アイルランド − 奇跡の抽象 [ リチャード・ゴーマン展 ] |
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4月24日(土)〜5月30日(日) 開館時間:10:00−20:00(入館は19:30まで) 休館日:月曜日(5/3(月)は開館)、5/6(木)、5/19(水) 観覧料:会員400円、 大人500円、学生300円 小学生以下、65歳以上、障害者は無料。20名以上の団体は2割引き。 |
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■ リチャード・ゴーマン(Richard Gorman) 1946年、アイルランドの首都ダブリンに生まれたリチャード・ゴーマンは名門トリニティ・カレッジで経営学を学んだ後、フォード社を経て親族が経営する自動車関連会社に就職。 しかし少年の頃からの画家への夢を絶ちがたく、30歳の時絵筆で生きる道へと歩み出した。1983年にパリに渡り、リトグラフ制作を手がけた後、ミラノに住み今日に至る。 1990年代半ばからは、色彩の分割による抽象作品を多く描いている。 新しい画材の使い方、 色の持つ可能性をダイナミックに表現する感覚などにおいて高い評価を得て、現代アイルランドを代表する作家としての位置を固めている。 |
![]() UNTITLED 1998 リネンにオイルテンペラ 150x150cm |
![]() CASA 1987-1988 カンバスに油彩 140x140cm |
現在来日して、この展覧会のために和紙を使った新しい作品にも取り組んでいるというリチャード・ゴーマン氏にインタビューしました。 |
● 初期から抽象絵画を描いてこられたのでしょうか。 |
ええ、 そうです。 以前は具象的なドローイングの上にそれを消すように絵の具を重ね、ジェスチャー(体と筆の動き)と共に生まれる抽象表現を試みていました。しかし、 次第に自分の身体的スケールや癖などによってある限界が作られてしまうことを感じるようになり、 また作品が「物語性」を持つことで、 見る人に安易な「解釈」を促すことにも疑問を覚え始めました。 今は物語性や具体的な風景、自分の感情をなるべく排して、色や形、面、空間の関係性を追求しています。像と地(背景)の区別もしたくはないのです。色面そのものが生み出すある種の調和が私にとっての絵画なのです。 |
● アイルランドの風景や風土、歴史は作品に影響しているでしょうか。 |
生まれ育った場所なので、その影響は無意識に受けていると思います。 祖国の風景を愛しているし政治にも関心があります。でも風景そのものを連想させるような色を使うことは避けているし、社会問題をテーマにすることもありません。「問題」をベースに制作する作家は多いですが自分の態度はそれと異なります。 |
● 「テーマ」や「タイトル」がないと、作品の見方を迷う人もいると思いますが‥‥ |
そのような質問は多いですね。 でも、見る人の受け取り方はまったく自由なのです。作家と作品の関係と見る人と作品の関係は別のものです。 人間は、 物事を秩序や論理によって考える「左脳」に支配され過ぎていると思います。 論理ではなく空間のつながりを感じる力を持つという「右脳」を使って色や形を楽しむ自由を味わってもらえたらと思っています。 |
ゴーマン氏は、静かで理知的な雰囲気の中にも、聴き手を引き込むような、制作への強い情熱を持った、大変魅力溢れる人物でした。 彼の言葉からはコンセプトやテーマなどから自由になって、あくまで自分にとってリアリティーのある「色」や「面」を追求しようとする態度が感じられます。しかしその作品は決して排他的ではなく、それを見た時我々は、きっとそこに解釈を超えた安らぎや穏やかさ、その奥にある深さやスケールの大きさを自然に感じ得るのです。('99年3月2日芸術文化センターにて) |
![]() UNTITLED 1997 リネンにオイルテンペラ 120/180x240cm |
アートスタジオ「リチャード・ゴーマン展」関連企画 | ||||||||||||||||||||
こどものためのワークショップ 壁画を描こう! |
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