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[チケット発売日]友の会/3月13日(火) 一般/3月16日(金)
 2007年5月18日(金)〜6月3日(日) 計18回公演(+1回追加公演)
 【全席指定】 [前売] 会員=4,000円 一般=4,500円
[当日] 会員=4,500円 一般=5,000円
高校生以下=2,500円(前売・当日とも)
500円、対象:1歳〜未就学児、定員10名、要予約(2週間前まで)
26日(土) 14:00の回のみ
 【公演名】 G2 produce & 三鷹市芸術文化センター Presents『ツグノフの森』
 【作・演出】 G2
 【出 演】 片桐仁(ラーメンズ) 坂田聡 福田転球 
杉浦理史 権藤昌弘 水野顕子 岩橋道子 久ヶ沢徹
次々と伝説の舞台を贈り出し続けるG2による、2年振りの新作公演!ラーメンズの片桐仁をはじめとしたナンセンス・コメディーの強者(もさ)たちが縦横無尽に絡み合う新鮮なキャスティング!豪快に笑い、感動したかったらこの舞台、必見です!
  5/18
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6/1
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6/3
(日)
14:00                  
18:00                          
19:30            
◎は追加公演分  ★の回のみ託児サービスあり
 追加公演決定!
 G2 produce & 三鷹市芸術文化センター Presents 『ツグノフの森』
   お陰さまでチケットが完売間近の状況になり、このたび追加公演を実施することとなりました!
 【追加公演日程定】 5月27日(日) 18:00開演
 【追加公演発売日】 友の会/4月19日(木) 一 般/4月20日(金)
 【 料 金 】 [前売] 会員=4,000円 一般=4,500円 [当日] 会員=4,500円 一般=5,000円
高校生以下=2,500円(前売・当日とも 当日学生証拝見)
 【チケット取扱い】 三鷹市芸術文化センター 電話予約 0422-47-5122(10:00〜19:00)
財団インターネット予約 事前登録(無料)が必要となります。
○パソコンから http://www.mitaka-art.jp/ticket/
○携帯・PHSから http://mitaka-art.jp/ticket-m/
  電子チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:374-854) http://t.pia.co.jp/
イープラス http://eplus.jp/
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:37209) 0570-000-407(オペレータ対応)


 G2(ジーツー)演出家・劇作家
舞台演出家・劇作家・演劇プロデューサー。演劇ユニット[G2プロデュース]主宰。独自の公演のほか、パルコ劇場との共同作品、松尾貴史とのユニット「AGAPE store」などを活動拠点とする。06年は、初のミュージカル「アワハウス」翻訳・演出や新橋演舞場での「魔界転生」の脚本・演出など、多岐に渡るハイペースな活動を展開。
STORY
震度3?これで?ありえねー。
彼女が昏睡状態に陥った夜、
大地はまるで意思を持ったかのように動きだした。
震度3と告げられたその地震は、すべての地表を横滑りさせていく。
ものの見事に破壊され、折り重なるようにうねり上がる大地。
新たな境界線を我が物にせんとハイエナのように争う人々、そして地方自治体
日本は軽く、内戦へのステップを舞い始めた──
そんな中、とある画家が棲息する巨大な森の奥深く。
何かに導かれるように集まってくる人々の周りにも、
ゆっくりと静かに、狂気が立ち昇っていく。
それは恐怖?それとも癒し?
不安定な精神状態が、誰しもの三半規管を揺さぶり続ける中
歯車は大胆に、ひとつずつ壊れていく
G2 produce(ジーツープロデュース)
演劇プロデューサー・G2が主宰する演劇制作ユニット。小劇場の人気俳優を集めた独自のプロデュース公演を製作するとともに、パルコ劇場と「ダブリンの鐘つきカビ人間」「人間風車」などを共同製作し、評価を高めている。
公式サイト⇒ http://www.g2produce.com/
Interview ::: G2さん
この舞台を見届けてほしい。
突きつけてくるけど面白い、そういう舞台を作りたいと思います。
5月18日〜6月3日に開催する『ツグノフの森』の作・演出をされるG2さんにお話をうかがいました。
──チラシやあらすじを読むと謎めいた神秘的な印象を受けますが「荒唐無稽なファンタジック・コメディ」とありますね。
   1年以上前ですが、担当の森元さん(演劇企画員)とお話していて、「圧倒されるような“これはすごい”と思うような芝居を作りたい」という話で意気投合したんです。去年の11月12月は、この芝居のことを考え続けて混沌の中にいまして…探していたのは「すごい」けれども「笑いがある」ものです。笑いがあると陽気でにぎやかになりがちですが、笑えるけれど何か観た人に突きつけてくるものがあるものがやりたかったんです。「笑い」と「突きつけてくるもの」がどちらかなのではなく、同居しているのでもなく、全く同一のものとしてそこに存在している、というものを目指したいということです。
──その「すごい」脚本をどのような道筋で考えていかれるのでしょうか?
