾く、“その感じ”(笑)。映画『プリティウーマン』でリチャード・ギアが、ジュリア・ロバーツを待たせたままピアノを弾くシーンがあるんですけど、それがすごく良くて。一見、ピアノが弾けなさそうな人がいきなり弾く、“その感じ”(笑)。先日、『ゆりやんレトリィバァ』さんという若手の女芸人が、どうやったってショパンを弾くような雰囲気じゃない人なのに、見事にショパンを弾いたんですよ。その時のお客さんのどよめきと、僕の胸にグサッときた感じがたまらなかった。「やられたー」っと。それを目指したいですね(笑)

次回の三鷹の独演会は来年1月です。お客様へのメッセージをお願いします。

小朝 ちょっとピーンときちゃって、最近すごく演りたい噺があるんですよ。ですので三鷹では、一席はその噺を演りたいなと思っています。最近、あまり誰もお演りにならない噺で、ほぼ7割くらい夜の情景の噺なんです。三鷹では毎年落語会を演らせていただいて、いろんな噺を聴いてもらいました。今回は、僕のそういうチャレンジを、ぜひ楽しみにして来てほしいと思います。お待ちしています。

本日はありがとうございました。
(2016年8月1日 ロイヤルパークホテルにてインタビュー)
[インタビュアー] 森元隆樹(当財団・落語担当)

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