   舞台の本質というのは演ずるものと観る人の間に媒介するものが何もないことだと思うんです。だから今回はなるべく小さい劇場を選んで、役者から客席にストレートに生の言葉をぶつけることで、役者とお客様のスリリングなやりとりを楽しんでもらいたいと思っています。
   ぼくはこれまで常に、「こういうものを作りたければこういうテクニックで」という自分のセオリーがあり、そのセオリーの中にある“エンターテイメントの手法”を念頭において作品を作ってきていたんです。稽古場で役者がはじけて乗ってくれば、その枠を徐々にはずしていく、という方法です。このやり方だと「この場をちょっと埋めていく」という台詞がどうしても出てくるんですね。でも今回は嘘を書きたくないので、最初からそのセオリーははずしたいな、と思っていて…怖いけどそれをやりたいな、と。で、思いつくことを一筆書きのように一気に書いてみたいと。もちろん僕にとってはすごく面白いものだけど、それが独りよがりにならないように、ちゃんと伝わって笑ってもらわなきゃいけない、という部分は押さえますけどね。
   以前、漫画家の浦沢直樹さんのドキュメント番組で見たんですが、『YAWARA!』を書くまではずっと「どうしたら売れるか?」ということを意識してテクニックを駆使してやってきたそうなんです。その後、「本当の自分の魂の叫びを込めたい」と思うようになったが編集者や出版社の方からそれだけじゃOKが出ないので、ダメと言われないように見た目にはスポコンものの形式を踏襲して、でも人間の裏側を描くチャレンジを始めた、と。でも実際にやってみると人間の裏側を描くのって難しい、というようなことをおっしゃっていました。それと今の僕の状況と似ているところがありますね。
G2さん
──大震災、内戦、親子関係の崩壊など、現代社会の問題点がモチーフとなって出てきていますね。
   僕は作品の中で問題提起をしようというつもりはないんです。ただ、今、例えば「寺内貫太郎一家」のようなホームドラマ風の家庭を描いたとしても「こんな家族ないよ」と思ってしまうんじゃないですかね。問題を色々抱えているのが案外今のリアルじゃないかと思って…「こんな時代に生きているってどういうことかな」っていうことを考えてもらえれば、というところでしょうか。
──キャストのポイントはどんなところでしょうか?
   僕をよく知っていて今回の試みにつきあってくれそうな人と、方向転換する際に助けてくれそうな人、化学反応を起こしてくれそうな人…、そんなふうに考えて選ばせてもらいました。みんな芝居がうまくて、いてくれるだけで面白い人たちなんで、楽しみですね。
──三鷹をイメージして作品を書いてくださっているそうですね。
   三鷹の森ジブリ美術館の前を通りかかったとき、最初すごく大きい森だと思ったんです。それで「都会のすぐそばで、簡単に入れる森なのに、出てこられない」というのを思いついて…その後地図で見たら意外と小さくて井の頭公園の端だとわかったんですけど。これじゃ、出て来られるじゃん、って(笑)。そうしたら土地が「ぐにゃっ」とゆがんだりしたことにしたらいいか、と思って…でもあくまで三鷹、吉祥寺の街をイメージして作ったんですよ。多分地名も出てくるんじゃないかな?
   舞城王太郎さんの小説に「好き好き大好き超愛してる」というのがあるんですが、これがすごく面白くて。オムニバス方式で、物語の間に違った話が入って来るんですが、でも一字一句、次が読みたくて仕方ないんですよ。舞城さんをすごく意識してます。勝てたらいいなと思います。
──「ツグノフの森」のタイトルの意味するところは?
   「つぐのふ」は「つぐなう」の古語で、「償う」ということは今の僕の一番の興味なんです。例えば僕がだれかを殴ってしまったとして、僕は「償いたい」と思ったとします。でも、その償いたいという気持ちと相手が償って欲しいと思う気持ちは絶対に合致することはないような気がするんです。不可能だけどそのことを挽回したいために償いたいと思う、その辺の人間と人間の歯車の食い違い、みたいなものが不思議だな、と思うんですよね。それがテーマとも言えますね。
──テレビ局の演出の仕事で活躍しながら、舞台の世界に入り、テレビ局を辞めて舞台に絞るようになった経緯を教えてください。
   若い頃はずっとギターをやっていて、本気でスタジオミュージシャンになりたかったんです。でも、プロとなると技術だけではなく、音痴ではダメ、それと指が太いとダメとわかり…大きな挫折を味わいテレビ局に入ったんです。挫折してテレビ局って言うと皆に怒られるんですけど(笑)。局では割と早くから自分の企画を通してもらい、中島らもさんや竹中直人さん、シティボーイズなどとシュールな番組を作って楽しかったです。でもテレビというのは「出来上がったもの」を表現する場所で、自分としては「まだ固まっていないけどこれから形になりそうなもの」を作っていくことにも興味があり、それをテレビの外でやろうとして劇団(「売名行為」)に参加して活動していたんです。また、テレビ局というところは40(歳)の声を聞くと現場を離れていく組織で、成功した人ほどそうやって管理職になっていくわけですが、僕としては現場を離れるのがどうしてもいやだったんです。手塚治虫さんは亡くなる直前まで作品を描いていたそうですが、それに憧れましてね。最期の最期まで自分の感性を振り絞るように仕事をしている姿というのに…それで、テレビ局を辞めて舞台の道を選んだんです。
──三鷹のホールのイメージはどうですか?
   三鷹のホールは昔から独自の視点で小劇場の公演を手掛けていて、気になる公演も多くてよく観に来ていたんです。実際、三鷹の公演で見初めて、その後、自分の芝居に出ていただいた方もいらっしゃいます。一昨年、佐々木蔵之介君と佐藤隆太君が出ていた二人芝居(「時には父のない子のように」)を観て「こんな、大人向けの感じのものも作るんだ」と興味を持って、こんな芝居をこのぐらいのサイズの劇場で何かやってみたいな、と思ったんです。森元さんに話したら「ぜひ、やりましょう」という話になりまして…
──公演へ向けてメッセージをお願いします。
   今回は何しろ、自分でもぎりぎりのところでエンターテイメントを提示する作品になると思うので、気軽に「面白いから観に来てください」とはちょっと言えないんですよね。ここまで積み上げてきたものの集大成となるものにしたいと思っていますので、お客様にもぜひ「立ち会っていただきたい」「見届けていただきたい」という気持ちです。頑張ります!
   (2007年2月14日 世田谷パブリックシアターにて)

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